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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・贈り人と真実編

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天国と天使

 婚約祝いもおひらきかな?というところで、シュシュさんが兄にコッソリ聞いていた。


「私もロザリンドちゃんに何かお礼がしたいのだが…何かないか?」


「ロザリンドが喜ぶ…か」


「………ふむ。ロザリンドちゃん!」


 兄が何を言ったのかは聞こえませんでした。シュシュさんに呼ばれて近寄ると、金色のもふもふにハグされた。


「ロザリンドちゃんはもふもふが好きなのだろう?存分にもふるといい!」


「ふおお…………」


 確かにもふもふが大好きだ!しかし、ディルクとの約束が…ディルクを見ると、仕方ないねとうなずいた。お許しが出ました!唸れ!ゴールデンフィンガー!!



「ふにゃあ…ゴロゴロ」


 すっかり猫と化した光の獅子・シュシュさん。はぅ…聖獣様はフカフカでお日様の匂いがしましたが、シュシュさんはフカフカしつつサラサラで、甘い花の香りがします。獣人は香水を嫌いますが、サシェなんかの柔らかい香りは好むそうです。

 いい匂いのもふもふ…しかも立派な肉球までお持ちのシュシュさんに、私は夢中です。


「ふむ、獣人の毛皮を好むのかな?」


 オスカルさんまで参加しました。もふもふサンドですね!?なんという至福…サービスでマッサージもしちゃいますよ!金獅子親子のもふもふを堪能していたら、ジェラルディンさんまで狼になってサービスしてくれました。ちょっと毛並みが悪いのでブラッシングとマッサージもしてやりましたよ。


 天国はここにあった!もふもふ最高!!私がうっとりしていると、小さく遠慮がちな声が聞こえた。


「に、にゃーん…」






 その者、黒き毛皮をまといて、金色のもふもふに立つ…………


 仔猫サイズのディルク様が、俺可愛いだろ?そんな他に浮気もふらないで俺だけをみろよにゃーんともうしておる(意味不明)


「ディルク…」

「…………なんつーか、かまったれやロザリンドちゃん」


 兄と彼方さんがかわいそうなものを見る目になっています。ディルクったら、私にヤキモチなんだね?んもう、可愛いんだから!


「ディルク…」


 ふらふらとディルクに手を伸ばすと、ディルクは私のささやかな胸に飛び込んできた。


「かわいい…」


「にゃあ…」


 すぐに撫でないなんて私の様子がおかしい!とディルクは私にペロペロします。


「お、怒ってる?俺がいいよって言ったのに、やきもち妬いて邪魔したから…」


「おこる?」


 私が?何に?ディルクに?違いますよ。私は……


「うん。いつもならぎゅーとかナデナデ……ろ、ロザリンド…」


「ふふ…ふふふふふ」


 ディルクは私の様子に気がついたらしい。私の瞳はギャグマンガならばハート目になっていたに違いない。あまりの可愛さに固まっていたのですよ!


「ディルクかぁわいいぃ~!!」


「にゃあ!?」


「かわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいい」


「ロザリンド、落ち着いて!目が怖い!」


「あああああああかあわいいいいいい!!」


 荒ぶる私!スーパーハイテンションロザリンドです!


「…眠れる(ロザリンド)を起こしてしまったみたいだね」


「せやな。荒ぶる(ロザリンド)がオンリーロンリーカーニバルやな…シュシュ、行くで。親父さんも病みあがりなんやからゆっくり寝てくださいね」


「え?ちょっと!?このロザリンドと2人きりにする気!?」


「「頑張れ」」


 私の兄達(笑)はディルクをアッサリ見捨てました。


「仕方ないじゃない。ディルクもかまわれたいんでしょ?ロザリンドも幸せみたいだし…」


「仕方ないやろ。おこしてもーたんやから。俺かて我慢してたのに」


「カナタ…カナタもヤキモチか!?ヤキモチなのか!?わ、私にか!?私にだよな!!私にヤキモチだよな!!」


「なんでそんな必死か。そら、まぁ妬くわ。いくら女同士でも、仲よすぎやから」


「カナタァァ!!」


「目覚めたな」

「バッチリ起こしましたね」


「へ!?ギャアアアア!?おま!下ろせ!お姫さま抱っこはやめろぉぉぉ!!」


 彼方さんの断末魔が響きわたる。アンドレさん、それは成仏しろよのポーズですか?シュシュさんはすばやく彼方さんをお姫さま抱っこすると、駆け出した。


「孫は3人ぐらい欲しいな」


「…叶うといいですね」


 ウキウキしたご様子のオスカルさん。苦笑する兄。


「私もディルクと存分にイチャイチャするため、客室に行ってきます!」


「えええええ!?」


 皆様に見送られ、客室に移動しました。








「ろ、ロザリンド…」


「怖がらないで、仔猫ちゃん…キモチイイことしかしないから…うふ、うふふふふ………」


「不安しかない!」


 ぴるぴる怯えるディルクも可愛い。というか完全獣化をとけばいいのに、頭が働かないようだ。上半身の服は脱がし、頭、頚、背中をもふり、ウットリしたところでお腹をもふる。さらに、手足やお尻…身体中をもふりつつ、ふと気になって胸をサワサワしてみた。


「ふにゃっ!?」


 毛に隠れた乳首に触れたからか、ディルクが尻尾をピーンとさせた。


「ディルク…猫って乳首が個体によって数が違うらしいです。ディルクはいくつあるんですか?それとも、獣化しても数はかわらない?」


「……………数えたことない。というか、知らなかった」


「じゃ、探してみよう!」


「みゃあああ!?嫌ぁぁ!!くすぐった…ちょ!い、いじらないで!」


 結果、増えてないことがわかりました。腹部をサワサワされまくり刺激された結果、ディルクは瀕死です。


「うう…」


「満足しました。ありがとうディルク」


「…………そう」


「というわけで、遊びますか!」


 やりたかったんだよね!仔猫ディルクと猫遊び!私のにゃんこテクを見せてやる!


「にゃあああああ!」


「ほらほらこっち!」


「にゃ!にゃにゃ!」


「残念、こっちこっち」


「ふみゃああああ!」


 可愛すぎる!仔猫ディルクが大興奮で猫じゃらしを追っかける姿、可愛すぎる!内心悶えつつ、ディルクが力尽きて眠るまで遊ぶのでした。いや、普段よりサイズ小さいから遊ぶのも楽でした。勢い余って転がったり、猫じゃらしを興奮してガジガシしたり…天使はここにいました!


 本当なら添い寝したかったけど、明日の準備があるのでディルクにお布団をかけて泣く泣く別室に行きました。ラビーシャちゃんから報告も聞かなきゃだしね。


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ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
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