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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・贈り人と真実編

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婚約祝いとソウルフード

 オスカルさん快復&シュシュさん婚約のお祝いをすることになりました。是非参加してと言われて、私、ディルク、兄が参加しています。私もお祝いのお料理作るぜ!と作りました。心をこめました。美味しくできました。味見しましたがとっても美味しいです。


「ロザリンド」


「…はい」


「何を入れたの?」


「…ステーキは億千万バッファローですが、他は一般的な食材です」


「……………おまじないは?」


「おいしくなーれはしました…うわぁん、ディルク!兄様がいじめる!」


「あー、うん。よしよし。ロザリンドに悪気はなかったんだよね。おいしいご飯を作っただけだよね」


「………なんでキラキラしとんの?」


 ついに彼方さんが言ってはならない部分にツッコミをしてしまいました。


「シヴァのせいです!シヴァの天啓のせいなんです!」


 美味しそうに湯気をたてるご飯達は物理的にキラキラしてました。食材は普通でしたよ!

 勇者(ディルク)が輝くご飯を食べてくれました。


「うまぁぁぁい!!」


 目と口から光が出たよ。害はないと判断したらしく、皆さんも食べ始めました。慣れって怖いですよね。もう目と口から光が出ても、誰も気にしません。い、いいのかな…


「シュシュさん、婚約祝いです」


 金色を基調にした、薔薇の意匠のロングソード。シュシュさんをイメージした品だ。光と聖属性を付与し、シュシュさんさんの戦いかたを参考にしたやや細身の刀身。シュシュ愛用の剣を参考にしました。


「これは…」


 シュシュさんが瞳をキラッキラさせています。気に入ってくれたようです。


「銘は光麗。シュシュさんのために私が作りました。改善点があれば遠慮なく申し出てください」


 シュシュさんは数回光麗を振ってみせた。


「気に入ったよ。大切に使わせてもらおう」


 さっそく腰につけていた愛剣と交換してくれました。よかった、シュシュさん超嬉しそう。


「よかったなぁ、シュシュ」


「彼方さんにもありますよ、お祝い」


 そっとカフスを渡した。カフスには雫型の青い石がついている。


「シュシュさんとお揃いの、全異常無効アクセサリーです」


「おお…またスゴいもん持ってきたな」


「それは確か、自由な風が一生かかっても買えるかわからんとか言っていたやつか?主」


「「………………」」


 なんでもオスカルさんと幼馴染だったとちゃっかり参加していた英雄が、爆弾をポイ捨てした。固まるシュシュさん&彼方さん。


「てへ」


「贈り物はお返しできそうな品でお願いします!」


「…いや、多分主の武器も一財産だぞ?いくらになるか見当もつかん」


「ジェラルディンさん、ハウス!あっちに好物のステーキがありますよ!」


「む!行ってくる!」


 邪魔者(ジェラルディンさん)はいなくなりましたが、彼方さんが文句ありそうです。


「…彼方さんやシュシュさんには、今後魔の件で助力を乞うことになります。これはそのための保険で先行投資です」


「私はロザリンドちゃんのためなら何とだって戦うぞ!」


「……せやな。利害は一致しとる。シュシュのためでもある、か。ありがとさん」


 シュシュさんは満面の笑みで、彼方さんは苦笑しつつ、揃いのカフスを身につけた。


「彼方さんには個人的プレゼントもありますよ」


「ん?」


「あけてみて!」


 プレゼントボックスからプレゼントを取り出す彼方さん。私の野望が叶うときが来ました!


「これは…………!」


「彼方さん…」


「皆まで言うな、任しとき!」


 私と彼方さんは走り出した。目的の地へと!!


「カナタ!?」

「ロザリンド!?」


 婚約者達が叫んだが、私達は止まらない!いざゆかん!






 しばらくして、私達は帰ってきた。そう、我々は成し遂げたのである。


 丸々とした完璧な形…味見したが、味も最高です。そう、関西が誇るソウルフード!


 TAKO☆YAKI!


 彼方さんへのプレゼントはたこ焼魔具。自分でたこ焼を作ってみても、満足な出来にならなかった。しかし今!彼方さんのおかげで、最高のたこ焼を作れました!


「これ、タコヤキ?」


 ディルクは何度か試食したのでわかったようです。


「そう!でも、今までのは未完成…これぞ私が求めたら真のたこ焼なのです!!」


「………そう」


 ディルクに苦笑されました。食べたかったんだよ、たこ焼!!ディルクにも食べさせてあげたかったしさ!


「ふーふー。ディルク、あーん」


「へ!?いや、自分で食べられるから!」


「…あーん…ディルク、食べて。ディルクに食べてほしいの」


「……………くっ…なんでこんな可愛いんだ…あ、あーん」


 ディルクの感性がよくわからない。あれか。つがい補正とかあるのかな?無理矢理あーんする小娘に可愛さはないと思うんだよね。


「おいしい!!」


「でしょ?」


 私の研鑽した日々はけっして無駄ではなかった。たこ焼ソースの開発や紅ショウガ…青のり…カツオ節…たこ焼の必需品を揃えていたかいがありました!


「シュシュ、うまいか?」


「はむはむ…ふまい!」


「そうか、よかったな」


 彼方さんは我が子を見守る母親みたくなってます。シュシュさん…幸せそうだからいっか。


「はむはむはむ…ぬおおお!?」


 ジェラルディンさんが当たったようですな。


「ぐおお!!」


 のたうちまわるジェラルディンさん。


「………何を入れた?」


「ハバネロ的な激辛ソースをたっぷり☆」


 テヘペロ☆とウインクする私。


「ロシアンたこ焼きか…正直ありやな!」


「さすがっす!兄さん!」


「…いつからうちの妹はカナタさんの妹になったのさ」


 私の実の兄が不満げです。いやいや、ノリですから。


「なら、お前が俺の弟になれば解決やな!」


「なんでそうなるんですか!?」


 彼方さんに頭をグシャグシャにされる兄。しかし、彼方さんに悪意がないから邪険にしにくいらしく、たいして抵抗していない。


「名案です!彼方さん!いや、彼方兄様!」


「え!?」


 驚愕する兄。むしろ仲良しになってくれ。オタク以外の友人も作ろうよ!彼方さんはいいやつだよ!


「ならば、私は姉だな!」


「わーい、シュシュ姉様~」


「妹よ!!」


 ひし!と抱き合う私達。完全についていけてない兄。


「ならば、私が父だな!」


「「父さま~」」


 軽々と左に私、右にシュシュさんを抱き上げたオスカルさん。力持ちだね!


「わ、わけがわからない…」


 そしてやっぱり怒濤の展開についていけてない兄。しかし彼方さんが悪い人ではないと理解したらしく、わりと穏やかに会話してました。


 ちなみに疑似家族ごっこは兄がいいかげんにしなさい!とキレるまで続きました。

 ようやくたこ焼が出せました!彼方さんを出すと決めてから虎視眈々とチャンスを狙ってました!


 婚約祝いはまだ続きます。ちなみにシュシュさんの剣とカフス➡原材料だけでクリスティア城が建てられる。完成形は国宝レベル(値段がつけられない)

 世の中には知らない方がいいこともあります(笑)

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