オトコハツラ遺跡の真実
ややエロネタがあります。苦手な方はスルーでお願いします。
読まなくても多分大筋は解るかと思います。
管理AIが来ました。なんというか、ナビィ君の色違いでした。こと姉ちゃん、手抜きしたなと思ったけど、黙っときました。ナビィ君はシルバーを基調とした、円筒形ボディーに大きな目と細い手足のロボだが、この子はボディーがピンク色でリボンがついている。
「ここの管理AI、ナビコと申します。ご案内いたします」
「…ナビィ君みたくカタコトじゃないんだね」
「私は役割柄人と接することが多くなりますので、そのせいかと。そちらのお連れ様は男性ですか?」
ナビコちゃんはちらりとディルクを見た。
「うん」
「危険かもしれません。何か対策が必要です」
結局仔猫サイズになってもらい、私の服のなかに隠れていただきました。
「無理!無理!こんなロザリンドの匂いが充満してて…」
「くさい?」
「いや、いい匂いだけど理性が保てないよ!無理!」
「ディルクのえっち」
「普通だと思います!」
「なら寝とく?魔法で寝かそうか」
ディルクはいったん耳飾りを外し、魔法で眠りました。
「奥まで行けば問題ありません。セーフティエリアに入りましたらお教えします」
何故こんなヤバイ遺跡をこと姉ちゃんが放置せざるをえなかったのかは、数分後に分かりました。
「苦労したのねぇ」
「辛かったでしょう」
「男なんてクズよね」
「もげればいいのに」
とりあえず、最後はなにがもげろなのか気になるけどつっこみません。皆さん怖い。
ナビコさんは居住区の奥に管理エリアがあると話した。そして、私達は人懐っこいが男性を目の敵にするおばちゃん・お姉さんズに囲まれています。
オトコハツラ遺跡は、男性にひどい扱いをされた女性達のシェルターなのだそうです。もとは違う用途だったとのこと。女性達はウルファネアならではなのかは知らないけど性的にひどい扱いを受けた人が多く、男も性的にひどい扱いをうけるべきだ!と考えているらしい。ディルクを寝かしといて正解でした。
ディルクのお尻は私が守るからね!!ディルクのお尻は私のものです!!
「この方達は大切なお客様です。私のマスターに非礼は許しません。道を開けなさい」
ナビコちゃんは口から銃を出した。危険を察知した女性達は素早く道をあけ、私達は管理エリアに無事入れました。
ディルクを起こしてあげたのですが、ディルクがなにやらぶつぶつ言ってます。
「白地に青レース…ぴんくの………あああ…忘れたいような、忘れたくないような……」
なにやら葛藤があるらしい。白地に青レースは多分下着だが、ぴんくは………か、考えない。見られたのかもしれない。
なんとか落ち着いたディルクとナビコちゃんの用意したお茶をすすりつつ、この施設について確認した。
「ここは女性専用シェルターなのかな?」
「肯定。本来は言葉様が旦那様とケンカをした際の避難用でした。旦那様はお尻にトラウマ「ストップ!それはプライバシーの侵害!!話したらダメ!!」」
必死で止めた私に、ナビコさんは言い方をマイルドにしてくれました。オブラート大事!しかし、こと姉ちゃんの旦那様に何があったんだろう…
「…いかなる罠にも怯まない旦那様が唯一怯むのがここでした」
「…ここに怯まない男はそうそう居ないよね」
「…うん」
「…そうだね…女性でもある意味怯むな…」
全員が微妙な反応となりました。あのジェラルディンさんも怯んだからね!来なかったからね!シュシュさんは入口の惨事を思い出したのか真っ赤です。
「言葉様はこの施設を閉鎖しようとなさいましたが、おばちゃんに勝てなかったと申しておりました。また、女性達のためには必要と説得され、現在も稼働しております」
「そう…」
かなりの数の女性達が住んじゃってるし、正直私も停止させたいがあのおばちゃん達に勝てる気がしなかった。
「あ、この施設に渡瀬言葉が封じたモノ情報はある?」
「肯定。お持ちします」
ナビコちゃんが持ってきたのは、紙束だった。
「模様か?」
魔法に知識がないとそうなるよね。シュシュさんは不思議そうだ。
「…これは貰ってもいい?」
「肯定。この施設の全てはマスターの所有物です」
封印の術式、ゲットしました。
さて、帰りも同じくディルクは私の服のなかで寝ていたのですが、事件が起きました。
「ひあ!?」
「…ロザリンドちゃん?」
うおお…ディルクは寝ぼけてるの!?な、舐められてる!!多分舐められてる!下着により守られている部分をペロペロ…ぎゃああああ!吸うな!ミルクは出ないから!
「だ、大丈夫か!?」
うずくまる私に心配してくれるシュシュさん。しかし、言えないよ…ディルクがちゅーちゅーしてるとか、言えないよ!
「シュシュさん、私をかついで遺跡の外にでて…ください…ひうっ」
「わかった!」
シュシュさんは迅速に行動してくれました。私をお姫様抱っこして、素早く遺跡を駆け抜けた。道順も覚えていたらしく、気がつけば外だった。
ディルクは現在も甘噛みしています。魔法で起こせる気がしない!脱ぐわけにもいかない…
結局自力でどうにか出来ず、シュシュさんに協力してもらってなんとかディルクを服のなかからだして起こしました。
「…ロザリンド?」
「なに?」
「…俺ロザリンドになんかしたの?」
「………………ディルクは悪くないです」
「その間は何!?したの!?何したの!?寝てる間!?」
恥ずかしくて言いたくない私。シュシュさんがディルクの肩にポン、とした。
「聞いたら後悔するぞ?」
「…え?」
「寝ぼけてロザリンドちゃんの胸をなめ回したあげく、吸っていた。右が赤く「すいませんでした!!」」
ディルクに土下座されました。シュシュさんもそんな詳しく話さなくてよかったと思うの。しかし、シュシュさんがいてよかった。私だけではヤバかった。
何はともあれ、オトコハツラ遺跡は恐ろしい場所でした。もう行かない!
そして、教えてくれなかった男性陣に説教をするのでした。
女性って敵に容赦ないと思います。あの遺跡の被害者は、嫁を連れ戻しに来た旦那か無謀な冒険者です。
ちなみにジェラルディンさんは後者でしたが、仲間が餌食になって地味にトラウマです。しかも、ディルク達は耳飾りがあるから無効でしたが、媚薬やら状態異常てんこもりなんで男性がクリアするのはほぼ無理ゲーなダンジョンだったりします。




