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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・贈り人と真実編

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遺跡と彼方さん

 朝食を摂りに食堂に行くと、皆さん揃ってました。ちょうどいいので、皆に今後の確認をしました。


「今日は私とディルク、彼方さんでコラカタ遺跡に行く予定です。時間が余ればオトコハツラ遺跡にも行きたいかな」


「私は今日クリスティアに帰りますわ。シーダ君のことを両親に話さなくてはなりませんし、帰るよう通信が来てしまいましたの。ロザリィは大丈夫ですの?」


 心配そうなミルフィにニッコリ笑った。


「どちらもBランクだから問題なし」


「我々も行く。安心するがいい」


 ジェラルディンさんが言って、ジャッシュが頷いた。オーバーキルじゃないかな?


「私達も…」


「マーサとラビーシャちゃんには重大な任務があります」


 マーサとラビーシャちゃんの手をとり、食堂の外で遮音結界をはってお願いしました。


「明日ディルクとデートなんで、家から服とアクセサリーや小物一式見繕ってきてください!」


「「かしこまりました」」


「マーサはその後でルドルフさんに会いに行ってね?」


「お嬢様!?」


「せっかく相思相愛になったんだから、午後からお休み。マーサさぁ、ルドルフさんが寝てる隙に来たんじゃない?」


「うっ」


「下手したら、体だけの関係とか変な方向にルドルフさんが思いこんだら超面倒だよね?」


「ううっ」


「ないとは?」


「…………言い切れません。むしろ変な風に勘違いして外堀を埋めていそうな気がします」


「「「…………………」」」


「……ラビーシャちゃん」


「お嬢様の御心のままに。お嬢様の準備を終え次第、マーサさんをサポートします。不要でしたら旦那様か奥様に報告してフリータイムでいいですか?」


「流石は私の専属メイドですね。頼りにしてますよ」


 ナデナデすると、ラビーシャちゃんは嬉しそうにしてました。


「えへへへ、頑張りまぁす!善は急げ!マーサさん、行きましょう!多分もう旦那様辺りに結婚するとか話しちゃってますよ、きっと!」


「ええ!?お、お嬢様、失礼いたします!ラビーシャ、引っ張らないで!」


 あんなに慌てるマーサは珍しいが…多分私もラビーシャちゃんが正解な気がした。





「ただいまー」


「あれ?マーサさん達は?」


「用事をお願いした。あと、ルドルフさんが暴走してないかの確認」


「………ああ」


 ディルクが遠い目になった。ルドルフさんの片想いは、騎士団内で知らない人間がいないぐらいだったらしい。知らなかった。


 ぼんやりしてたらシュシュさんが必死な様子で話しかけてきた。


「ロザリンドちゃん、カナタが行くなら私も…!」


「お嬢様、仕事」


 アンドレさんがシンプルに駄目だと伝えてきた。兄と目が合うと、兄が頷いた。


「元クリスティア宰相秘書官が手伝うから、行かせてあげてもらえませんか?」


「私も手伝うから、駄目ですかね」


「………今回だけですよ」


 アンドレさんはちゃんと仕事をこなせば文句はないらしく、承諾した。

 先に遺跡に行き、午後はお仕事というスケジュールになりました。





 やって来ました、コラカタ遺跡!名前の通り、ストーン系やゴーレム系の魔物が多い遺跡。ドロップは宝石系なんで兄はオタク仲間と過ごし、シーダ君はストッパーとしてついていったので不在です。

 現在のメンバーは私、ディルク、ジェラルディンさん、ジャッシュ、彼方さん、シュシュさん、アンドレさん。アンドレさんは一応護衛らしいです。一応を強調してました。


 早速ストーンゴーレムが来ました。固いけどトロいから彼方さんでも倒せるはず!


「彼方さん、今こそ真の力を見せるときです!」


「…は?」


「魔具!」


「…おー。へんしーん」


 やる気無さそうな彼方さんは、ペン型魔具で変身しました。


「ジュアッ!」


「おお、彼方さん運がいい!カナトラマンが出ました!」


 彼方さんは銀色に輝くウルト○マン的なヒーローになりました。


「ジュアッ!?(しゃべれない!?)」


「喋れないし3分しかもちませんが、強いですよ!」


「ジュアッ!?ジュアッ!…ジュアッ!(なんでそんな無駄な部分を凝るんや!?ツッコミ追いつかん!まぁええわ!)」


 開き直ったらしく、ストーンゴーレムを次々粉砕する彼方さん。強い。普通に強い。作った私が言うのもなんだけど、超強い。


「ふおお……」

「カッコいい…」

「すっげ…」


 ジェラルディンとジャッシュは気に入ったみたいです。アンドレさんは威力に驚いている様子。


「ロザリンド」


「はい」


「あれはいつ渡したの?」


「昨日、リンが夢の中であげました。ついでに神様を3…いや、4人?泣かせてきました」


「何をやらかしてるの!?」


「まず、シヴァにカバディ」


「しょっぱなからやらかしている!!」


「しかも彼方さんとデュオ」


「彼方さんまで何やらかしてるの!?」


「カバディ(嫌がらせ)」


「それは分かってる!」


「彼方さんは(リン)と同じ種族(アホ)です」


「キリッとして何を言ってるの!?」


 ディルクが息切れしている間に彼方さんはストーンゴーレムを倒し終わりました。


「ジュアッ!(この魔具すごいな!)」


「そうですね。もしかしたら新しい天啓の効果もあるかも。お空のスレングスさんに祈っときましょうか。遺跡内部だから空見えないけど」


「ジュア…(いや、死んだみたいに言わんで。かわいそうやんか…)」


「…なんでさっきからロザリンドちゃんはカナタの言葉が分かるんだ?」


「あ、俺も分かります」


「俺もだ」


 私、ディルク、ジェラルディンさんの共通点…


「あ、耳飾りか」


 どうやら彼方さんの喋れないは状態異常カテゴリらしく、耳飾りが無効化するらしい。


 その説明をしていたら、今度はジュエルゴーレムが来ました。


「ジュアッ!(よっしゃ、倒すで!)」


「彼方さん、そろそろ3分だし、アシッド光線で仕留めてください!」


「ジュアッ?(スペ○ウム的な?)」


「ちょっと違いますが、確実に倒せます!ス○シウム的なポーズをして、魔力をこめてください!」


「ジュアッ!!(くらえ、俺の中2病光線!)」


 彼方さん…いや、カナトラマンの腕からビーム…ではなく強酸が出た。ジュエルゴーレムがあっという間に溶かされていく。


「ジュアッ!?ヘアッ!!(こわっ!?なんちゅうもん使わすの!!)」


 そして、アナウンスが流れた。


『ぴんぽんぱんぽ~ん♪アシッド光線は酸性です。有毒ガスを発生する恐れがありますので、他薬剤との併用はおやめください』


「…アホかぁぁ!アホやぁぁ!すでにアシッド光線の時点で超危険やないかぁぁぁぁ!!」


 ジュエルゴーレムを溶かし、変身が解けた彼方さんの大絶叫が遺跡内部にこだました。


「彼方さん、あまり大声出すと…」


「囲まれましたね」


 ゴーレムがわらわら来ちゃいました。ジャッシュとジェラルディンさんに後ろを任せ、私とディルクが前のゴーレムを倒すことに。魔力切れ起こしても困るし、多対1は彼方さんには難しいからシュシュさんとアンドレさんに彼方さんの護衛をお願いした。


「やああああ!」


 私は指輪を巨大ハンマーにかえてゴーレムをひたすら粉砕していく。


「…俺、要らないかも」


 むしろ私が振り回すハンマーが危険と判断したディルクは弓で援護に回ってくれました。


 あっという間にわらわらいたゴーレム達は石や宝石の固まりになりました。


「「…うわぁ」」


「流石は我が主だな!」


 ニッコニコのシュシュさんとは対称的に、彼方さんとアンドレさんがドン引きしてました。解せぬ。

長くなったのでいったん切ります。遺跡探索はまだ続きます。

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ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
― 新着の感想 ―
名前の通り?その名前がよく分からないんだが てかサラッとディルクの天啓出てきてたな… むしろ魔法ありとはいえそんな勇者みたいな天啓持ったディルク相手に食い下がってたのが凄い
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