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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・贈り人と真実編
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神様達と儀式とダンス

「スレングスさん、やっぱり手合わせします?彼方さんにも教えましょうか」


「…………(パアァ)」


「おい」


「スレングスさんはなんの武器が得意なんですか?」


「……………(差し出す)」


「さっきも思ったけど、でかいですね~、この剣。うっわ重い!?」


 スレングスさんの大剣は持ち上がったが振れる気がしない重さだった。


「ちょっと」


「彼方さん持ち上がります?」


「無理」


「…諦めたらそこで試合終了ですよ」


「安○せんせぇ…バスケがしたいです…とりあえず腰がグキッてなる未来しか浮かばんからやらん。持ち上げられるリンちゃんがおかしいやろ」


「なんですって!?酷いや彼方さん!」


「「話を聞け!!」」


「「やだ」」


「………(オロオロ)」


 残念な男女が怒鳴ったが、別に相手をしてやる義理はない。しかし、スレングスさんはいいやつだな。険悪な空気を感じてめっちゃオロオロしている。


「…スレングスさんはいい人ですね」


「おう。毎晩毎晩睡眠妨害する迷惑な神を適当なとこで捕まえてどっかに戻してくれる時もあるんやで」


「いい人だねぇ…」


 撫でようとするとかがんでくれました。2メートルはありそうな巨体なのに可愛いな!うちのト○ロ並みに可愛い!あ、髪はふわふわだね。


「……(照れ)」


「どうしてスレングスばっかり贈り人と仲良くなるのよ!妾とも仲良くしてよ!」


「そうだ!スレングスばかりズルいぞ!」


「だってお前ら基本的に迷惑やから仲良くしたくないんやもん」

「だって名乗りもしない失礼なヒト?と仲良くしたくないんだもん」


「「……………」」


 私達の正論に残念な男女が丸まりました。メンタル弱いな、おい。


「君らは他人をいじるとき輝いてるよね……」


 呆れた口調のシヴァさん。否定はしないがイラッとしたので脅しときました。


「反省がたりないみたいだから、もっかいカバディっとく?」


「大変申し訳ありませんでした」


 シヴァは見事な土下座を披露しました。


「見事な土下座ですね」


「うん。救世の聖女…元勇者にも形ばかりの反省は上手いわねって誉められてたよ」


 それ誉めてないよ。バカにされてるよ。そう思ったが、黙っといてあげることにした。


「ところで、シヴァも含めて彼方さんの安眠妨害をしてるのは…」

「こいつら」


 彼方さんが疲れた表情をしていた。よし、しめといてあげましょう。この二人は確実にウザいしワガママな気配がするから、念入りに脅かしておこう。


「新技!フォーメーションK!カモン!闇様、スイ!」


 手を繋いで輪になって、ゆったり回りつつ唱和する。有名な童謡・かごめ○ごめを歌いながら。


「ひ、ひいぃ!?」


「な、なんだ!?」


 ぶっちゃけ、怪しげな儀式にしか見えないよね。日本人以外には意味不明なこの動き。スイは超楽しそうだよ。どSだからね。闇様は遊びだと思ってますね。正解です。


 神様はいきなり始まった謎の儀式に怯えています。スレングスさん超オロオロしてるわ。マジいい人だなぁ。シヴァはニヤニヤしてる。後で泣かしてやろうかしら。


「「ひいぃ…」」


 静かに輪は回転を止めた。残念な男女は身を寄せあい、怯えている。


「カモン!ゴラちゃん!」


「フゥー!」


「「ぎゃああああああ!?」」


 私の意図を読み取った変態(ゴラちゃん)は、例の葉っぱ姿で華麗に踊りまくる。延々と謎の儀式をされたあげくの激しい変態ダンスに迷惑な神様二人はパニックを起こしている。


「彼方さん、これを」


 私はペンによく似た魔具を彼方さんに渡した。


「へ?」


 そして、周囲をまばゆい光が包み込んだ。


「天呼ぶ地呼ぶ人が呼ぶ!(ボケ)を倒せと人が呼ぶ!ツッコミ戦士☆カナッタマン!!……………なんでやねん!」


 彼方さん…いや、カナッタマンは真っ赤な某戦隊モノ的な強化スーツに身を包んで、セルフツッコミをしていた。流石はツッコミ戦士である。ちなみに、これは救世の聖女の黒歴史ステッキ・男性バージョンである。ランダムで魔法使い風のカッコいい衣装もあるが、9割はネタ装備(ただし強い)となっている。


「カナッタマン!(ボケ)に今こそ復讐を!」


「…!!」


 私の意図を読み取った彼方さん…いや、カナッタマンはゴラちゃんと見事な変態コンビネーションダンスを披露した。素晴らしい腰のキレですよ、カナッタマン!そしてさらに、魔法少女オッサン×2を投入!むろん私が作った幻である。イチゴパンツもリアルに再現。人生何が役に立つかわかんないモノですね。


「いやああああ!来ないでぇぇ!!」

「うわああああああ!?」


「「フゥー!!」」


 怪しすぎる変態に囲まれ、神様はガチ泣きし始めた。


「「あはははははははは!」」


 指をさして爆笑するスイ(どS)とシヴァ(他人事)


「不思議な踊りだな」


 首を傾げる闇様(天然)


「…………(オロオロオロオロ)」


 そして困り果てているスレングスさん(天使か)


 カオスすぎる状況である。いや、私がやらかしたんだけどね?カナッタマンの体力が尽きて変態コラボレーションは終了となりました。

 ゴラちゃんはダンスが終わるとイイ笑顔で先に帰還しました。ゴラちゃんも変態(ストレス)発散できてよかったね。カナッタマンはマスクを外すと超いい笑顔でした。魔法少女オッサン×2も爽やかに消えました。


「なんやむっちゃスッキリしたわ!」


 彼方さん、ストレスたまってたんだね。清々しい表情です。炭酸のCMに出られそうなレベルの笑顔ですよ。


「う、うう…なんで妾達に嫌がらせするのよう…」

「くっ…なんという仕打ち」


「いいですか?人間には睡眠時間が重要です。睡眠を妨害する奴は、神様だろうが私に不幸にされます」


「「「大変申し訳ありませんでしたぁぁ!!」」」


 残念な男女だけでなく、シヴァも参加して土下座をしました。よく分かってるじゃないか。


「…俺、リンちゃんも来るんやったら多少寝不足でも楽しいからええわ」


「マジすか、兄さん」


「マジでマジで」


 とりあえず、毎晩は迷惑なので週1ぐらいにするように約束させました。

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ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
― 新着の感想 ―
[一言] 仮にも神様を下位存在のはずの精霊までもがここまでコケにしてもいいのだろうかいいぞもっとやれ(オイ しかし、もしリンが健康体で生きてこっちの世界にきてたら、それはそれでとんでもないことになって…
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