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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・贈り人と真実編

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パンケーキパーティーと意外な縁

 皆への感謝の気持ちを込めて、私は今ひたすらパンケーキを焼き続けています。


 山盛り焼いても皆さんあっという間に食べてしまいます。見かねてジャッシュやマーサ、ディルクが混ぜるのを手伝ってくれています。もはやフライパンとか面倒なので魔法で焼いてしまっています。型にいれて、10個一気に焼く!


 焼いたパンケーキはそれぞれ好みのトッピングでたべるのです。ハチミツはもちろん、イチゴ、バナナ、キウイ、モモ、ラズベリー、チョコ、生クリーム、カスタードクリーム…皆様々な組み合わせを楽しんでいるようです。


 一段落ついたので、私もパンケーキを楽しみつつ、皆にお礼を言うことにしました。あとお礼を言ってないのは…闇様と聖獣様を発見しました。


「闇様、聖獣様、ありがとうございました」


「ひにふるにゃ」


「うむ、我らがしたくてしたことだ」


 聖獣様、ハムスターみたくなってますよ。二人とも甘味が大好きだよね。多分気にするな…かな?闇様は私を優しくナデナデした。


「神に会った影響は魔力酔いだけではなかったようだな」


「…あー、すいません」


「かまわぬさ」


「うむ。我らは永く生きるのだ。今更数年も数十年も気にせぬ。加護を与えずとも、ロザリンドと居るのは楽しい」


「…ありがとうございます」




 皆でおいしくパンケーキを食べていると、彼方さん達も来ました。


「やあ、何やら美味しそうなモノを食べているね」


「よければシュシュさんもどうぞ」


「ああ、では遠慮なく」


 そして、このパンケーキパーティーが何故開催されたかについて説明したら、シュシュさんが崩れ落ちた。


「主を救うために材料採取だなんて!私も行きたかったぁぁ!」


「シュシュさん落ち着いて!」


「仕事あんだから仕方ないでしょう。働け」


 アンドレさんは安定のツッコミです。彼方さんはなんかボーッとしています。


「ドレミファソラシ~♪」


 大きく息を吸った。


「ドォォォォ!!!」


 私の必殺大音量3オクターブが炸裂した。こうかはばつぐんだ。主に獣人に。しまった、彼方さんだけにかますように防音必要だったわ。


 うずくまるシュシュさん、アンドレさん、彼方さん。


「あー、ごめんなさい」


「いきなり何すんねん!」


「てへ」


「てへちゃうわ!はぁ…ロザリンドちゃん、不躾かもやけど、歌ってくれへんか」


「歌?」


「おお。何でもええから」


「はぁ、かまいませんが」


 私はなんとなく、リン時代に彼方さんと同じハンドルネームの人が作曲した歌を歌った。





 彼方さんは丸まっていた。なんでだ。


 あ、起き上がった。


「ロザリンドちゃんは…いや、リンちゃんは俺の嫁やったんかぁぁぁ!!」


 嫁?私はディルクのお嫁さんを予定して…ではなく!私は彼方さんに抱きしめられた。頭が働かないが、リンの記憶が可能性を提示した。


「えええ!?彼方さんは本名まんまで使ってたんですか!?」


「まさかこんなとこで会えるとはなぁ…」


「離れて」


 ひやり、と冷気を感じた。ディルクが怒ってます。シュシュさんが涙目です。どうしたもんか。これ、説明が超厄介な気がするの。


「とりあえず、場所を変えようか」








 というわけで、応接室に集まりました。


 とても説明がややこしいのですが、リンと彼方さんは知りあいだったようなんです。リンはネットゲームで彼方さんと友人になり、ゲーム内で夫婦でした。この説明が難しかったです。


 そして、リンは動画サイトで歌っていて、彼方さんは歌を作ってました。なんでたまにコラボしていまして、直接の面識はない友人だったわけです。


 とりあえず、なんとか説明はしました。ネットゲームなんてこの世界にはないから、説明が非常に大変でした。


「いや、生であの奇跡の歌声が聴けるやなんて…マジで感動したわ!しかも俺が作ったやつ!」


 彼方さん、落ち着け。手は握るな。ディルク達のヤキモチが大変なことになるよ!


「とにかく!私と彼方さんは疑似夫婦で正しい関係は友人だったわけです!!」


「本当に?」


「本当に!私が好きなのはディルクだけ!」


「あー、向こうでもディルクがどうのゆうてたな」


 げ!彼方さん…それは要らない情報だ!


「カナタさん、それはゲームの『ディルク』で正確には『俺』じゃないんですよね」


 いやあああああああ!?ディルク様がお怒りじゃあああああ!?


「そうなん?」


 首をかしげた彼方さんも、シュシュさんにのしかかられて、それどころではなくなった。


「カナタ…今は…今は私が1番だよな?」


「は?おう。シュシュが1番好きやで」


「カナタ…!!」


「ぎゃあ!こら待て!なんで脱がす!?」


 私もディルクに抱き上げられました。


「さっきカナタさんに抱きつかれてたから、お仕置きね」


「………………はい」


 私はドナドナを脳内で歌いつつ、彼方さんもがんばれ~とエールを送りました。

 ちなみにお仕置きは大変濃厚でした…とだけ申し上げておきます。

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ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
― 新着の感想 ―
今更だけど、最初期の方で聖獣に会った時『贈り人は精霊に愛される』って説明されてたんですけど彼方くんはなんか全然愛されてる感じしないですね…… また、贈り人はこの世界に来る時天啓を選ばせてもらうのと必要…
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