表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・贈り人と真実編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

246/729

良薬は………黒い?

 今回も兄視点です。

 完成した薬は冷やしたほうが飲みやすいと闇様が言うので水の属性が得意なミルフィリア嬢に冷やしてもらった。


「………これ、本当にロザリィに飲ませますの?」


「……大丈夫なのか?ルーを疑ってる訳じゃないが、これは……」


「………………大丈夫、僕もそう思ってるから」


「「それ大丈夫じゃない!?」」


 とはいえ、皆の気持ちが詰まったこの薬。大丈夫!自分を信じろルーベルト!レシピに忠実に、丁寧に作ったんだ!

 なんか真っ黒だし泡がでまくってて気持ち悪いけど、見た目が悪いけど大丈夫だ!多分!ロザリンドは飲んでくれる!



 ロザリンドが寝ている客室をノックする。まだ辛いのだろう、ディルクによりかかりぼんやりとした様子だ。触れると熱があるのがわかる。ロザリンドがゆっくりと目を覚ました。


「にいさま?」


「これ、皆が材料を採ってきたんだ。魔力酔いの治療薬だよ」


 瓶に入れた薬を手渡す。コップよりもインパクトはマシなはずだ。ディルクが明らかに顔をしかめた。


「…なんか黒いしシュワシュワしてるし大丈夫なの?」


 僕は目をそらした。僕もそう思う。


「闇様からレシピをもらって忠実に作ったんだ。工程が超面倒だったけど、頑張った。足りない材料は皆で手分けして採ってきたんだよ」


「えええ…私がディルクをもふっている間に!?気がつかなかった!」


「ハルや魔獣達がわからないようにしていたからね」


「だからうちの魔獣さん達が一発芸を披露するとか言い出したのね」


「…何してたの!?」


「結構すごかったよ」


 ディルクの反応からして比較的普通の芸だったのだろうか。


「ちなみにスノータイガーの白雪君が綱渡り、カミナリトカゲの上村君は雷で花火みたいにしてた。ウォータースパイダーの水月さんが水芸、クリスタルラビットの栗栖君は人参早食い、ウィンドホークの北条君は風魔法を組み合わせたダンス。パラライズスネイクの真昼さんは連続脱皮してたけど、そこまで体を張らなくてもよかったと思う」


「……そう」


 魔獣達もロザリンドが精霊の不在に気がつかないよう必死だったようだ。別に魔力酔いすると精霊は側に寄れないから出かけたことにすれば……いや、不自然だね。ロザリンドの精霊はロザリンドが大好きだから近寄れなくても理由がない限り離れたがらないだろう。


 ロザリンドはしげしげと薬を見つめ、当然の確認をしてきた。


「兄様、これの材料は?」


「はい、レシピ」


 確認するロザリンド。最初は平然としていたが、少しずつ顔がひきつっていく。


「ストックしてなかったやばい素材があるんですが!皆は無事なの!?これ採りに行っちゃったの!?」


 慌てだすロザリンド。特に魔力食いの葉は危険だものね。うっかりディルクと離れてしまい、辛そうにしている。落ち着かせるよう頭を撫でて微笑んだ。自分は危険に率先して突っこんでいくくせにね。


「安心して、皆無事だよ。魔力酔いしてる間、精霊は近寄れないから飲んだら話を聞いたら?」


「そうなんですか?」


「魔力酔い患者が精霊に近寄りすぎると互いの魔力に感応して症状が悪化するんだよ。だからだろうね。放っておいても治るけど治したかったんでしょ。ロザリンドが苦しむのが嫌なのもあるだろうけど」


「…みんな」


 ロザリンドの瞳から涙がこぼれた。


「精霊だけじゃないよ。ミルフィリア嬢、シーダ君、マーサ、ラビーシャ、ジャッシュ、ジェラルディンさんも協力したんだ。薬作成にはゲータと、多少トサーケンが貢献したよ。多少ね」


「ミルフィ!?え!?まさか魔力食い採取とか言いませんよね?ミルフィは無事ですか!?」


「無事だったけど………」


 そういえば、魔力食い採取チームにいた気がする。伝えるべきだろうか。


「兄様!?沈黙が怖い!!」


「………多分、魔力食い採取チームだった」


「ミルフィィィ!?」


 ロザリンドが絶叫した。しまった、言うべきじゃなかったか。


「ロザリンド落ち着いて!ミルフィリア嬢にはロザリンドの武器もあるんだ、怪我もしてなかったんでしょ?」


「…目立った外傷は無かったよ。さっさと飲んで、元気になって精霊達やミルフィリア嬢達から話を聞いたらいいんじゃない?」


 そして、ロザリンドは一気に薬をあおった。うちの妹、度胸あるな!?


「甲羅!?」


と叫んだ。何故甲羅?そして盛大にむせたのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
― 新着の感想 ―
[一言] ルー、ロザリンドがゆうたんは甲羅やのうてコーラやw てかまさか魔力酔いの治療薬にコーラを持ってくるとは。黒くてシュワシュワってあの感じかあ。ロザリンドも久々すぎて気付かなかったのかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ