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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・贈り人と真実編

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チーム連絡&調合

今回は兄視点になります。

 とりあえず、3つのチームはそれぞれ無事に目的の品を入手したようだとハルから連絡が来た。

 1番早かったのが女王ロイヤルゼリー、次に宝珠の果実、最後に魔力食いの葉だ。難易度=早さなのかな?女王ロイヤルチームにいたっては、他素材まで集めたらしい。


「ルー、コウ。そろそろみんな帰ってくるってよ」


「ああ、こちらも順調だよ。後は残りの素材を煮込むだけだ」


 闇様に渡されたレシピはかなり面倒なシロモノだった。魔法薬学も習っててよかった。これ確実に小学部で習わないよね!?と何度も内心ツッコミをしてたけど、役に立ったよ!アホ室長!存在しない魔法院の天才問題指導役に語りかけつつ調合を進める。


 大変だった。


 刻んで磨り潰して、煮出して、こして……工程が超面倒だった。ゲータが居なかったらくじけていたに違いない。体力のないトサーケンは既に戦力外。磨り潰し過ぎて手に血豆ができてしまい、血が混ざるとやり直しだからと孤児院の手伝いに行かせた。僕も治癒魔法を扱えるけど、魔法薬の調合と並行してやったことはないからだ。トサーケンは尻尾をふって孤児院へ行った。明日から筋トレと磨り潰し作業を延々とさせてあげようと思う。


 さて、鍋の中身はレシピ通りに忠実に製作した。初めて作る魔法薬は、はたして本当にこれでいいのかと迷うものだ。後は採取された素材をいれて煮込むだけ。


 これ、本当に、本当にこれでいいのかな?


「ただいまー」


「ルーくん、とってきたよ」


「ちょっ!?クーリンちゃん!?無傷なクイーンビーの巣にそんな豪快な!」


 ゲータも顔をひきつらせている。それ、そんなに高価なの?クーリンはクイーンビーの巣とやらを綺麗にまっぷたつにした。僕はそこから女王ロイヤルゼリー…翡翠のような綺麗なゼリーを大さじ5杯入れた。薬に必要な量はとれたから、他はラビーシャに採取を任せた。


「ハチミツもたっぷりだね。ロザリンドが治ったら、ハチミツをたっぷりかけたパンケーキを焼いてもらおうか。よく頑張ったね」


「ぱんけーき!」


「楽しみ!」


 クーリン、アリサは嬉しそうだ。


「ラビーシャ、よだれよだれ」


「はっ!?兄さん、もっとオブラートに包んでよ!レディに恥をかかすなんて!」


「レディならよだれをたらすんじゃねーよ」


 微笑ましいようなそうでもないようなワルーゼ兄妹の漫才を聞きながら鍋をかき回す。


「コウ、火を少し弱めて。お前は大丈夫か?」


「大丈夫だよ。弱めだね」


 コウのおかげで微妙な火加減もバッチリである。


「ただ今戻りました」


 マーサ達が帰還した。宝珠の果実は果汁のみ使用なのでゲータに搾ってもらい、コップ1杯を鍋に入れた。


「ルー、ガンバッタゾ」


 ゴラちゃんが足下に来た。撫でてやりたいところだが、あいにく鍋をかき回し続けなければならない。


「うん、お疲れ様ゴラちゃん」


「ウム」


 ゴラちゃんは満足そうに頷いた。他のメンバーは余った宝珠の果実を味見している。僕もひと口貰ったが、甘くて爽やかな味。リンゴのような歯触りだった。


「…あの木が肉食だから、つまり養分が実に……いやいや、考えない!」


 チタが何やら気になる事を言っていたが、全力でスルーした。世の中には知らないほうがいいことがある。




「帰ったぞ!」


「ホーム」


「すいません!回収します!」


 調合中に居てほしくないジェラルディンさんが来たので思わず帰れと言ってしまった。すかさずジャッシュが素材だけおいて回収し、シーダ君達も僕が調合に集中できるようにと挨拶もそこそこに他のメンバーも連れていってくれた。気が利く友人に感謝しつつ、集中する。



 絶対成功させるんだ!



「できた!」


 レシピ通りに完璧に作ったが、出来映えが………僕なら絶対に飲みたくない外見だった。唯一仕上がりを知っている闇様に聞いたが、きちんと出来ているとのこと。



 ロザリンドが飲むの拒否したらどうしよう……不安で仕方ないが、限りなく怪しい薬をロザリンドの所に持っていく僕だった。

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