大好きだから
今回は闇様視点になります。
ロザリンドはディルクとまったりイチャイチャしています。
初めて会ったのはローゼンベルクの邸、バルコニーだった。我は強い精霊だから、まだ幼いロザリアも見ることができた。
「おつきたまみたい」
誰もが恐れる我を見て、ロザリアは笑った。他愛ない言葉に、この幼子を守ると決めた。
幼子はロザリンドになり、かなり…だいぶ………相当予想外の方向に育ったが、毎日が楽しい。巨大な蛇の姿も恐れず、心がこもった贈り物をくれる。温かい笑顔と優しい言葉。
知らぬだろう?
汝が我に何気なくくれる言葉で我がどれほど幸せなのかを。
魔力酔いを起こしたロザリンド。魔力酔いの間は精霊が側に寄れぬ。考えなしな神がロザリンドに会おうとするやもしれぬ。
我らの小さな主(まだ予定だが)を護らねばなるまい!魔力酔いの特効薬を作るのだ!我はロザリンドを護るべく、仲間を集めるのだった。
仲間はあっという間に集まった。
「お前は嫌いだけど、ロザリンドのためだからね」
緑のが言う。我とこやつは…今は関係ない。植物のスペシャリストとして探索組として同行する。
「ふむ、ロザリンドの為ならば仕方あるまい」
光のは護衛組だ。素材は危険な魔物が多数いる森の中。数チームに別れての探索になるため、護衛は必須なのだ。
「アリサ、がんばる!」
「仕方ないね」
「ロザリンドノタメニ」
小さき緑達もやる気だ。彼らも探索組になる。
「頑張るよぉ!」
土のは護衛だ。こやつはかなり強い。ロザリンドの為ならば存分に力を発揮するであろう。
「クーリンもがんばる!」
水のも護衛だ。やる気でなにより。この者も水の精霊王の娘なだけあり、強い。
「仕方ないね」
「うん…皆、早く帰ってきてね」
ロザリンドの兄と火のは留守番…ではなく調合組だ。ローゼンベルク邸にある素材を集め、煮込まねばならない。火のは長時間の火加減調整が必要になるため本来ならば護衛組としたいが、調合組となった。
「皆無茶はすんなよ。ロザリンドが泣くからな」
風のは魔獣達と我らの不在をロザリンドに悟らせず、各組の連絡中継役だ。さて、出発しようとしたら我らに参加したいと申し出る者達がいた。
「話は聞かせていただきましたわ!」
「俺も行く」
確かロザリンドの親友の……ミルフィ…ミルフィーユ?だったか。ピンクブロンドの娘は、強い意思で瞳を輝かせる。静かな白鼠の少年…しー……シーツ?チーズ?だったかも譲る気はなさそうだ。
「我らも同行いたします!」
「お嬢様のために!」
「お嬢様が苦しんでおられるならば、お助けするのは当然ですわ」
ロザリンドの従者の……雑種?だったかとラビ…と、マーサだな。マーサはロザリンドの姉のような者だ。ロザリンドの誕生日を教えてくれたので名前も覚えている。
「頭は残念ですが、1番危険がある探索場所には父を呼びましょう。頭は残念ですが、勘もいいですし強いです」
雑種?よ、お前は父親に何か恨みでもあるのか?まぁいい。雑種?の父、のうきんえいゆうも参加になった。
「まぁ…英雄様に同行していただけるなんて光栄ですわ」
「ほ、本物…」
「中身は残念なオッサンですから、お気になさらず」
ミルフィーユ?とシーツ?が羨望の眼差しをのうきんえいゆうに向けるが、雑種は…やはり父が嫌いなのだろうか。紹介に悪意が滲んでいる。ともかく人数は揃った。大半はローゼンベルク邸にあるが、採取が必要なのは3つ。
女王ロイヤルゼリー、宝珠の果実、魔力食いの葉だ。それぞれ生息地が違うため、3つのグループに別れた。
とりあえず、更新しました。体調は多分大丈夫です。
皆様、暖かいお言葉をありがとうございます。




