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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・贈り人と真実編

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反動

わりとイチャイチャ甘めになります。

 目が覚めたら、気持ち悪かった。この体で飲酒したことはないが、二日酔いに似てるかもしれない。さらには身体を動かすのが億劫だ。辛い。ここは…ウルファネアのシュシュさんちの客室だ。


「おはよう、ロザリンド」


 隣で寝ていたディルクが頬笑む。


「おは…よ…」


 ディルクはすぐに私の異変に気がつき、額に触れた。あ、なんかちょっと楽……


「ひどい熱!」


 え?熱なの?ロザリンドになってから風邪もひかない超健康体だったから、わかんなかったわ。

 ディルクは素早く身支度すると外に出てしまった。しんどいときに独りはやだなぁと思ってたら、ディルクはたらいと布を持ってきた。絞った布を額に当ててくれる。冷たさで少し楽になるが、さっきディルクに触れられた方が楽だった。


「ディルク…」


「ん?」


 必死で腕を伸ばす。ディルクが近寄ってきたので抱きしめる。一気に体が楽になる。


「ディルク…」


「んう!?ちょっと!?なんで撫で回すの!?」


 キスをして、ディルクの服の中に手をつっこんで撫で回す。


「ディルクの肌にさわってると楽…脱いで」


「…………え」


 ディルクが固まった。辛い私をなんとかしてやりたいが、脱ぐのはまずいと考えているのだろう。


「んー」


「にゃあ!?ちょ!?」


 首もとにぐりぐりすり寄る。耳をはむはむする。ディルクは固まったままだ。


「…ふむ、魔力酔いだな」


「ふみゃああああ!?」


 すごい勢いでディルクが逃げてしまった。だるい。辛い…闇様はなんて?魔力…確かにぐるぐるしてる…あたまがはたらかない…


「神のせいでロザリアの魔力が活性化されてバランスを崩したのだ。ディルク、つがいの接触は魔力を安定させる。触れたがるのはそのせいだ。存分に触れさせてやれ。その方が回復も早い」


「……いつから居たんですか…」


「脱いでのあたり「言わなくていいです!」


 闇様はキョトンとしている。精霊だからか恥じらいとかないのかも。闇様はすることがあるからと出ていった。


「ディルク、だっこ~」


 回らない頭でも分かったことがある。ディルクを触れば体調がよくなるのは勘違いじゃない。ディルクを触りたい放題?それなんてご褒美?


「可愛い…」


 ディルクが上着を脱いで完全獣化した。私に添い寝かと思いきや、もふもふぽんぽん枕…………し、至福!


「幸せ~」


 もふもふもふもふもふもふ。柔らかな腹毛を堪能しまくる。


「にゃあ…あ、あんまりぐりぐりしないで!」


「いい匂い……」


「お腹を嗅がないで!」


 ディルクのもふもふぽんぽんに頭をつっこみ匂いかいだ。いい匂いって誉めてるのに。


「やら。もっと~」


「ふにゃあ!?ゴロゴロ…」


 顎をナデナデ、首にスリスリ…結局ディルクの背中に乗っかり寝てしまった。




 目が覚めてもまだ体は不調のまま。ディルクは私に添い寝してくれていました。


「もふもふ…」


「起きた?何か食べる?」


 ディルクは獣人姿になると上着を羽織った。

 テーブルの果物をカットして私の口もとにもってくる。正直気持ち悪かったんで食欲は無かったが、愛するディルクのあーんである。


「食べる…」


 ディルクはせっせと私に果物を食べさせた。


「お水も飲んでね」


「拭いてあげる」


「まだ食べる?」


 すっかりディルクに介護されている私。ディルクは嬉しそうに私の世話をする。


「ディルク、ごはんは?」


 大音量の腹の虫が鳴いた。


「忘れてた…」


 ディルクは私を片手で抱え、抱えたままご飯を食べていた。食べにくくないかな?ディルクのおかげでだいぶ体調が改善しているし、手伝ってやろう。


「ディルク、あーん」


「え!?や、なに!?」


「私を抱えたままでは食べにくい。私も離れると体調がしんどい。なので食べるお手伝いをします」


 ディルクは首を左右に振った。


「大丈夫、食べにくくないから!」


「…私もディルクにあーんがしたいなぁ」


 あざとく上目使いでおねだりしました。


「……………………………お願いします」


 ディルクが折れました。顔が真っ赤ですよ。


「はい、あーん」


 それはもう、存分にイチャイチャしました。


「あ、ディルクの口もとソースついてる」


 ペロッと舐めたらディルクが口もとをおさえてプルプルしてました。可愛い。


「い、イタズラしないの!」


 涙目で文句を言われましたが、可愛いとしか思いませんでした。


「ごめんね、ディルクのおかげで体調はだいぶましだから…イチャイチャしたくなっちゃって」


「…………くっそ可愛い!ロザリンドはなんでそんな凶悪に可愛いの!?俺を殺す気!?」


「ディルクの方が可愛いですよ。うふふ、私を誘っているの?」


「ささささささそ!?」


 動揺して高速で首を左右に振るディルク。知ってるよ。からかったんだよ。可愛い反応に満足してます。ごちそうさまです。


「私はどっちも可愛いと思うぞ!」


「ふあ!?」


「あ、シュシュさんおはようございます」


「うむ!…主、顔色が優れないようだが…」


「神様に会った副作用ですかね。魔力酔いだそうで」


「なるほど、だからつがいの膝にいるわけか」


 あれ?彼方さんやけに静かじゃない?


「彼方さ「ありがとう、カバディ」





 は?






 しん、と場が静かになった。カバディ?カバディ…カバディ??


「あかん、まちごーた」


「いや、どんな間違い方ですか!?彼方さん、私がカバディ披露した時居なかったよね!?」


 ディルクとシュシュさんは必死に笑いをこらえている。笑いたかったら笑えばいいよ。


「あー、体調悪いみたいやし、出直すわ。あ、ロザリンドちゃんの天啓はシヴァの寵愛やて」


「………おうふ」


 彼方さんは爆弾を投下して去っていきました。


「どんな天啓なの?」


「救世の聖女も持っていたとされる伝説の天啓で、自分が思い描いたなんでもかんでもをつくれちゃうチート天啓です」


 あれ?なら魔力酔い改善の魔具を作れば…でも材料がなぁ…


「…鞄やら指輪やら…説明がついちゃったね」


「うん…」


 じい様に報告するべきかなと思いつつ、頭が回らないのでディルクに介護してもらいつつまったりと過ごしました。

風邪ひいて体調良くないんで、明日更新できないかもしれません。

明後日は大丈夫…と思います。

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