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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド3歳・必然の出会い編
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仲良くなってみよう

 今日もバカ殿は兄に泣かされて帰って行きました。何がしたいのでしょうか。

 兄は今日も午後勉強なので、先に帰宅です。迎えに来た聖獣様に乗って、早めに行って待とうと思います。


 早めに来たはずが、ディルク様は先に来てました。


「すいません、お待たせしましたか?」


 すごい勢いで首を振るディルク様。首、とれませんか?大丈夫??


 下にレジャーシートを敷いて、バスケットを取ろうとしたら、ディルク様が手伝ってくれました。


「ありがとうございます」


「あ、うん」


 今日のメニューはおにぎりです。イチ押しは肉巻きです。ダンに今度作り方を教えて欲しいと言われた自信作ですよ。

 今日はお弁当箱にから揚げやらおかずたっぷりです。

 フォークと取り皿を渡して、食べることに。


 やっぱり食べるのが早いディルク様。今日のデザートはマドレーヌです。

 私と聖獣様はマイペースに食べてます。


「うまい」


 甘味が好きなのか、味わって食べているご様子。昨日よりは緊張してないようですね。やはりおいしいものの効果は偉大です。


「…あの、名前を教えて」


「え」


 誰ですか、私に抜かりはありませんとかいったやつ。私ですよ!超抜けてるじゃないですか!!

 ばかたれぇぇ!

 私のおばかぁぁぁ!!

 内心の雄叫びを押し隠し、私はニッコリと言った。


「失礼いたしました。私はロザリンド=ローゼンベルクと申します。ロザリンド、とお呼びください」


「ロザリンド」


「はい、ディルク様」


「あの、様とか敬語はやめてくれないかな。俺んちは一応候爵家だけど、俺自身はそんなに育ちがよくないからあんまり丁寧に話されるとどうしていいか解らない」


「うーん、わかった。なんて呼んだらいい?」


「ディルクでいいよ」


「ディルク」


「うん」


 可愛い。はにかんだディルク様かっこ可愛い。流石は私の最萌え。天使か。奇跡だな。


「ディルク、ぎゅってしていい?」


「…ん?」


「ぎゅってしていい?」


「…うん?」


 微妙に疑問形だが言質はとりました。抱き着いちゃいます。スリスリしちゃいますよー。


「ぎゅー」


「…くすぐったい」


 お肌スベスベですな。おや?ディルク様、嫌がりませんね。調子に乗りますよ。


「ディルク、獣化して」


「いいけど、ロザリンドは俺が怖くないの?」


「怖くないよ。怖がってるのはディルクでしょ」


「…うん、そうだね」


 あっという間にディルク様はしなやかな黒豹姿になりました。

 ふっふっふ。私のゴールデンフィンガーに酔うがよい!喉をゴロゴロ言わせてやるぜ!


 数分後、ディルク様はうっとりゴロゴロ喉を鳴らしておりました。

 はうぅ、しっとりサラサラ…幸せすぎる!更に私、ディルク様からもスリスリされてますよ!幸せ過ぎて今なら死んでもいい…いや生きる!このモフモフを離してなるものか!


「ロザリンドは変だよね」


「うん?」


「普通の人は獣人は気持ちが悪いって言うよ」


「じゃあ普通じゃなくていいや。ディルクはこんなに優しくて綺麗なのにね」


「やっぱりロザリンドは変な子だね」


 黒豹姿で首をかしげるディルク様。でも、どことなく機嫌は良さそうに見えた。


「明日も会える?またお昼ご飯作るよ」


「昨日の鶏肉、うまかった」


「なら、また作るよ」


 名残惜しいけど、昼の鐘が鳴った。休憩はおしまいだ。


「また明日」


 私達は約束を交わした。明日が楽しみになった。


『仲良くなれたようだな』


「聖獣様のおかげですね。私の分のマドレーヌあげます」


『汝の作るものは美味だな』


「褒めても菓子しか出ませんよ。いつもありがとうございます。お納めください」


『うむ、遠慮なく』


「明日もよろしくお願いします」


『うむ、任せるがよい』


 そんな会話をしながら父の執務室に戻り、残りの仕事を片付けたのだった。

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