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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・訴えて勝つぞ編
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かまわれたい、寝かせてあげたい

 今回は甘めです。

 ミルフィとシーダ君が戻ってきました。なんというか、空気が練乳ストロベリーですよ。甘酸っぱい青春ですね。甘さが上がってる気がするのは気のせい?


『うまくいった?』


 魔法で彼女にだけ声を届ける。ミルフィは私を見ると幸せそうにシーダ君に腕を組み、ピースサインをしてみせた。うむ、今度お祝い女子会だね!





 さて、私はディルクと同室です。最近の私は忙しかったんでディルクがストッパーとなり、睡眠時間をきっかり5時間とらされてました。就寝時間になると、ディルク(獣化)が私を抱っこして強制的に寝かしつけるのである。

 至高のもふもふ、しかも体温が高めのディルクによるナデナデ攻撃…気がつけば朝でした。よく考えたら大変な贅沢です。眠気に負けて気がついていませんでしたが、もっと堪能しとけばよかった!


 だから今度は私がディルクのしたいことをしてあげるんだ!と思ってました。





「ろじゃりんど~ぎゅ~」


 客室にきたのは酔いどれディルク様でした。


「うん、ぎゅ~」


「えへへ、しゅき~。ろじゃりんどを独り占め~」


「うん。独り占めだよ。何してほしい?」


「ん~、ナデナデして?」


 可愛いです。あざと可愛いです。私の腰に巻き付いて、首をかしげて甘えるご様子が…キュンキュンします。


「うふふ、ディルクは甘えん坊だね」


「うん。本当はね~、ろじゃりんどをもっと独り占めしたいし甘えたいんだぁ」


「え」


「俺ねぇ、我慢したよ。ろじゃりんどが忙しかったから、ちゅーとかぎゅーしたかったけど、ろじゃりんど寝かさなきゃって…ずっと…我慢したよ」


 ポロポロと涙が…えええええ!?いや、分かってる!相手は酔ッパライダーです!でもでも…かまってほしいのに我慢して私の背中をしょんぼりしながら待つディルク………





 萌えた。





 いや、うん。私はディルクを悲しませたいわけでも、焦らしプレイをしたいわけでもない。不可抗力だが、不憫可愛い!

 私からも抱き返し、キスをした。


「うふふ、ぎゅ~」


「みゅうん…ゴロゴロ…」


 スリスリと甘えてくるディルク。ご褒美ですね!私も頑張ったもんね!


「幸せ…お耳もふもふ…」


「みゅう…ふふ、くすぐったいよ~」


 お耳を甘噛みするとクスクスと笑うディルク。この表情、好きだなぁ。ディルクはよく笑うようになった。


「ろじゃりんど、あのね、俺寂しかったけど嬉しかったんだ~」


「なんで?」


「だって、普段はあんまり甘えないろじゃりんどがね、俺がよしよしすると力を抜いて身体を預けるんだよぉ」


「……うん」


「それでねぇ、眠ると甘えんぼうなんだぁ…ディルクすきってスリスリするんだよぉ……可愛かったぁ…」


「…………マジですか」


 ああ、でもそれうっすら記憶あるわ。したわ。ディルクは俺もだよって撫でてくれたわ。

 恥ずかしくなってベッドにコロコロ転がると、ディルクは私を自分の上に乗っけた。


「重くない?」


「へーき。獣化する?」


「…どっちでもいい。ディルクなら」


「ろじゃりんど……らいしゅき………」


 ディルクは寝落ちしました。そして、隣で悶える私。


「私はこの衝動をどうしたらよいのでしょうか…」


 しかし、お相手は健やかに眠っておいでです。


「恥ずか死ぬ…」


 ディルクもこんな気持ちだったのかしら。起こしたくはないが、かまってほしい。いや、今目覚めたら困る。恥ずか死ぬ!


「ディルク…だいすき」


 ちゅ、とキスと共にこぼした誰にも聞かれないはずの言葉は、がっつり聞かれておりました。


「うん、俺もしゅきぃ…」


「ひょわ!?」


 ディルクは素早く私を捕獲すると布団をかぶってホールドした。

 動けない!え?これで寝ろと!?あ、こら!ナデナデされると……………



 ディルクにナデナデされて、あっという間に眠りに落ちてしまいました。










「ん…」


 眩しい光を感じる。朝かな。なんかブツブツ言ってるのは、ディルク?ブツブツをよく聞いてみる。


「失敗した…お酒で勢いつけようとか安易に考えるべきじゃなかった…あ、あんなにロザリンドに甘えちゃうなんて…ロザリンドもニコニコしてたし幸せだったけど、せっかく昨日はカッコいいって言ってもらえたのに…」


 ん?昨日の記憶はあるんだね。そういえばディルクが連続で酔っぱらうのは珍しいな。ディルクはしばらくかまわれてなかったから昨夜は思う存分甘えたくて、勢いつけるためにお酒を使ったわけか。


「うー」


 ベッドでゴロゴロするディルク…可愛い。


「ディルク」


「ふぁ!?」


 耳も尻尾もピーンとしてる。びっくりさせちゃった?


「おはよう。ぎゅーして?」


 ディルクに向かって両手を伸ばしてねだる。ディルクはすぐに抱きしめてくれた。


「おはよう、ロザリンド。き、昨日はごめん」


「え?私嬉しかったよ。我慢して待っててくれてありがとう。ディルクが甘えてくれたの、嬉しい。ディルク、大好き」


「…………うん」


 しばらくいちゃいちゃしてから起きました。たまには甘えるのも、甘えられるのもいいよね!

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