表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・訴えて勝つぞ編
231/729

ミルフィの決着

 ミルフィリア視点になります。蜂蜜ストロベリーをお楽しみください。

 今回は短いです。

 私は正装に身を包んだシーダ君に手を引かれ、庭園まで来ていました。


「…悪いな、隠してくれ」


 さわさわ…木々がざわめき、私たちを隠すかのように動く。


「え?」


「…実はな、あれから植物の声が聞こえるんだ」


「もしかせずとも私のせいですか?」


「多分な」


 苦笑するシーダ君はかっこよすぎるのですが、私はどうしたらよいのでしょうか。


「そのせいで困ったりとかはないですか?」


「ないよ。遮断しようと思えばできるから問題ない」


 シーダ君が穏やかに微笑んだ。意を決した様子で私に話しかける


「ミルフィリア、俺は…「シーダ君、好きです!」」


 先手必勝とばかりにシーダ君に抱きついた。


「好きなんです!シーダ君だけです!は、初恋なんです!」


「ミルフィリア!?」


「だ、だからずっと一緒にいたいし口づけもしたいし、えーと…好きなんです!」


 カッコ悪い告白だが、伝えるべき事は伝えたと思う。反応が怖くてシーダ君を見られない。シーダ君の肩に顔をくっつける。


「お前はどうしてそう…」


 シーダ君がため息をついた。頭を撫でる手は優しい。


「俺から言おうと思ってたんだけどな。好きだよ、ミルフィリア」


「シーダ君…」


 反射的に顔をあげた。嬉しいのに涙が溢れた。


「泣くな。でもな、俺はこのままじゃダメだと思うんだ。だから、今は忘れてほしい。ちゃんとミルフィリアを迎えに行けるぐらい、いい男になれたら…もう1回言うから待っていてくれないか?」


 シーダ君は素敵だ。変わる必要なんかない。以前の私なら、言えなかっただろうけど……


「嫌ですわ!」


 シーダ君の胸を叩く。本当にカッコ悪い。子供の癇癪だ。


「私は『今の』シーダ君が好きですの!変わってほしくなんかない!私はお姫様みたいに待ちたくない!変わりたいなら一緒に歩いてよ!離れていかないで!わ、私を本当に好きなら…一生離さないで!」


 なんて重たい愛情だろう。しかしシーダ君は柔らかく笑っていた。


「あー、敵わないなぁ。ミルフィリアはカッコいいな」


 頭をナデナデされる。


「私は自分をカッコ悪いと思います。私、余裕がなくて…シーダ君と離れたくなくて…小さな子供みたいなわがままを言ってすいません」


 顔を赤らめ、視線を伏せた。


「うん?うん…いや、俺がちゃんとミルフィリアのことを考えなかったからだろ?わがままとは違うさ。なら、どうやったら一緒に居られるか考えよう。一緒に」


 シーダ君は素敵すぎる。優しくて、ちゃんと私を見てくれる。


「…はい!これからも末長くよろしくお願いいたします」


「ああ」


 シーダ君からほっぺたにキスをいただいてしまいました!あわあわしつつも、つんと彼の服の裾を引いて目を閉じた。は、はしたない!と思いつつ、期待する。ちゅ、と一瞬だけ触れた。


 それが私の、本当に初めての口づけでした。

 ロザリンドがシリアス先輩を退散させてしまう……という話がありました。


 最初はいやいや、そんなことは…と思ってたんですが、最近否定できません。ロザリンドが悲劇を喜劇にしちゃうからだと思いたいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
― 新着の感想 ―
[良い点] ミルフィリア………良い女やで………
[良い点] 砂糖過剰製造装置がここにも! いいぞもっとやっちゃえ!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ