ミルフィの初恋
さて、明日は決戦なんですが…私は目前の戦いをどうすべきだろうか。
「結婚…いえ、婚約してください!」
「ミルフィリア、いいか?あれは人工呼吸みたいなもんだろ!だからノーカウント!そもそもお前が責任を取る必要はない!責任を取るなら俺だろうが!」
「いいえ、あれは口づけでしたわ!わ、わたしは……シーダ君にむりやり…」
泣かしたな?しくしく泣くミルフィ。ジト目でシーダ君を見る私。シーダ君は困りきっている。
「…どうしろと?ならキスすればいいのか?」
「え?」
近寄るシーダ君に固まるミルフィ。耳まで真っ赤です。ちゅ、とほっぺにキスをしたシーダ君。
「ちゃんと考えろ。初めてなんだからちゃんと取っといて、大事な恋人としろ」
シーダ君は逃亡しました。限界だったみたいです。ミルフィもへたりこみました。
「ロザリィ…」
「はい」
「私は、多分初恋をしています。きっと、これが恋なんだと思いますの」
「おめでとう」
「…ありがとう」
「そーと決まれば作戦会議ですね!」
うきうきしているラビーシャちゃんと客室にて作戦会議です。明日はマーシュ伯爵との決戦なんですが…まぁいいか。
「先ずは情報収集からですね。ラビーシャちゃん」
「お任せを!シーダ君の家族構成なんかはご存知ですから、好きな食べ物、好みのタイプ「好みのタイプを教えてくださいませ!」
「ふふふ、そこは気になりますよねぇ…ズバリ清楚可憐な子だそうですよ。逆に嫌いなのはやかましい、わがままなタイプです」
清楚可憐系…シーダ君の好みに、ミルフィはドンピシャなんだな。
「…ふふふ、ならば、シーダ君をドキッとさせちゃえ作戦ですな」
「いいですねー」
明日について綿密な作戦を練っていると、気が利く従者がお茶を持ってきてくれました。
「どうぞ」
ジャッシュがボソッと、年頃の女の子達が恋の話をしているだけなのに、まるで狩りか戦略を考えてるみたいだ…と呟いた。
うんまぁ、傾向と対策だの、相手の情報収集だの…作戦だの…普通の恋ばなとはちょっとずれてる気はしてた!
翌朝、ミルフィに清楚可憐系の可愛いワンピースを着せて、うっすら化粧を施した。装備は完璧である!
「「健闘を祈ります!」」
「ええ、頑張りますわ!」
「…戦場に送り出すみたいですね」
いつの間にか来ていたジャッシュが呟いた。恋は乙女の戦場なんで多分間違ってません。多分。
「し、シーダ君!」
「ん?…………可愛いな、似合ってる」
つかみはオッケーみたいですね。いやいや、ミルフィは常に可愛いです。
「あ、ありがとうございます。その…し、シーダ君…マーシュ伯爵とのことが終わりましたら……わ、私とお話して欲しいのでしゅ」
噛んだ。
本人もやらかしたと思ったらしく絶望しているのが遠目にもわかる。
「…ミルフィリア、俺は…そうだな。全部終わったら、俺の話も聞いてくれ」
作戦ではシーダ君をドキドキさせて告白をするはずでしたが、逆にこれでよかったのかもしれません。
さあ、マーシュ伯爵との決着ですよ!ミルフィの恋愛成就のためにも、頑張ります!
更新はまた一日一回ペースに戻ります。




