そして伝説へ…(嘘)
作者はアホだということを念頭においてください。シーダ君家編で私が1番書きたかった話になります。
作者はアホです。
暗い山の中をディルクに片手抱っこされて移動する。仕方ないんだ!この方が速いし、ディルクは鼻も耳も私よりいいから、戦闘の気配も察知しやすい。だから仕方ないんだ!と内心激しく誰かに言い訳しつつ、ひたすら移動する。
ディルクの耳が一方を向く。何か聞こえているようだ。
「…近い!ロザリンド、いける?」
「いつでもどうぞ!」
現れた魔物を切り伏せる。こうなりゃ人海戦術だ!皆人じゃないけど!
「出番だよ、皆!」
精霊さん、魔獣達が魔物に一斉に襲いかかった。あっという間に殲滅していく。私も多数対応でブーメランを投げまくる。あまりの倒しっぷりにディルクが引いている気がするが仕方ない!ミルフィ達の救助が最優先だ!お願い、ミルフィ!無事でいて!
そして、視界がひらけたと思った次の瞬間、光が溢れた。
「ええええええええ!?」
ミルフィの悲鳴が…いやなんか、びっくりしたっぽい声が聞こえた。
「ミルフィ!」
「ロザリィ!?」
よかった、シーダ君は怪我をしたようだが無事だった!ミルフィを抱きしめる。怪我はないみたいだ。さっきの光は?と視線をめぐらすと、上空にそれはいた。
神々しく輝く……………サボさん…?
もふ丸も固まっている…というか、魔物達も固まっている。さっきから倒しまくってたのはダークウルフだな。とにかく倒す優先だから姿を認識してなかった。ランクはAだが群れで襲ってくるので実際はS~SSランク相当で非常に厄介だ。かなりの群れだったらしく、地面に相当な数が倒れている。
魔物の事を考えて現実から目をそらしていたが、なんつーか残酷な天使の○ーゼが脳内で鳴り響いている。サボさんは8枚の光輝く羽をはためかせて浮いている。神々しいが果てしなくシュールである。
そして、サボさん?が回転しだすとあっという間に魔物を倒していく。トゲからビームが出たよ。トゲからビームだよ!?トゲは飛ばすものじゃなく、ビームの発射口になったの?サボテン型アンドロイドなの??いや、あれが噂のATフィー○ド?
アホな事を考えてたら、ダークウルフ達も正気にかえったらしく襲いかかってきた。応戦しようとしたら、木々がダークウルフに巻きついて絞め殺していく。
「え?」
「なんかたくさんの声が聞こえる…」
シーダ君が目覚めました。服に血がついていますが、傷はミルフィが癒したようです。
「シーダ君!」
「…ミルフィリア?そうか俺は気を失ってたのか。お前は無事か?足引っ張って悪いな」
「なんで私の心配なんですの…わ、私を庇って大ケガしたのにぃぃ!!」
ミルフィも安心したのか、シーダ君にわんわん泣きついている。
私はつっこむべきだろうか。シーダ君から緑の魔力が溢れ出してるとか、シーダ君の周囲だけ花が咲き、祝福するみたいに花吹雪が発生してるとか、周囲の木々が魔物を襲いまくっているとか。
「シーダ君、なんか体調おかしいとかない?」
「あ?そういやぁ、なんかさっきから大丈夫?とか君をいじめた魔物は絞めとくからねとかよかったねとか、声が聞こえて……………なんじゃこりゃああ!?」
シーダ君、ミルフィしか見てなかったんだね?
「あ、多分私の天啓でシーダ君の天啓が増幅されたせいでは…」
「ミルフィの天啓?」
「えと…覚醒接触という天啓を持ってまして…シーダ君に使用いたしました。緊急事態だったとはいえ、シーダ君の唇を奪った責任を取ります。結婚してください。必ずや幸せにいたします」
「…うん?」
え?覚醒接触って…ああ、キスしたと?とりあえず返事はしたけどシーダ君も固まってるよ?
「シーダ君!嬉しいですわ!では口づけのやり直しを…」
ミルフィにキスされそうになって、正気にかえったシーダ君はミルフィを制止する。
「ま、待て待て待て!!こ、こら!じ、人工呼吸みたいなもんだろ!ノーカウントだ!」
「…いいえ、私はシーダ君に口づけをいたしましたわ。サボさんには傷口だけでしたもの。シーダ君にだって傷口でもよかったはずですわ。私はシーダ君に口づけがしたかったのです」
「…………今はだめだ」
「後でならよろしいですか?」
「よ、よくない!」
「私ではだめ…ですか?」
「駄目じゃないけど義務感ではしたくねぇんだよ!惚れた女に責任でキスされるとか結婚とか嫌だ!とりあえず、今そんなこと言ってる場合じゃねーだろ!魔物倒すぞ!」
「はいはーい」
私達がサボってた間にディルクはザクザク倒してるし、私もブーメランと魔法で応戦…シーダ君がすげぇ!?
シーダ君は私があげたユグドラシル製の棒を使ってるんだけど…腕力も、速さも格段に上がっている。ミルフィの天啓のせい?恐るべし、覚醒接触!!
「オオオオオオン!!」
ダークウルフキングとダークウルフクイーンか現れた。多分あれがボスだな!
「世界終焉仙人掌爆!!」
サボさん?の羽根から魔力が収束し、レーザーとなってダークウルフキングを倒してしまった。中二病感が半端ない。
少年よ神話になれ。
「生い茂れ!」
シーダ君の棒がユグドラシルとなり、ダークウルフクイーンを一瞬で絞め殺してしまった。すげー。
「…ディルク、私達は来なくても良かった気がするよ」
「いや、まぁ…まだ雑魚が残ってるし、後始末もしないとね?」
「うん…」
納得はいかないものの、後始末をしました。けっこう数がいて、ポーチが大活躍でした。とりあえず言わせてください。
どうしてこうなった!?
マーサとジャッシュも無事でしたが、血塗れスプラッタな姿で私がビビりました。ディルクは私が怯えると嬉しそうだね。なんでだ。実はどSか?
ジャッシュは悲痛な表情で私に枝で作った鞭?を渡してきた。急ごしらえだが、これで叩いたら痛そうだ。先尖ってるし。
「お嬢様のご命令を完遂できず申し訳ありません。その鞭で気がすむまで叩いてください」
えええ!?私に嗜虐趣味はない!だ、誰か助けて!と視線で助けを求めると、まるで菩薩みたいに微笑んだマーサが前に出た。
「…お嬢様」
マーサ!上司として、ジャッシュにガツンと言ってやって!
「私も同罪にございます。どうかお気のすむまで私も叩いてくださいませ」
マーサ、お前もか!!
「叩かない!仕方ないし!皆無事だし無問題!!むしろ捕縛した賊を守りながらよく戦いました!誉めたいぐらいですから!」
「「お嬢様…」」
「必ずや、次こそは任務を完遂して見せます!」
「次はこのような失敗はいたしません」
マーサ、ジャッシュ…二人はなんでここまで私に尽くしてくれるんだろう。謎です。
さて、残る問題はサボさんですね!
「す、スイ!スイー!」
「はいはーい」
私の呼びかけにスイが来てくれた。
「サボさんはどうしちゃったんだと思う?」
「…ロザリンドはまた何をやらかしたわけ?」
スイがまたあきれた表情をしている。
「何で私のせいなのさ!?私は何も……なにも………」
「…心当たりが?」
「…あります」
そういやあったよ!サボさんにあれを持たせてた!
「何をやらかしたわけ」
スイさんがジト目である。信用が無さすぎる私。
「兄様特製パワーアップドリンク『俺みなぎるんだCドリンク』を渡しました」
「成分は?」
「詳しくは知りませんが、サボさんをパワーアップさせる何かだそうです。ゴラちゃんエキス配合、副作用はなしだと聞いています。その、私がちょこっとおまじないもしましたけど。強くなーれって」
「…だから怪しいものを使うなよ!ロザリンドは進化しちゃった事件とか雑炊事件でこりないわけ!?」
「だってなんかあった方が大変だもん!サボさんに怪我してほしくなかったんだもん!」
「申し訳ありません。さらに私が覚醒接触を使いましたので…」
つまりチート×チート=進化しちゃった☆という図式?
「あれは僕も初めて見たけど、サボ☆天だね」
つのだ○ひろみたいだね。なんでやねん。
「サボ☆天は神ランクの魔物だよ」
「ロザリンド、ミルフィリア…ワタシハ…カミニナッタ。シコウノソンザイニナレタガ、ワタシハミンナノソバガイイ。カミトシテミマモルノハイヤダ」
翼は消えて、サボさんはいつもの虹色サボさんになりました。神ランクになると、本当に神様になっちゃって、一緒に居られなくなっちゃうらしい。サボさんが居なくならなくて良かった。
予想外の事が起きまくりましたが、これで準備万端!最後の仕上げに入りますよ!
すいません、楽しかったです。後悔はしていません。




