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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・訴えて勝つぞ編

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目覚めの口づけ

 ミルフィリア視点になります。時間も少し遡り、ロザリンドに連絡するより前からです。

 私達は順調にクリスティアへの道を進んでいました。クリスティアに戻るには山岳ルートを通らねばなりません。街道は一本道で他にルートがないことから、しかけてくるならばここだろうと予測しておりました。





 しかし、予想外の出来事が起きてしまったのです。





 敵はあっさりと捕縛されたのですが、ジャッシュさんとマーサさんが何やら警戒しています。


「囲まれている…」


「ミルフィリア様、けして我々から離れないでくださいませ」


 マーサさんは両手に小型の斧を構え、ジャッシュさんは両手に双剣を構える。私も弓を握りしめて警戒する。


 大量の狼のような魔物が現れた。強いうえに、数が多すぎる。私も援護射撃をする。ひたすらに敵の数を減らしていく。回復や撹乱も交え、全体の動きを見ながら動く。さいわいディルク様ほど素早くないからとらえるのは難しくなかった。しかし数が多すぎる。倒しても倒してもきりがない。


 しまった。離された!?気がつけばマーサさんとジャッシュさん、ジルバから分断され、私の近くにはもふ丸、サボさん、シーダ君しかいない。位置を確認しようと気を散らしたのがいけなかった。


「ミルフィリア!」


「え!?」


「うああ!」


 シーダ君が私をかばって魔物に噛まれた。もふ丸が即座にフォローする。


「グアアア!?」


「サボさん!?」


 私がシーダ君に気をとられた隙に魔物が背後にいたらしく、サボさんもやられてしまった。私はとっさに結界を展開した。もふ丸は毛をトゲトゲにして咬まれないから大丈夫だと結界をすりぬけた。


 この結界ならしばらくはもつはずだ。考えろ!自分は今なにをすべきか!


 自分の最善を尽くすため、まずロザリィに通信用魔具を使い助けを求めながらシーダ君の怪我を確認する。泣くな!集中しなきゃ!思ったより深い。首に近いから出血も酷い。大丈夫!持ちこたえれば必ずロザリィが助けに来てくれる!そう、持ちこたえればいいんだ!


 多分、今が私の天啓を使うべき時だ。シーダ君、ごめんなさい。


「…『覚醒接触(アウェイクキス)』」


 私はシーダ君に口づけをした。自らの魔力を口づけにより送り込み、身体能力・魔力を大幅に増幅する私の天啓。女神ミスティアの魔法の祝福。キスが1番効率がいいのだが、それゆえ逆に使いにくい天啓だ。またの名を『目覚めの口づけ』という。秘めた力をも解放させる、魔法による増幅の最上位天啓と聞いている。


 本当なら、初めてのキスはシーダ君が起きている時がよかったが、そんなことを言っている場合ではない。

 私の天啓によりシーダ君の回復力も向上され、すでに血が止まっている。泣きながら必死に回復魔法で傷をふさぐ。泣きたくはないが、涙が止まらない。


「ミルフィ、ナクナ」


「サボさん…」


 体液の流出は止まっているが、サボさんも腕がちぎれかけてしまっている。早く治してあげなくては。サボさんにも天啓を使った。さすがに口ではなく傷口へのキスだったけど、天啓によりちぎれかけた腕も塞がり始めた。

 結界の外で奮闘しているもふ丸も心配だ。早くシーダ君を回復させ、サボさんも回復しなくては。魔法の併用で負荷がかかり、頭が痛い。しかし気力でねじふせる。


「ダイジョウブダ。ミルフィハ、ワタシガマモル!」


「え?」


 サボさんはどこからか取り出した謎の薬を一気に飲みほした。サボさんが…サボさんが輝く。


「ええええええええ!?」


 私の視界は真っ白になった。 

 話の展開上、ここまでになります。


 なるべくきりがいいとこまでにしたいのですが、すいません。

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[一言] シリアス先輩「あ、もう出番終わり?んじゃまたねー」
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