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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・訴えて勝つぞ編

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ブラコン対決

 今回は逆パターンです。

 お城の客室に戻ると、皆が戻っていました。とりあえず、成果の報告ですね。


 アルディン様がキラッキラしています。物理的にも精神的にもまばゆいので、目に優しくないです。ラート君、やめて。精神的には仕方ないけど、物理的にはやめてほしい。


「ロザリンド、兄上はすごかったぞ!あれを巧みな話術と言うんだな!世間話を装い、会話を誘導して必要な情報を引き出す…さすがは兄上だ!やはり兄上は素晴らしい!」


 うん、兄上(アルフィージ)様悶えてるよ。誉められるのに慣れてないのかしら。とりあえず、アルディン様に乗ってみた。


「うちの兄様だって、一目で聖女の恵みがおかしいと看破しましたし、泣きじゃくるミチェルさんを即座に泣き止ませたんですよ!頭もいいし(植物に関してなら)知識も豊富で学者顔負けなんだから!」


「待て!泣くってうちの親父に何が…」


 つっこむシーダ君をシカトして会話を続けるアルディン様。見かねた兄様がシーダ君に説明してる。


「うちの兄上はすごく優しいんだぞ!こないだなんかな、俺の悩み事相談に乗ってくれたんだ!一緒に考えてくれたんだぞ!しかも俺が壊した花瓶のことをものすごーく怖いメイド長に私も同罪だからって一緒に謝りに行って叱られてくれたんたぞ!」


「私の兄様だって、私のために私が好きな果物を更に好みになるよう品種改良してくれたり、部屋に花を絶やさないように気配りしてくれるんですよ!しかも花束をたまにプレゼントしてくれるんです!センスもいいんですよ!」


「くっ、やるな!兄上は俺が意地悪されて拗ねると、必ずおやつを半分分けてくれるんだ!それが大好物のプリンでもだぞ!」


「なかなかやりますね!私の兄様だって、私の手料理なら嫌いなピーマンだろうと完食してくれるんですよ!しかも最近では私の手料理なら美味しい気がするとまで言うんですよ!」


「…実際問題おいしいんだけど…なんで?」


「苦味をわかりにくくするようにしてますからね。でも、嫌いだと思っててもちゃんと食べてくれる、その気持ちが嬉しいです。兄様大好き!」


「あー、うん。ありがとう」


「俺だって、兄上が大好きです!俺、兄上の弟で良かった!」


「…これはこの間の仕返しなのかい?なら土下座でもなんでもするから許してくれないかなぁ…」


 真っ赤になって俯くアルフィージ様。


「アルディンすげーわ!俺、アルフィージがこんな困ってんの見たことない!」


 爆笑するカーティス。


「しかえし?」


「天然よねぇ…」


「アルディンだからなぁ…」


 首をかしげるアルディン様。苦笑するアデイルとヒュー。


「私はさておき、アルディン様の辞書に仕返しという単語はないと思いますよ。私はちょっと悪気がありましたけど、アルディン様に乗ってみただけです」


「…悪気があったんだ」


「兄様には効果がなかったけど、アルフィージ様が恥ずか死ぬ感じなんでおおむね満足です。あ、兄様大好きなのは本当ですからね」


「知ってる」


 兄様満足そう。


「それはかなり悪気があるだろう…」


 つっこむものの、やり返す元気がないらしいアルフィージ様。効果は抜群だったらしい。


「俺は、兄上が大好きだと言っちゃダメだったのか?」


「いや、駄目ではないわよ」


「そーそー、照れてるだけ。本当は喜んでるから。恥ずかしいだけだよ」


「…?本当の事を言っているだけだぞ?俺は兄上が大好きで心から信頼している。なんら恥じるところはない」


「「お前はな」」


 双子騎士がハモりました。アルフィージ様が丸まった。アルフィージ様のライフはゼロです。


「いいから、ちょっと兄ちゃん落ち着くまでアルディンは黙っとけ」


「そうそう。他に話し合うこともあるでしょう?」


「そうだったな。脱線してすまない」


 双子騎士の見事な軌道修正により、アルフィージ様のメンタルはどうにか救われた。


 それぞれからの話を総合したところ、主犯はマーシュ伯爵で間違いなし。黒幕は居ない。金の流れからしても私腹を肥やし、芸術品等に使っていると確認。証拠は数日で出揃う。

 領主としてもいまいち。評判が悪く、ユグドラシル騒動の時にも税を下げず、農民が暴動を起こしかねない状況だという。

 聖女の恵みの管理不良はもともと管理してた人達がラトル家以外には従わないと辞めてしまったかららしい。



 結論。



「見事すぎるダメ貴族だね…方針変更はなしで良さそうだ。あと数日が勝負だね」



 各自に指示を出して解散となりました。不安要素はあるけど、上手くやれるよう頑張ります!




 一人になると、気配を感じたので声をかけた。


「ジャッシュ、マーサ、居るね?」


「「はい」」


 うちの忍者…じゃなかった信頼できる2人が現れた。


「影からミルフィを護衛してください。貴方達を心から信頼しています」


「「お嬢様…」」


 感極まったような2人。


「ところでマーサの体調は大丈夫ですか?」


「はい、問題ございません」


「帰ったら結婚式の相談だね!」


「は!?」


「おめでとうございます」


「え!?お嬢様!?」


「ドレスは私と母様に任せてね!マーサに似合うものを仕立てるから!マーサ、結婚式してね。私はお祝いしたいし、幸せな花嫁になるマーサが見たいの」


「……はい。ありがとうございます、お嬢様」


 マーサは観念したらしく、私の両手に額をつけて優しく笑ってくれた。


「それから、ワガママだと分かってはいるけど無茶はしないで。極力ケガとかしないで」


「はい、心得ております」


「お嬢様を悲しませるような事は、我々はいたしません」



 私が心から信頼している大人達は、柔らかな笑顔を見せると夜の闇に消えていった。私は本当に忍者だよなぁ…とどうでもいいことを思いました。

 兄はわりとロザリンドに愛されてる自信があるし可愛がってます。ロザリンドに大好きと言われても普通に嬉しいだけです。


 アルフィージ様は微妙にアルディン様をいじったり意地悪しますが、嫌われたくない感じですね。可愛がりもしますが意地悪もします。

 そもそもあまり愛された経験があんまりないのでストレートすぎるアルディン様の大好き攻撃に弱いです。

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