予想はしてた
色々とミルフィに驚かされた後、とりあえず昼食をとっていたら…緊急通信が来ちゃいました。今日は本当に忙しいね!
「申し訳ありません、主様!先生…ミチュウの父上が処刑になると…!」
緊急事態ということで、シーダ君ちのちみっこ達は急遽おうちに帰してレオールさんの所に行きました。
ミチェルさん…シーダ君達のお父様は罪を認めてはいるものの、販売ルートや詳細を話しておらずまだ裁判中で投獄されている。多分知らないから自白しようがないのだろう。だがここにきて新たな情報があり、処刑になるとのことだ。
「ロザリィ…」
ミルフィが涙目です。多分大丈夫。私はミルフィに笑いかけた。
「新しい情報、ね。それってさぁ、アーコギが盗まれた聖女の恵みを売ってた…でしょ?」
「…よくおわかりで」
やっぱりな。私は頭をかかえてシーダ君に八つ当りした。
「はぁ…あーもう!シーダ君の馬鹿!お父様のことをもっと早く話してくれてれば、こんなめんどくさくなかったのに!」
「へ?」
「どういうことですか?」
「アーコギは恐らくラトル家を見張ってて、あわよくば天啓もちを黒幕が円満に得られるよう経済的に困窮させたんだよ。予想の域だけど…状況的にも間違いないかな?シーダ君を引き取りたいって話、なかった?」
「…あった」
やっぱりな。私はため息をついた。
「レオールさん、権力の使いどころですよ。なるべく処刑を引き延ばし、もう一度裁判を開廷させてください」
「はっ!」
「シーダ君、大丈夫。未来のクリスティア統治者が味方です。そうそう負けませんよ」
私は不敵に微笑んだ。
「未来のクリスティア統治者?」
シーダ君が盛大に顔をひきつらせた。あ、そういや内緒にしてましたよ。てへ。
「はい。クリスティア第一王子アルフィージ様、第二王子アルディン様とクリスティア宰相をしてる公爵の子息が兄様で、同じく公爵令嬢なミルフィ。これだけのメンツがそろってて、負けはありえない」
「さ、先に言えぇぇ!!」
シーダ君に怒鳴られました。いやいや、気にしないでくださいと言ったらしばかれた。
「で、我らが参謀殿の作戦は?」
「んー、まだ思いつかないです。とりあえず詳しい情報が欲しいし、一度シーダ君のお父様に会いに行くかな…敵さんもアーコギが捕まって予想外だから慌てて動いただろうし、粗も探しやすい…どうせならもっと混乱させてやりますか」
「あ、悪い笑顔」
「ロザリンドって悪役っぽいよな」
「否定しません。敵からしたら、悪役でしょうね」
カーティスににやりと不敵に微笑んだ。まぁ、悪役令嬢になる予定でしたから悪人面ではあるでしょうね。つり目だし。
「ちなみにアルフィージ様は何か策あります?」
「ん?そうだなぁ」
…………5分経過。
「黒い!」
「兄上ぇぇぇ!?」
「あっはっは。クリスティアじゃないからさすがにやらないよ」
「クリスティアならやるの!?」
「兄上ぇぇぇ!?」
「ならサクッと殺すか?」
「馬鹿!カーティス!何を言ってるの!」
「そうだぞ!」
「簡単に殺すなんて生ぬるい!生き地獄を味わわせてこそですよ!相手は無実の人を3年も投獄させたんですよ!?屈辱を与えてやらないと!生きることより死ねない地獄ですよ!」
私もアルフィージ様と同類だと言われました。解せぬ。私は無実で捕まえて拷問して余罪追求なんてしませんよ。あくまでやらかした罪を問うだけです。そして、恨みは10倍返しがモットーなだけなのに。
「あ、思いついた」
ふっふっふ。豪華キャストも居ますし、せっかくだから遊んでさしあげますよ。私はさっそく皆に案を伝えました。特にミチュウさんとシーダ君の了承が必要だ。
「…わかった」
「お願いします」
ラトル家はオッケーみたいですね。
「皆様は、いかが?」
「ロザリンド嬢の頭はどうなってるんだろうね」
「なんというか、さすがはロザリンドだな…」
王子様達は上げてんの?落としてる気がするんだけど。
「頑張りますわ!」
「うん、無茶は禁止。とりあえずシーダ君のお父様からも情報もらってくるから、皆は準備よろしく」
「僕も行くよ!」
「もちろんです、兄様。ぜひお願いします。シーダ君とミチュウさんも来てください」
とりあえず方針は決まったし、これからが楽しみです。
とりあえず、今日はここまで。次回はまた明日になります。




