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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・真夏の恋話編

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歌の姫神様

 今日は短めだから連投です。

 海岸に行くと、人が集まってました。私達が来たのに気がつくと、皆さん道をあけてくれます。


 砂浜には海精霊(ネレイス)のお姉さん達と、山盛りの素材。


 山盛り?山盛りである。山盛りに積まれている。欲しかったものから、あればラッキーな激レア素材まで。これ売ったら一生遊んで暮らせるんじゃないか?と思われる量である。


「奇跡の歌姫様!皆で頑張りましたわ!」


 ほめてほめて!と尻尾…じゃなかった尾びれをびったんびったんするお姉さん達。水が跳ねる!地味に濡れるからやめてほしい。


「だからロザリンドですってば。それはともかく、すごいですね…皆さん頑張ってくださったのですね。ありがとうございます」


「いいえ、奇跡の歌姫様は恩人ですもの」


「それに、頑張って集めたらあの素晴らしい歌が聴けるかもって話で、聴いてない皆もどうしても聴きたいって、死に物狂いで集めたんですよ」


 若そうな海精霊(ネレイス)の女の子が笑顔で話しかけてきた。この子は昨日も居たな。


「ハードルが高いですね…」


 正直、私の歌にそこまで価値はないと思うんだが。ああ、でも贈り人の歌だから珍しいのかな?まぁ、別に歌ぐらい減るもんでもないし、歌うのは嫌いじゃない。こんなに頑張ってくれたわけだし歌うぐらい、いいかと思う。


「では、昨日と同じでいいですか?」


「はい。他にもあれば何曲かお願いしたいです」


「では適当で」


 指輪をギターにかえて、まずは昨日と同じ曲を。それから、ポップス、ジャズ、演歌、童謡、讚美歌…あらゆるジャンルの歌を思いつく限り歌った。


「あー、さすがに喉がきつ…」


「どうぞ。流石です、お嬢様。素晴らしい歌声でした」


「ありがとう」


 できる従僕(ジャッシュ)がアイスミルクティを差し出した。おいしい。ジャッシュは昨晩いったん帰宅して、マーサが休みになったんで代行で来てくれました。

 ジャッシュは本当に気が利く。ミルクティのおかげで喉も潤った。のど飴までくれました。ありがたし。


 あれ?そういやあ海精霊(ネレイス)さん達、反応ないな。彼女達をみたら、固まっていた。そして、硬直が解けると涙を流して叫びだした。


「ブラボー!!」


 一斉に拍手をしだす者、跳び跳ねる者など反応は様々だ。だから濡れるからやめてほしい。喜んでるようなんで、まぁいっか。


「奇跡の歌姫様ではなく、まさしく女神…!女神の歌声!!」


「歌の姫神様ですね!!」


 まてまてまて!大げさ!!なんかランク上がってるじゃないか!!


「おお…すっげぇ歌だったべぇ」


「おら、鳥肌たっただよ」


「すっげぇ声だったなぁ。男みたいだったり、女みたいだったり…」


「あの姉ちゃん達が女神様だっつうのもわかるわぁ…吟遊詩人だってあんな歌声はなかなかないわなぁ…」


 待って!!おっちゃんおばちゃん達まで納得しないで!本職の方が多分上手いよ!


「ぜひ…ぜひまた歌をお願いしたいです!また素材集めますから!」


「またあの素晴らしい歌を聴けるならば!素材などいくらでも集めますわ!」


 キラッキラしている海精霊(ネレイス)さん達。


「あー、機会があればね?当面これだけあれば不足はないかなぁ…」


 不足どころか、大量に余るよね…どうしよう。あ、賢者のじい様の土産にしよう。きっとめちゃくちゃ喜ぶな。踊るんじゃないか?あのじい様紙一重系の天才だからな。


「はい!いつでもお申し付けくださいませ!」


「用件があればこれを!」


「ほら貝?」


 手の平サイズのほら貝を渡されました。戦国武将がブフォーとかやるあれです。吹くの?いや、魔具だな。僅かに魔力がある。


海精霊(ネレイス)の証と言いまして、友好の証で、それをひとたび吹けばたちまち近くの海精霊(ネレイス)やその眷族が集まり、お力になりましょう。素材が欲しいときはそれで呼び出してくださいませ」


 私の社交辞令は通じていなかった。海精霊(ネレイス)さんは呼び出される気まんまんである。黒い主従がクスクス笑っている。カーティス後でしめる。


 もはや私の称号は修正がきかず、定着したようです。漁村のおっちゃん達にまで、歌の姫さんと呼ばれてました。神じゃないだけまし………いやいや、私は普通…よりちょっぴりおてんばな公爵令嬢です!


 本当にどうしてこうなった!?

 きりがいいのでここまでになります。


 ちなみに補足。

 この世界ではゆったりしたバラードや詩の朗読が主なんで、ロザリンドの歌はかなり珍しく、前衛的で素晴らしいものです。吟遊詩人がいたら即弟子入り志願しちゃうレベルだったりします。

 ロザリンドはじっくり吟遊詩人の歌を聴いたことがないので、その事を知りません。

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― 新着の感想 ―
あー吟遊詩人の歌のイメージってあれだよね ケルト音楽に物語乗せて歌うようなアレだ
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