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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・真夏の恋話編

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小動物系令嬢

 照れくささはあるけどだいぶ落ち着いてきたので手をつないで食堂に戻りました。


「落ち着いたみたいだね」


 皆まだ食堂でまったりしてました。アルディン様は明らかにホッとした表情です。ご心配をおかけしました。アルフィージ様はニヤニヤしてます。このやろう。


「だから表情から読まないでくださいよ」


「さっきは悪かった。からかいすぎたよ」


 くっ!謝罪されたら私も謝らなきゃならないじゃないか。この真っ黒様め!


「私もクッションを投げつけてすいませんでした」


「いや、フォークとかじゃなかったし気にしてないよ」


「いくら私でも、友人にフォークは投げません!」


「そうなの?」


「あんた私をなんだと思ってんですか!?」


 けらけらと笑うアルフィージ様。最近黒さをお腹に隠してませんよね!


「ごめんごめん。ところでさ?」


「はい」


「ミルフィリア嬢が小動物になってるのはなんで?」


「…はい?」


 ミルフィを確認する。お茶を飲みつつ、シーダ君をちらり。シーダ君が視線を寄越すと目をそらす…を繰り返している。確かに、警戒する小動物そのものだ。可愛いな!


「複雑な乙女心はストロベリーなんですよ」


「微塵も意味がわからないんだけど」


「俺、大体わかった」


『すげえな!』


 カーティスには通じちゃいました!ミルフィと兄以外の全員が驚愕した。いや、我ながら意味不明な説明だったからさ。ちなみに兄はマイペースに本を読んでます。そしてブツブツ言ってます。大丈夫か?


「ミルフィリアは結局なんで俺をチラチラ見るんだ?」


「みみみみみみてましぇんわ!!」


 噛んだ。そして、私の背後に隠れて真っ赤な顔してプルプルしている。なんだこれ。可愛いな!


「…本当になんなんだ?」


 困惑しているシーダ君。まぁ、一晩で態度が違うからねぇ。


「おひめさま、にーにきらい?」


「にーにはおひめさますきだから、きらわないで」


「ちがうよ、おひめさまはてれてるんだよ、てれかくしだよ。いやよいやよもすきのうちってゆーんだよ!」


 シーダ君ちの三男がえっへんと言いました。


「ちがうわ、ボケ!」


 即座につっこむシーダ君。


「惜しいね。前半は合ってた」


「ろろろ、ロザリィ!言っちゃうなんて酷いですわ!!」


「………え?」


「…………あ」


 私はにっこり微笑んだ。


「では、私達はこれで」


「待って待って待って!今二人きりにされたら心臓が割れますわ!」


 ミルフィに抱きつかれました。仕方ないね。マジで可愛いな。羨ましいだろ、シーダ君。ニヤリと笑うと悔しそうでした。脈ありだな!よかったね、ミルフィ。

 ミルフィはしばらく私に抱きついていましたが、ちゃんと話をせねばと決心してプルプルしながらも私の背中からシーダ君のそばに行った。


「し、シーダ君…その…昨日ははははははしたないことをしてしまいまして、もうしわけありましぇんですわ」


「…気にしてない…わけじゃないが、悪い気はしなかった。気にしなくていい。むしろ避けられんのは嫌だ」


 シーダ君はミルフィの頭を優しく撫でた。ミルフィ火山が大爆発しそうです。


「は……はひ」


「よし」


 ミルフィは瀕死で帰ってきました。へろへろです。よく頑張りました。


「ロザリィ…私…どきどきしますわ。シーダ君はなんであんなにかっこいいんですの…」


 ミルフィさん、残念だな。それ小声だけどばっちり本人に聞かれてるよ。シーダ君が真っ赤になって悶えてるよ。ちみっこ達がにいちゃんやったね!って喜んでるよ。

 後ろはしばらく見せない方がいいね。ミルフィが恥ずか死にかねない。

 ジルバが慈愛に溢れた眼差しです。後でミルフィが好きなんじゃないの?と確認したら、ミルフィへの気持ちは兄妹的な愛情だったようです。貴族らしいし、何よりミルフィがシーダ君をあからさまに大好きだからシーダ君を認めたそうな。

 とりあえず、これだけは言っておきます。




 私の親友マジ天使!!いや、私と違って超可愛い!私と違って庇護欲をくすぐるこのけなげさ!言ってて悲しくなんかない!可愛さは正義です!!


 私が意識を明後日に飛ばしていると、素敵なもふもふが私の腕をペシペシしてました。


「え?」


「……」


 ディルク拗ねてる。やっばい!可愛い!え?何?私の婚約者と親友が、私を萌え殺そうとしてますか?天国はここにあった!



「お嬢様!申し訳ございません!」


 アホなこと考えてたら、マーサが来ました。珍しく髪が乱れ………


「マーサ」


 私はマーサの首にスカーフを巻いた。ディルクは顔を真っ赤にしている。シーダ君もだ。


「はい」


「話し合いましょう。すいません、少し席をはずします」


 私は素早くマーサを客室にエスコートして防音結界を起動した。


「お嬢様?」


「マーサ、キスマークがついてる」


 首をトントン、とする。マーサが耳まで真っ赤になった。


「しかも、獣人はその…匂いでわかりますから…お風呂入っても判別がつくらしくて…今日は休んだら?身体も辛いんでしょ?」


「うう……申し訳ありません…あ、あのけだものが……」


 何があったんだ。ルドルフさんはとりあえず後でしめとこう。マーサは色々とお疲れみたいだし、まぁうまくいったようなんで説得して今日はお休みとなりました。


「マーサちゃんのお嬢様、大変だぁ!」


 マーサを休ませてお部屋を出たら、村のおじさんに海岸に行くよう言われました。


 今度はなんだ!?今日は朝から忙しいな!

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