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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・真夏の恋話編

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照れとデレ

 朝になったようです。あたたかいしすべすべ…ん?もふもふ……


「ちょ、だめ!そこは…」


「…ふにゃ?」


 どうやら無意識でディルクにセクハラをしてしまったようです。私はディルクを見て言いました。


「…とりあえずぱんつを穿いてください」


 なんでまだ穿いてなかったんだ。私は慌ててディルクが服を拾いに行った隙に素早く客室を出てミルフィの部屋に戻りました。


 アリサとクーリンは説明したら帰ったらしく、ミルフィはすでに身仕度を済ませてベットで読書をしていた。私も夜着から普段着に着替える。下に水着を着るべきかしら?タコ狩るしなぁ…そんなことを考えてたらミルフィが話しかけてきた。


「ロザリィ、ディルク様は大丈夫でしたの?」


「あー、うん。多分…とりあえず二日酔いは大丈夫そうだったよ」


「…ロザリィ?なんで顔が赤いんですの?」


「…楽しそうだね」


 ミルフィは楽しげに笑ってます。まぁ、うん。


「ふふ、親友の恋のお話を聞きたいと思うのは普通ではありませんの?」


「確かにね。私もミルフィからシーダ君の話を聞くのは楽しかった」


「えふ!?ちちち違いますわ!こ、恋ではない………です、わ」


「恋の話とは言ってないけど?シーダ君の話って言ったじゃない」


「い、いじわる!」


 ミルフィがむくれました。超可愛い。私の親友マジで美少女。





 さて、食堂で朝食です。テキパキと給仕をする私。今朝は炊きたてごはんに玉子焼き、焼いた鮭っぽいお魚またはアジっぽい魚の干物にワカメと豆腐の味噌汁。


「マーサさんは?」


「ちょっと無理矢理休暇を取らせました。疲れて寝てるんじゃないかな」


 本当のことは言えないので、適当にぼかしておく。連絡なかったし、寝てるんじゃないかしら?多分。マーサは働きすぎだしたまにはいいと思う。


「え?あんな殺しても死ななそうなのに?」


 失礼だな、カーティス!


「うちのマーサに失礼です。二度と肉じゃが作らな「大変申し訳ありませんでしたぁ!!」」


 肉じゃが本当に好きだな、カーティス!!


「なぁなぁ、ロザリンドちゃん」


「なんですか?」


「俺には無いの!?特にカーティスずるくね!?」


「何が?」


「アデイルにもくれたのにずるくね!?」


 ようやくなんのことかわかった。武器か。どうせなら完成形を渡したいんだけどなぁ。まだ素材が揃ってないんだよね。


「「まぁ、ヒューだから仕方ない」」


 私とアデイルの声が見事にハモった。


「ひでぇぇ!!」


「ふふ。真面目な話、できたら完成形を渡したいんですよ。まだ素材が揃ってないんで、完成したらあげます」


「えええ、俺も!俺も未完成でいいから欲しい!アデイルのやつめちゃくちゃいい武器じゃん!ロザリンドちゃん武器作りの天才じゃね?」


「んー」


 一応試作品はあるが、どうしたものか。試作品を使ってもらい、改良するのもありか。


「わかりました。そのかわり、軽い方がいいとかちゃんと評価して要望を報告してください」


 ヒューにあげる武器は、いわゆる戦輪(チャクラム)と言われる投擲武器だ。近接時には大きくなり、持ち手が出る作りです。通常は手のひらサイズの輪っか型手裏剣です。


「すげ…手に馴染む…」


 投擲武器なのでかなりの数を作ってある。ヒューは後で練習しに行くとかなり嬉しそうだ。


「ところで、ケンカでもしたのかい?」


 嫌なところをついてきた真っ黒様。楽しげに笑ってます。


「そうなのか?何があったかは知らないが、ディルクを許してやったらどうだ?」


「許すもなにも、そもそもケンカをしてませんし、怒ってません」


 私は静かに目を伏せた。そう、私は怒ってなどいない。ディルクは私のうっかり発言で全裸になっちゃったわけだし、怒る要素はそもそもない。

 しかし、私はディルクと目を合わせられない。




 ディルクが好きすぎるからである。




 今目を合わせたら、赤面する。眠気がすごかったから昨日は緩和されていたが、今朝起きて冷静に反芻したら……萌えハゲるかと思った。キュン死ぬ!死因は心臓破裂ですよ!

 昨日のディルクが語った夢は、私がたまに言ってたやつだ。それを夢だと言ってくれるディルクが素敵すぎて直視できないだけである。


「そのうち落ち着くんで、ほっといてください」


「ロザリンド…」


 ディルクが泣きそうだ。しかし、公開羞恥プレイは勘弁してほしい。


「…なんですか」


「き、嫌わないで」


「ディルクを嫌うなんてありえません…大好きです」


 口元をおさえながらそれだけなんとか伝えた。嫌ってません。逆なんです。だからそんな泣きそうな顔しないでください。


「ふふ、ディルク。ロザリンド嬢は照れているだけみたいだよ」


 察しのいい真っ黒様にばらされて、私はキレた。


「確かにそうですよ!でもばらさなくてもいいじゃないですか!アルフィージ様のばかぁぁ!うわぁぁぁぁん!!」


 もう色々と限界な私は、アルフィージ様の顔面にクッションを投げつけ逃亡した。






 とりあえず、別荘から裏手の森に走りました。とりあえず落ち着いたら戻ろうかなと思い、近くにあった切り株に腰をおろしたらディルクが来ちゃいました。まったく落ち着けないわ!


「ロザリンド…」


 まぁいいか。私は照れくさいだけ。ディルクを悲しませたくない。

 優しく抱きしめるディルクにそっと抱き返す。


「あ、あの……結局俺は昨日何をやらかしたの?」


 私は昨日のディルクさん酔っぱらい事件簿を包み隠さず語りました。


「大変申し訳ありませんでしたぁ!!」


 土下座されました。いや、だから怒ってません。


「いや、正直素晴らしい眺めではあったけど、さすがの私も恋人の全裸は刺激が強すぎだったし、その……目を合わせられなかったのは嬉しくて、なんだよね」


「…何が?」


「ディルクがお酒のせいとはいえ素直に私に甘えてくれて、不安をちゃんと教えてくれて…何より、私の語った望んだ未来をディルクの夢だと言ってくれたのが嬉しすぎたの」


 うう…素直に言うのが照れる!


「夢?」


「一軒家…私をひとりじめする」


「ああ…なんか思い出してきた……というか、全裸で抱きつくとか完全に俺、変態じゃないか!ロザリンドも抵抗してよ!全裸の変態に素直に抱きつかれないでよ!」


「いや、ディルクは性的な興奮はしてなかったし、可愛かったし……正直全裸がぶっとぶぐらいディルクの言葉が嬉しくて…惚れ直しました。それでディルクが好きすぎて、ドキドキしすぎて目も合わせられなくなったの」


 頑張ったよ!私はやりきったぜ!ここまで言えばディルクも私が照れてるだけだと分かるだろうし、目を合わせられない理由も分かってくれただろう。恥ずかしすぎて手が震えてるのはご愛嬌だ。


「ロザリンド、可愛い」


「は?」


 待て。可愛い要素はどこ?ディルクを散々誤解させて冷たい態度と勘違いさせた私が可愛い?


「あー、わかる。確かに可愛すぎる。俺もロザリンドが好きすぎてやばい。なんなの?殺す気なの?耳まで真っ赤にして震えながらって…普段強気なギャップもあって、心臓が破裂しそう!」


 しばらくお互い悶えて、暫くして落ち着いてイチャイチャしてから手をつないで皆のところに合流しました。

 わりと強気な女の子が、顔を真っ赤にして目に涙をためつつプルプルしながら惚れ直したって言ったら可愛いと思います。


 ディルクには負けるけどロザリンドも可愛いと思うんですよね。

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