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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・真夏の恋話編

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ロザリンドの戦い

 いちゃいちゃ………というか、下ネタギャグになりました。


 苦手な人はスルーしてください。

 私とディルクは空いている客室で眠ることになりました。ミルフィを心配させないよう念のためアリサとクーリンに伝言を頼んでから室内に入ります。

 ディルクは私にべったべたです。まぁ、以前みたく性的なものではなく甘えてるだけだから好きにさせたいところですが、明日も早いしそろそろ寝たい。明日はタコ狩りの予定です。


「ディルク、そろそろ寝よう。服脱いで」


「ん」


 私は大きな失敗をしました。あらかじめ夜着を手元に準備すべきでした。あるいは、ウエストポーチさんがあればどうにかできたのでしょうが、寝るのにウエストポーチをつけるバカはいません。私は夜着姿でした。





 ディルクは服を脱ぎました。全部です。







 もう一度、大事なことなんで言います。

 全部、です。


 最後の(パンツ)まで全てです。私の眼前で、全裸のディルクがハグの構えです。




「は?」




 さすがの私も、理解に数秒かかりました。脱いで、でまさか全部脱いじゃうとか思わないでしょうよ!予想外過ぎますよ!!


「ろざりんど、ぎゅー」


 ディルクは全く気にした様子もなく、私を抱きしめようとします。いやあああ!ムリムリ!さすがに無理です!せめてぱんつだけでも穿いて!


「だ、だめ!やだ!ぱ、ぱんつ!ぱぱぱぱんつは穿いてください!」


 動揺しすぎて腰が抜けたため、立てずに座ったまま後ずさる私。当然あっさりディルクに捕獲されました。

 近い近い近い!見えてはならん部分がよく見えてしまいます!隠して!せめて隠して!!


「ろざりんど、ぎゅーやなの?」


 ディルクは涙目で首をかしげる。耳も尻尾もしょんぼりしてます。反射で否定の言葉が出ました。


「嫌ではな「ならぎゅー」」


 いやあああああ!?だから、だからぱんつぅぅ!ぱんつ大事!!いくら私でも全裸のディルクに抱きしめられて平静ではいられませんよ!は、肌の感触が生々しい!!

 しかし素晴らしい筋肉と可愛らしさ。セクシーかつキュート。お肌もスベスベでなで回した………いやいや、あかん!じゃなかったいかん!火急かつ速やかにぱんつを穿かせねばなるまい!幸いディルクは今性的にどうこうではないもよう。これでそっちの反応まであって性的に喰われようもんなら、ディルクが自殺しかねない。


「ディルク」


「んー?」


「ぱんつをはいてください」


「やら。俺はいま、ろざりんどをひとりじめしてるの」


 私に抱きついて、イヤイヤをするディルク。


「本当はみるふぃりあ嬢にもかしたくなかった。がまんしてたから、やら。ろざりんどは、いま俺がひとりじめしてるから、はなれない。ろざりんど、すき」


 ディルクは私を離すまいとさらに抱きつき、密着する。




 どうしろと。





 私をこんなにときめかせてどうするおつもりか!冷静なにそれおいしいの?って感じになってるし!

 ときめく通り越して心臓がわれそうですよ!なんでこんなに凶悪に可愛いんだ!!わ、わ、私だってディルクが全裸じゃなきゃ好きなだけ抱きついてくれてかまわないったら!


「お願いだから、ぱんつを穿いてください!」


「やら。はなれない…はなれたくないよぅ」


「う…」


 ディルクがしくしく泣いてしまった。とりあえずディルクは私と離れるつもりがないようだ。ディルクを撫でながら問いかけた。


「ディルク、どうしてそんなに離れたくないの?」


「ろざりんどがしなないか、ふあんなんだ」


「…そっか」


 魔のせいで倒れたこともある。私はディルクを不安にさせてしまっていたのだろう。そして酔っぱらっているからこそ、隠していた不安を今素直に出しているのだ。


「ディルク、後悔してる?」


 何を、とは言わなかった。ディルクはキョトンとしたが、首をふった。


「ひとつもこうかい、してない」


 ディルクは私を抱き上げ、ベッドにおろした。そのまま布団に私と入る。ぱんつ……と言える雰囲気ではなかった。向かい合った状態でまた抱きしめられた。足に柔らかいブツが触れているのは、全力でスルーした。


「ろざりんどにあえて、しあわせ。ろざりんどがいてくれてうれしい。こうかいなんてない。ろざりんどがおれの世界をかえてくれた。おれの夢はね、ろざりんどといつか、いっけんやで…ふたりきりでくらすんだ」


「…そうだね。丘の上の海が見える一軒家で、ディルクとおばあちゃんになって死ぬまで暮らしたい」


「うん。ろざりんどをしぬまでひとりじめする。おれはろざりんどにだけモテたい」


「大丈夫…今現在モテてますよ…」


「ほんと?」


「はい」


「えへへ…しあわせ」


 ふにゃりと無防備に笑うディルクを見てたら、もはやぱんつがどうでもよくなってきた。胸がいっぱいで、幸せです。ディルクが幸せそうならもうなんでも………………


 よくないな!


 ぱんつ大事!!危うく全裸まで受容しそうになったよ!!ディルク…恐ろしい子!!


は!多少状況を改善する策を思いついた!


「ディルク大好き!かわいがってあげるから、完全獣化して」


「うん」


 とりあえず、獣化により肌色が削減されただけ、ちょっと気持ちは落ち着きました。いやまぁ、ぶらぶらしてますが、そこはもう仕方ない。ご立派だなぁ…いやいや!見ちゃだめ!

 気を取り直してディルクをもふる。うなれ!ゴールデンフィンガー!!


「もふもふ…」


「みゅう…ゴロゴロ」


 股間は気になるが、気にしたら負けだ!もふもふして速攻寝かしつけて、ぱんつを穿かせるんだ!



 私の作戦は、半分成功した。ディルクは寝てくれました。


 私の作戦は、半分失敗した。通常獣化ディルクが私をがっちりホールドしていて、全く動けない。外そうとするとさらに力が強くなる。

 全裸のディルクに密着して、魔法が使えるはずもない。暴発させる自信があります。集中できるかっての!


 そして最大の誤算は、私が思ったより疲れててめちゃくちゃ眠たいということだ。しかも、ディルクは温かいしもふもふだし、イイニオイだし……素晴らしい抱き枕である。うん………寝よう。

 朝になればディルクの酔いもさめてるよね、きっと。私は意識を手放してしまった。


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