ガールズトークは恋ばなで決まり!
伝えるべきことは伝えましたし、今日は解散となりました。
ミルフィと同じベッドにもぐりこむ。今回、私とミルフィが同室です。ラビーシャちゃんが不在なのが残念ですが、ガールズトークをしなくては!レッツ恋ばな!
「ミルフィ」
「はい」
「ミルフィはシーダ君が好きなの?」
「はい」
ん?やけに反応がサラッとしてるな。もっと恥じらうとかないの?もしや…と確認してみる。
「恋愛的な意味ではどう思ってるの?」
「…………………へ?」
ミルフィが固まりました。ああ、無自覚でしたか。
「ミルフィったら積極的だなぁと思ってました。シーダ君へのアプローチ、激しかったね。あーんをしてみたり、ボートに二人きりで乗ったり」
「わ、わた…私は友人として接していただけですわ!」
とたんにアワアワしだすミルフィ。いやいや、恋人みたいでしたよ。異性の友人には見えなかった。私への笑顔と違ったし。
「あーんなら、ロザリィとだってしたじゃありませんの!」
「私はシーダ君とかアルディン様にはしない。男の子だからね。ディルクは恋人だからするけど」
「あうう…」
ミルフィは完全に自覚がなかったみたいです。天然小悪魔か…赤くなってオロオロしています。
「ど、どうしましょう…私は殿方の友人は殿下達ぐらいで…」
「まぁ、シーダ君も結局は許容してたしいいんじゃない?ミルフィ、聞いていい?」
「え?はい」
「シーダ君とキスできる?」
「えふ!?」
ミルフィがむせました。
「いや聞いた話なんだけどさ?キスできるなら恋愛対象、できない相手は対象外だっていうからさ」
「き、き、きしゅだなんて…」
ミルフィが真っ赤です。そして噛んだ。
「できる?できない?」
「そそそそんな、考えたこともありませんわ!」
ミルフィ火山が大噴火しそうです。なら、アプローチを変えてみるか。
「じゃあアルフィージ様には?」
「親愛なら」
「アルディン様」
「同じく」
「ジルバ」
「同じく」
「シーダ君」
「………………」
ミルフィは真っ赤になってうつむきました。なにこの可愛い生きもの。完全に答えが出てると思いますよ?
「とりあえず、シーダ君はミルフィにとって私とは違う意味の特別なんじゃないかな。ゆっくりこの気持ちがなんなのかを考えてみたら?」
「そうしますわ」
「答えが出たら教えてね」
「はい、必ず」
私達はお互いに微笑んだ。
「ロザリィ」
「なぁに?」
まどろみながら返事をする。
「恋ってどんな感じですの?」
「んー?」
どんな感じだろう。そもそも始まりはキャラ萌えからだから、説明が非常に難しい。
「私の天啓で未来のディルクを知ってて…私は未来のディルクが好きだった」
過去形なんだなぁ。だって、ディルクはもう私の知ってる『ディルク様』にはならない。彼を隻眼にはさせないし、もう騎士でもないのだから。
「過去形なんですのね」
「過去形だねぇ。私の知ってる未来のディルクはもう別物だから。私のディルクは今のディルクだけ」
「どうしてディルク様が好きなんだとわかりますの?」
「んー?どうして好きなんだとわかるかか…リンは…私の贈り人はそれなりの年齢だったから、恋を知ってた。経験から、かな」
「恋愛の好きは、どんな感じですの?」
「んー、個人差があると思うけど…ときめく」
「ときめく…ですか」
「うん。相手がすっごくカッコよく見えて、ちょっとしたことでウキウキしたりドキドキしたり落ちこんだりする」
「恋愛小説みたいですわね」
「まぁ、間違ってないかな。ただ恋愛小説は綺麗事が多いから、参考程度にね。実際はヤキモチやいてドロドロな部分もあるよ」
「そうなんですのね」
「うん。幸せも大きいけどね。ディルクが居てくれれば勝手に幸せになれる自信があるよ」
「ロザリィはディルク様といると本当に幸せそうですものね。それに、とても可愛らしい表情をしてましてよ」
「そ、そうかな?」
「はい。ロザリィの恋は、貴族の子女の憧れなのですわ。幼い頃より相思相愛…乙女の夢ですわ。特に最近素晴らしかったのは、ディルク様がロザリィの為に騎士をお辞めになったお話ですわ…お互いを想いあう描写が素敵で…」
うっとりと夢見る様子のミルフィ。な、なんか恥ずかし…待て。それ現実にあったよね。私、ミルフィに…というか誰にも話してないよ!?
「ミルフィ、お話って何?」
「あ」
固まるミルフィ。え?その反応はなんですか?容赦なく問いつめた結果、貴族の子女の間で自作小説が流行っているらしく、人気の題材は私とディルクらしい。ミルフィが今も持ってるからというので、ざっと読んだ。
「ほとんど現実にあった奴じゃないですか!」
壁に耳あり障子に目あり。町に貴族の子女ありですよ!恥ずか死ぬ!特にこの、ペンネーム・ウサメガネさんの奴、やけにリアル………………ラビーシャちゃんだよ!間違いないよ!主人のプライバシー売るな!
「え?ほとんど本当にあったんですの?」
キラキラと瞳を輝かせるミルフィに勝てず、根掘り葉掘り聞かれました。
後に、ミルフィがそれを元に自作小説書いて大ヒットさせてしまうのですが、それはまた別の話。ちなみに、ブームの火付け役はうちの母でした。やめさせてと頼みましたが…ディルク…というか、獣人を貴族にも受け入れさせる計画の一端と言われ、無理でした。
それから私達は他愛ない話をした。明日は何をしようとか、夏休みにまたミス・バタフライのお店でお菓子を作ろうとか。
私も疲れてたみたいで、いつの間にか眠っていた。




