不安とお仕置き
安定のいちゃいちゃになります。珍しくもふりません。
兄達がきちんと寝るかが心配でしたが、まぁ1日ぐらいなら大丈夫かなと気にしないことにしました。明日も泊まると言い出したら、強制送還か見張り(ゲータ)をつけるか選ばせよう。
私はディルクと客室でくつろいでいたのですが、愛しのマイダーリンの素敵なお耳と尻尾がしんなりしています。
「…ディルク?」
そういえば、夕飯でも口数が少なかった。何か落ち込んでいる?
「ロザリンドは、俺が怖くないの?」
「怖がっているのはディルクでしょ?」
かつて、よく似た会話をした。私がディルクを怖がるなんてありえない。
「あ、怒られたらちょっと怖いかも。でも、怒らせた私が悪いから仕方ないよね」
「…本当に?」
ディルクが壊れ物を扱うみたいに柔らかく両頬に触れてきた。私はディルクの両手にすり寄って甘える。
「うん。急にどうしたの?」
「…黒は魔の色だから」
「うん?」
「俺がクリスティアで獣人にも嫌われたのは、きっとこの髪のせいもあるんだ」
「…ディルクさんや」
「うん」
「リンは黒髪黒目だけど怖い?」
「……………………」
「……………………」
「…………怖くない」
「よかった。ちょっとディルクの気持ちがわかったよ。ディルクに怖がられたら悲しいもの」
へらりと笑いかける。だけどディルクはまだ納得してないみたいだね。そっと、私からディルクに触れた。
「んぅ!?」
そしてキスをして、ディルクを押し倒した。慌てるディルクの胸板にスリスリする…ああ、何て素敵な大胸筋なのかしら…うっとりする私。
ディルクは身体を固くしてたけど、だんだん力が抜けてきて…私を優しく撫でてくれた。そして、私を撫でながら話した。
「…魔を操った時、魔は多分俺たちに近いと思った。だから操れるんだと思う」
「うん」
「ロザリンドの役に立てて良かったけど…同時に怖くなった。魔と近いなんて、気持ち悪くないかなって」
「…ディルクはディルクです。たとえディルクが魔だとしても、私が幸せにしますから大丈夫!」
「うん…ありがとう」
ようやく安心したらしく、私に甘えるようにすり寄るディルク。
「ディルク、ばんざい」
「え?うん……………ロザリンド」
「はい」
「なにしてんの?」
「縛ってます」
ディルクは私によりベッドのヘッドボードに両手をくくりつけられ、ちょうどバンザイの姿勢です。
「……なんで俺は縛られてるの?」
「え?私がディルクを怖がるんじゃと不安だったみたいたから、私がどれっだけディルクが大好きか身体に教えてあげようと思いました」
「…………え」
私はにっこりと、とどめをさした。
「またの名をお仕置きと言います。私のディルクへの気持ちを疑うなんて…お仕置きされても仕方ないよね!覚悟してね、ダーリン」
「手加減してね…ハニー」
私は首を振った。いえ、手加減しません。
「私の愛の重さを知るがいいです。私以外のお婿に行けなくしてあげます」
「は?な、何する気!?や、脱がさないで!あ………はぁん!…だ、だめぇぇ!?そんなとこ舐めちゃ…いやあああああ!?」
まぁ一言で言いますと、ディルクの身体を弄びました。もふ的ではない意味で。ディルクはまだ悶えてます。
「うう…本当にロザリンド以外と結婚できないレベルだった……ロザリンドのとこ以外お婿に行けない…」
ディルクはいまだに悶えています。真っ赤です。ゴチになりました!楽しかったです!
「ちゃんと責任は取りますよ?」
「うん…でも、責任なんか無くたってお嫁さんに来てくれるんだよね?」
「はい。わかってくれました?」
「…うん」
はにかむディルクに胸がキュンとしました。そして、お互い寄り添って眠りにつきました。
私達は、なんというか学習しませんでした。朝起こしにきたできる従者さんが真っ赤になってました。匂い対策すっかり忘れてた!
朝から自業自得でいたたまれなくなる私達なのでした。
ロザリンドさんが何をやらかしたかは、皆様の妄想力で補完してください。