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ロザリアの抱えていたもの

 ロザリアをナデナデしてお膝抱っこしながら、私はロザリアに話しかけました。


「そういえば、ロザリアはなんで最初16歳の姿だったの?」


「…大人の方が強そうかなって」


 照れる美少女いただきました!ご馳走様です!しかもわりと単純な理由なとこも可愛い!!


 あれ?でもなんで成長した姿を知っているんだろ。私の記憶も覗けるのかな?ロザリアに尋ねると、出来ないと返答された。私の情報量が多すぎるから、逆に見ないようにしてるらしい。


 では、何故ロザリアが成長した自分を知っていたかというと、ロザリアは天啓持ちだからだそうです。


 天啓とは生まれ持った特殊な才能で内容は多岐に渡る。彼女の天啓は『予知』だった。


「私が何をしても未来は変わらなかった。何回も何回も色んな事を試したのに、夢の中で私は誰も救えなかったの」


 繰り返し繰り返し、自分が何も成し遂げられない夢を見るのは、どれほど辛いことだろう。

 彼女は強い。この小さな身体でそんな辛さにずっと独りで耐えていたのだ。

 魔王みたいな城の中で、膝を抱えて丸くなるロザリアを思うと切なくなる。

 私はロザリアを抱く腕に少しだけ力をこめた。


 さらに夢のせいで精神のみが成長し過ぎた彼女はその異常さを悟られないために口を閉ざし、やがて心を閉ざした。

 ロザリアは絶望しながらも、願い続けたのだという。


 私がロザリアに応えたのは、そんな時だった。

 ロザリアとは違うやり方で、私は未来を変えていった。ロザリアはずっと隠れながら見ていたらしい。


 一応確認してみたが、彼女の夢はゲームシナリオとほぼ同じだった。彼女は繰り返し、成し遂げられないだけでなく自分の死を見ていたことになる。


 ロザリアははにかんで私に話した。


「あのね、貴女のおかげで今は未来が見えないの」


「え?」


「兄様も母様も父様も、リンが運命を変えてくれた。私の天啓は多分正確には予知ではなく未来予測なんだわ。今は運命が変わり過ぎてて予測出来ないんだと思うの」


「そっか」


 今彼女が辛くないなら嬉しい。私も彼女に微笑んだ。


 ロザリアと情報交換をしたところ、ロザリアが18歳で戦争が起きるらしい。ロザリアはそれを止めたいという。


「流石に戦争は手に余るなぁ」


 自分だけならともかく、それは独りではどうにもならないだろう。

 不安げなロザリアに私は笑ってみせた。


「大丈夫。独りで無理なら、皆で立ち向かえばいいんだよ」


 これから忙しくなるね。そう言って私は笑った。

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