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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・また来ちゃったよ!ウルファネア編

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魔と夢

 お城に戻った私達。無事に東も終了したと報告しました。ジェスとジューダス様が応対してくれましたが、どっちかでよくないか?まぁ、ジューダス様に用があったからいいけど。


 ジューダス様にレオールの話をした。ジューダス様は明らかにホッとした様子だった。


「そうか、あれは解放されたのだな」


 なんでもレオールが魔にとり憑かれたのはジューダス様のせいだという。他に犠牲者を出さないために彼は聖域にこもっていたそうだ。


「アリサ、ジューダス様は呪われてるの?」


「ううん、違うよ。寄生…?わかんない。アリサより強いなにかみたいだよ」


「チタは?何か分かる?」


「魔ね…でも悪いけどアタシでも無理…かしら。試すくらいはしてもいいけど…」


 ジューダス様が頷く。ですよね、うん。


「ま、ダメ元でやりますか。ジューダス様、いいですね?」


「…頼む」


 ジューダス様が腕輪を外す。彼から、あのあらゆる色を溶かしたような黒に近い魔力が溢れだす。


「チタ!」


「任せなさい!」


 チタの光がジューダス様を包みこむが…


「きゃあああ!?」


 黒に似た魔力が光の包囲網突破して私を包んだ。魔力の供給元を絶とうってことか!?


「ロザリンド!」


「来ちゃダメ!私にはチタもアリサもいるけど、ディルクは耐性ないから!」


「ママ!」


「せっかく見つけたご主人様を無くしてたまるかよ!」


「ロザリンド!くっそ、どけよ!」


 ちょ!?チタさんキャラ違う!?アリサ、チタ、ハルが懸命に私を救おうと足掻く。


「う…」


 しかし、黒みたいなナニかは私を覆い、私の意識は闇に落ちた。










 暗い。真っ暗だ。

…と思ったら様々な映像が流れる。負の感情を増幅しようとしてるのかな…思い出したくないやつばっかり。


「うわぁ…黒歴史だなぁ」


 リンさんのギザギザハート時代ですよ。うはぁ。

 さて、どうするかなぁ。思ったほどダメージはないけど、うざい。自分の死を夢とはいえ体験し続けたロザリアと、死の脅威と戦い続けたリン。メンタルは強いですよ、どっちもね。


 しばらく映像が流れたものの…私はノーダメージです。辛かったのなんて昔の事だしね。ぼんやりしてたら巨大なムカデが出てきました。


「うわ!?」


 指輪を双剣にして切り刻んだら消えました。あーびっくりした…あ、いっぱい出てきた。とりあえず全部刻みました。なんなのかな?


 あれから、手を変え品を変え…嫌がらせされました。多分嫌がらせじゃないかな?さすがに多量のコックローチが出てきた時には焦りましたが、消し炭にしてやりました。

 ディルク(偽物)の浮気なんかもありましたが、手触り違うし、見た目だけでしたからノーダメージ。私はディルクを間違いません。自分が死ぬ未来なんて見慣れてるし、皆が死ぬ未来は回避する予定ですし。


 あれ?コックローチが消し炭に出来たってことは、魔力が使える?これ、夢かな?ずっと前にロザリアに入り込んだ的な。なら、思い通りになるよね。私の身体は私のもの。主導権は私にある。これが私の夢なら、簡単に干渉できるはず。私は以前スイとハルにしてもらった時のように、夢に干渉した。


 一気に視界が鮮やかになった。私達の精神世界は混ざっていて、見慣れた森と白亜のお城。精霊が増えたからか、池やら火山やら…綺麗な景色ではある。


 …ど


 ん?なんか聞こえた。


 どうして!?


 男の子かな?知らない声にひかれてフラフラ歩きだすと、急に腕を引かれた。


「ロザリンド!ロザリンド!」


「…ディルク?」


 多分、本物のディルクだ。え?何故に?ディルクは私を確かめるように抱き締める。さりげなくもふる私。うん、このモフ心地は本物のディルクです。あれ?ディルクが震えてる。どうしたのかな?怯えた様子のディルクを撫でた。


「見つけたよ!」


「心配したんだよ!」


「ママ!ママ!うあああああん」


 私の精霊さん達が勢揃いである。アリサも…よく見たら皆が泣いてる。え?あ、夢に介入したのかな?もしや泣かしたのは私か?皆をそんなに心配させちゃった?


「帰ろう」


 ディルクが私の手をとった。もちろん帰りたいけど、あの声はなんだったのだろうか。

 あの知らない声に後ろ髪をひかれふりかえろうとしたら、ハッキリと聞こえた。






「なんでおまえばっかり愛される!おまえなんかいらない!!」






 突き飛ばされたような…弾かれた感覚と、そのあまりにも悲痛な叫びを最後に私の意識は急速に現実へと引き戻された。

 すいません、チタまでたどり着きませんでした。


 短いですが、きりがいいので今日はここまでです。

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