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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・また来ちゃったよ!ウルファネア編

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ありえないもの

 ロザリンド=ローゼンベルクは、現在精神的に大ピンチです。


「女神様~!」


「ほら、これもってけ」


「女神じゃないです!違います!野菜をくくりつけないでぇぇ!!」


 私の魔法で復活した農園のおばちゃん・おばあちゃん達が手際よくヴァルキリーにお野菜をくくりつけていきます。ヴァルキリーもおばちゃん達に怪我をさせられないから動けない。動かせない。なんでそんなにお裾分け精神に溢れてるんだ!あ、ズッキーニ的な野菜…炒め物おいしいよね!もう諦めていただくべき?


「あー、えー、困っとるからやめんか…ふぎゃあああ!?」


「お祖父様ぁぁ!?」


 おばちゃん達をなんとかしてくれようとしたお祖父様がおばちゃん達の波に流された!


「お、お祖父様!」


 ディルクが素早くお祖父様を救出しました。そしてお祖父様を担いだままヴァルキリーに登って私の所まで来ました。お祖父様に怪我はないみたい。良かった…


「…人生、諦めも必要だよね」


「ああ、まぁ…今回ばかりは仕方ないね」


 遠い目をした私達…ちなみにちみっ子達は無事避難しております。


「す、すまんのぅ…」


 別にお祖父様は全く悪くありません。おばちゃん達も多分悪気はないです。


「「お祖父様は悪くないです」」


 私達はおばちゃん達が落ち着くのをひたすら待ち続けました。ウルファネアのおばちゃん達、アクティブ過ぎてなんか怖いよ!ヴァルキリーが野菜まみれになったところでやっとおばちゃん達は帰ってくれました。お野菜は今日のお昼御飯にしよう…




 お野菜はお祖父様のお屋敷に届けていただきました。北はOKってことで、次は西か東ですね。ヴァルキリーはミニサイズ・省エネモードになってもらってお城に行きました。

 ちみっ子達がもう1回にょきにょき見たい!と言うので同行中。更にお祖父様とディスクさん、ミュディアさんが保護者として来てくれました。


 お城に到着すると、すぐに応接間に通されてジューダス様とジェスが来ました。


「早かったな。首尾は?」


「北は問題ありません。ユグドラシルのマナは問題なく巡りました」


 ジューダス様に報告をする。ジェスはさっそく書類を作ってくれたみたいです。


「こちらからの交換留学要請の書類だ。確認してくれ」


 私は頷きすぐに目を通しました。にっこりと微笑む。


「問題ありません。不備もなし。完璧ですね。流石はジェス」


「うむ。主の役に立てて何よりだ。では封を」


「だから主じゃないったら…いつになったら諦めるの?」


「諦めることはないと思うぞ?ロザリンドが諦めたらどうだ?」


「だが断る!」


 不毛なやり取りをしつつ、侍従さんに封をと指示するジェス。やっぱりほぼ一人で王族の仕事を回してただけあって有能だなぁ。あれ?お祖父様…大人達が固まってます。ラグラス君もだ。


「ロザリンド嬢…いや、ロザリンド様」


「…はい?」


 なんで様つけた?大人とラグラス君が顔面蒼白になってますよ?


「ジュティエス様の主様なのですか?」


「違います」

「そうだ」


 否定と肯定がほぼ同時だ。全く譲らない私達。見かねたディルクがかわりに答えた。


「正確には、色々あった結果ジュティエス様がロザリンドを主にと見初めまして…ロザリンドはそれを拒否しています。現在は仮りそめの主従になってますね」


「ロザリンド様、ジュティエス様は素晴らしいお方ですぞ?」


「今ジェスが抜けて困るのはウルファネアです。私はせっかく助けたウルファネアを滅亡させたくありませんし、厄介な従僕はこれ以上いりません!それに今ジェスが抜けたら確実に国内外が大混乱ですよ!?」


「「ありがとうございます」」


 意味を悟ったジューダス様とお祖父様が頭を下げた。ディスクさんとミュディアさんはまだ固まってます。硬直がとけたラグラス君が質問してきました。


「お前、何歳なんだ?」


「7歳です」


「年下ぁぁぁ!?」


「年下ですねぇ」


「「「7歳ぃぃ!?」」」


 今度はお祖父様と大人達が驚愕してます。え?なんで?


「わ、わたしと一歳しか違わない…」


 ラァラちゃんもショックだったようです。えー?何故?


「その年齢でここまで政治の事が理解できるものか!?クリスティアはどんな教育を!?」


「あ、いえ、ロザリンドは異常ですから。3歳で宰相臨時秘書官を勤めてましたし」


 ちょっと!?ディルクさん、異常って何!?まぁ確かに普通の3歳に臨時秘書官は無理だけど!お祖父様が呆然と呟いた。


「…3歳?」


「にゃあに?」←3歳

「ふにゃ?」←3歳


 皆からじっと見つめられ、首をかしげる双子ちゃん(3歳)


「あ、ありえない!」


「あー、私は贈り人持ちでして。贈り人は成人してましたし、天啓のせいで精神的に成長してまして…」


 どうにか納得されました。暇なちみっ子がさっきから私の膝を取り合ってます。そしてさりげなくもふる私。ちみっ子可愛いなぁ。結局仲良く半分こして私に甘えてます。すっかりなつかれました。ヤキモチディルクの尻尾も参戦!かまってアピールですね!喜んで!

 ここはもふもふパラダイスですね!?天国はここにありました!私、幸せです!




「いつまで待たせるのだ!」


 薔薇は気高く咲いて的な音楽が似合いそうなゴージャスブロンド男装美女…獅子獣人かな?が乱暴に扉を開けて乱入してきました。


「オスカ…げふん」


 危うくオス○ル様と言いかけました。私を見つめるオスカ○様(仮名)


「君は贈り人なのか?私のつがいは贈り人でね。彼も私を見てオスカ○と初対面で言っていた」


 言っちゃった贈り人が居るのか。勇者なのかうっかりなのか…そして比較的年代が近い贈り人とみた!


「多分同郷の贈り人ですね。つがいさんはいらっしゃらないのですか?」


「生憎と食糧難で他国に食糧の買い付けに…ああ…カナタが誰かに誘惑されて食われていないか心配だ!」


「大丈夫ですよ、お姉さんみたいな美女のつがいがいて浮気するバカは居ません」


「君はいい子だね…!」


 喜んだらしいお姉さん。つがいさんが帰国したら招待してくれると言いました。私もぜひ行きたい!


「シュシュお嬢様、本題忘れてますよ」


「あ」


 お姉さんはシュシュリーナさんと言う御名前で西の公爵さん。女性ながら西の代表責任者としてこの窮状を打開できるかもと一縷の望みをかけて来たそうです。王宮が火急で呼び出したくせになかなか呼ばれず、焦れてこちらに来てしまったらしい。うん、話が逸れたのは私のせいかな?


「すいません。いますぐ西に行きましょう」


「ロザリンド、魔力は大丈夫なのか?」


 ジューダス様が心配そうに聞いてきた。私は無理はしませんよ。


「ヴァルキリーの消費魔力は大きいですが、今は出したままキープしてますし魔力ポーションが大量にあります!問題なし!」


「頼んだぞ!」


「はい!」


 というわけで、西に行くことになりました。


 

 ちなみにラグラス君達はロザリンドの態度や言動から、勝手に小柄な年上だと思ってました。


 カナタさん(贈り人)はそのうち出す予定です。

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