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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・帰ってきた日常編

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戻ってきた平穏とモフ欲

恒例のモフリタイムです。

 結局午後から騎士団でお仕事をすることにした私。現在は愛しのディルクと幸せランチタイムです。


「久しぶりのロザリンドのお弁当…」


 ディルクがお弁当と幸せを噛みしめています。ディルクは本当に美味しそうに食べるんで作りがいがありますね。


「はぁ…お腹いっぱい…幸せ」


 さて、私は食欲が満たされたディルクにおねだりです。きちんと結界をはりました。


「ディルク、私は頑張りました」


「うん?」


「ウルファネアというモフモフパラダイスで浮気をしませんでした。我慢しました」


「…うん」


 ディルクは顔を真っ赤にしたり、真っ青にしたりと忙しい。私が言おうとしている事に、心当たりがありすぎるんだろう。


「ご褒美を所望します」


「……今?」


「後回しにすると利息が「今で!」」


 まぁ、後回しにする気は無かったけどね。さて、どこからモフろうかな…


「シャワー入って来れば良かった…汗臭いとか言われたら立ち直れない…遅れたら悪いと急いできたのが仇になるなんて…」


 首筋に顔を埋めて匂いをかぐ私。いい匂いしかしない。


「ひぁ!?お、俺汗臭いのに嗅がないで!」


「大丈夫、いい匂いでした」


「大丈夫じゃないから!」


 相変わらず私より乙女というか…可愛いディルクです。久しぶりで腕がなります。


「午後から巡回だから、手加減してね?」


「うん、わかった」


 この時は、まだ正気でした。ちゃんと加減して午後に響かないようにするつもりでした。


「ディルク、獣化。完全じゃない方」


「うん」


 ディルクは素直に獣化して、私の好きにさせてくれた。久しぶりの2人きり、幸せタイムと至福のモフ心地に、私の理性さんは旅立ってしまわれた。


「うふふふふふふふふ」


「ふにゃ…ロザリンド?なんか目が怖いんだけど…」


「うふふふふふふふふ。はぅ…もふもふ…幸せ…ディルク、大丈夫よ…大丈夫」


「大丈夫な要素が微塵も感じられな…ふにゃ…ふみゅう…だ、ダメだ…気持ちよすぎる……………にゃあん、ゴロゴロ…いやいや、喉鳴らしてる場合じゃない…」


「うふふふふふふふふ、可愛いディルク、だぁい好き。私に任せて、力を抜いて?」


 幸せそうな私にディルクはほだされてしまい、素直に身を任せた結果…状況が悪化した。


「……………」


「………………大変申し訳ありません。モフ欲が、大爆発しました」


「みゅ………」


 ようやく正気にかえった私が見たのは、虚ろな瞳でうっとりしたディルクでした。やりすぎたぁぁぁ!


 言い訳させていただくと、私はある程度もふ丸なんかをもふもふしてモフ欲を発散させていました。しかし、私は気がついてしまいました。もふもふが別腹…いや別モフだということに。


 ディルクは私に特別すぎて、彼のもふもふは別勘定だったのです。他で発散できず、ディルクのみが発散してくれるのです。ウルファネアでこまめな発散を怠った結果…





 大爆発しました。






 正気にかえるのが遅すぎました。アダルティな漫画なんかで快楽落ちとかありますが、モフ落ちとよぶにふさわしい感じになっちゃってます。

 もはや人語が解らず可愛い黒にゃんこです。揺さぶろうが最後の砦の尻尾を弄ろうが、正気にかえりません。気持ち良さそうにするだけです。


「ディルク、元に戻って…きゃあ?」


 ほっぺをペロペロされちゃいました。あまりの可愛さに一瞬このままでも…と魔が差しかけましたが、耐えました。

 ディルクは結局、しばらく猫じゃらしで遊んで発散させたら正気にかえりました。


「手加減してって言ったのに!しかも尻尾をあんな…あんな辱しめを…」


 ディルクはモフ落ちしてた間も記憶があり、泣かれました。あんまりもふもふすると獣性が活性化されてしまうんだそうです。勉強になりました。

 そしてやはり対処法が正しかったらしく、活性化した獣性は発散させれば回復が早いようです。ウルファネアではさすがに猫じゃらし遊びしてなかったし、ディルクも限界だったのだと思われます。


「すいません。ディルクが大好きで特別すぎた結果、ディルクへのモフ欲はディルクをモフることでしか発散できないことが分かりました」


「…え?」


「わりともふ丸とかで発散させてましたが、ディルクは別腹ならぬ別モフでした」


「わけがわからない!」


「仕方ないのです。私にとってディルクこそが至高のモフモフ!そして最愛のモフモフなのです!ゆえにそもそも代えなどきかなかったのですよ!」


「つまり?」


「ディルクが好き過ぎて、素晴らしいモフモフ過ぎた結果、ディルク以外では満足できなくなりました」


 ディルクは微妙そうでしたが、一応納得してくれました。猫じゃらし効果で歩行も大丈夫そうです。


「じゃあ、また明日」


「うん、またね」


 ちょっとだけ名残惜しくてディルクの後ろ姿を見ていたら、ディルクが戻ってきました。


「間違えたから、やり直させて」


「うん?」


「行ってきます、ロザリンド」


「!!行ってらっしゃい、ディルク」


 あんまり嬉しくて、ぎゅっと抱きついてほっぺたにキスをしたら、唇にちゅっとお返しされました。

 きゃぁぁぁぁ!!ディルクがイケメン過ぎて萌えます!いや、萌えまくります!私のテンションが大変なことに!!あれですよ!



 スーパーハイテンショーン!!

 今なら魔王だろうが一撃で殺れる気がしますよ!!




 何も恐れぬスーパーハイテンションロッザリンドォォは、ドーベルさんにより一瞬で鎮静化されました。


 ドーベルさんは戻ってきた私をちらりと見て、顔を赤らめました。


「あの、本当に何したからそんなに匂いが…いや、やっぱりいいです」


 一瞬でテンションが戻りました。そして恥ずかしくなりました。よく見たらジャッシュも赤かったです。次から香水を使うか真剣に検討しました。獣人の嗅覚はすごいです。

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