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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・帰ってきた日常編

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お友だちと約束

 学校に行ってから解散となりました。ディルクは騎士団で報告しろと騎士さん達にさらわれちゃいました。お仕事頑張ってね。


 さて、帰ろうと思ったらアルフィージ様とカーティスに捕獲されました。


「父上に報告しなきゃならないからね。私に話してないことがあるね?大海嘯はたまたまだが、毒やユグドラシル…盗みを犯した少年に対する不自然なふるまい…洗いざらい話してもらうよ?」


 あ、これ逃げらんないパターンだ。私は涙目で兄に助けを求めた。


「僕も同罪かな?ラビーシャ、ポッチ、僕らはアルフィージと話すことがあるから先に帰ってて」


「私はご主人様のメイドです。できれば同席させていただきたいです。ミケルへの処遇もあります。よろしいですか?」


「ぼ、僕もお姉ちゃんと帰りたいよ!」


「迎えが来てる可能性が高いし、きっと皆心配してるから、私からも2人に頼みたいんだよね。ミケルとトサーケンは(ジャッシュと鉢合わせが困るから)応接室に居させて」


「かしこまりました」


「お姉ちゃん、じゃあおうちで待ってるね」


 こうして、私と兄はお城に連れていかれました。そして正直に洗いざらい話しました。ジャッシュについては伏せて、ユグドラシルと王様毒殺事件についてですね。アルフィージ様は頭を抱えてます。


「次からは計画段階で私も混ぜてくれるかい?」


「やです」


 私は即答した。アルフィージ様から冷気が吹き出す。怖いけど、ひけません!


「アルフィージ様を関わらせたら、国としてウルファネアに要求通しますよね?私は当初ジェスがあそこまで権力持ってるとは知らなかったし、国としての要求を通そうとしていたら、対応が遅れてウルファネアに餓死者が多数でたかもしれない」


「ふむ、さすがは聖女だね」


 皮肉げに笑うアルフィージ様。それに対して、きらきらした笑顔でアルディン様が言った。


「ロザリンドはヒーローみたいだな!」


「「「…………」」」


 アルディン様、今のは皮肉ですよ。お綺麗なことでと言われたんだよ。あ、真っ黒様が地味に弟の純粋さにダメージ受けてら。


「ロザリンドはスゴいな!ユグドラシルは大丈夫になったのか?」


「あ、はい。休眠はやめて正常に活動してますし、私と兄が活性化させましたから大丈夫です」


「では、ウルファネアの民は飢えずに済むんだな。いいことしたな!他国とはいえ、民が飢えてはかわいそうだ。肉祭りでは、皆幸せそうだった。着いたときは、皆どこか暗かったのが嘘みたいに。ロザリンドはスゴいな!」


「ありがとうございます」


 真っ黒様が苦笑してるわ。アルディン様、本当にありがとうございます。さすがの真っ黒様もこうなっては責められまい。


「ロザリンド、君が賢いことも強いことも知っているがあまり無茶はするなよ?ちゃんと相談してくれ。兄上も国益がどうのとか言ったが、結局は君が心配なんだ」


「はい?」


 いや、無いべ。うっかり訛ったが、ないよ。それはないよ、アルディン様。あや?なんでアルフィージ様赤いの?


「アルディン正解」


 へらっと笑うカーティスをアルフィージ様がどついた。痛くないらしくヘラヘラしてるカーティス。え?マジで?


「あー、心配してくれてありがとうございます?」


「私は心配なんかしていない!」


「え?兄上、相談してくれないとか水くさいとか言っていましたよね?」


「マジで?」


 思わず敬語が飛びました。えええ?本当に?


「君に借りがあったからだ!」


「え?数少ない対等な友達に頼られないのは悔しいって言ってましたよね?」


「げほっ!?」


 アルフィージ様がむせた。いや、珍しい。耳まで真っ赤になって動揺してますよ。


「アルフィージ、仲間外れにしてごめんよ」


「ええ、私達はお・と・も・だ・ち☆ですものね。私も考えが足りませんでした。次からはちゃんと困ったら相談します。お友だちですもの!」


「良かったですね!兄上!」


「この悪魔きょうだぃぃぃ!!」


 ぶはははは、アルフィージ様が泣きました。珍しいわぁ。私達、予想外に好かれてたんですね。知らんかった。アデイルとヒューは意外だったのか固まってる。カーティスは笑いすぎて痙攣してる。息はしなさいね。アルディン様はキョトンとしてます。仕方ない。私と兄がアイコンタクトした。


「悪魔だなんて、僕らは友達じゃないか」

「酷いですよ、アルフィージ様。私達、お友だちじゃないですか」


「連携するな!私をからかってそんなに楽しいか!?」


「「楽しいです」」


「…からかってたのか?兄上は本当に2人を友人と思ってて、仲間外れが悲しかったのに」


「「すいませんでした!」」


 揃ってアルフィージ様に頭を下げました。


「悪かったよ。アルフィージは普段関わりはあっても友人だからとか言わないから、嬉しくてつい…」


「私もアルフィージ様にそこまで好かれるとは思ってなかったんで嬉しくてつい…」


「君たち兄妹は嬉しいとからかうのか?」


「「時と場合によります」」


「タチが悪い!」


「あはは」


「ふふふ」


「良かったですね、兄上」


「良くない!全く…無茶はするなとは言わないし、あれが君たちの最善だったのは理解した。君たちは我が国にとって…いや、我々にとって得難い人材だ。可能な限り協力するから、独りで無茶はするな」


「はい」


「特にロザリンド、だね。今回はちゃんと僕に頼ったからいいけど、危険なことをやらかしたと後で聞いたり、待つしかないのって本当に辛いんだと知っていて」


 ええと…コウ事件とか私を囮にしたやつですかね。我ながら心当たりがありすぎるな。


「は、はい…なるべくはします」


「「なるべく?」」


 ぎゃああああ!?兄とアルフィージ様超怖い!!


「だ、だって言えない時もあります!言えたり協力が必要なら相談も報告もします!そこは約束します!」


「はぁ…」


「大変だね、ルー。まぁ、嘘でも必ずと言わないのが彼女なりの誠意かな。約束したよ、ロザリンド嬢」


「はい。私は約束は基本破りません」


「ならいい。父上への報告は私達がしよう。きっと家族も心配して待っているだろう。帰っていいぞ」


「「ありがとうございます」」


 兄と手を繋いで城門をくぐると、見慣れた銀色が抱きついてきた。


「おかえりなさい、お姉ちゃん、ルーお兄ちゃん!」


「あ、ずるい!マリーもお姉ちゃんとルーお兄ちゃんぎゅうする!」


「………………(にこにこ)」


「迎えに来たぞ」


 ジェンドとマリーとネックスのお出迎えはともかく、オルドはまずい!君は暗殺者として断罪の場にいたおたずね者ですよ!?幸い城門の兵士さんは気がついてない!私は即刻叫んだ。


「総員、全力で走れぇぇ!!」


「は?」


「かけっこ?」


「マリー負けないよ!」


「……(こくこく)」


「じゃあ俺は審判をしてやる」


「じゃあ、よーいどん!」






 ちなみに、1位私、2位マリー、3位ジェンド、4位ネックス、ビリは兄でした。


「は、なんで、きゅうに、かけっこ…」


「すいません、オルドはおたずね者だから焦りました」


「「「あ」」」」


「……………(びっくり)」


 納得されました。最後はドタバタでしたが、無事に帰宅しました。おうちでまったりしたいですね。

 次こそ家に帰ります!

 精霊さん達はその次かな?


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