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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・ウルファネア殴り…訪問編

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本当の聖女と遺産

 今更ですが、作者はアホです。それを踏まえてからお読みください。苦情は受け付けておりません。

 今日は濃い1日でした。さて就寝…と思ったら、眠れません。おしくらまんじゅうですか?押されたら泣いてもいいですか?寝たいんだけど、眠らせないって拷問がありましたね。


「何故私は皆からぎゅうぎゅうされているのかな?」


 右にディルク、左にミルフィ、頭にハク、足元にサボさん、お腹にもふ丸とゴラちゃんという布陣です。これで眠れたらスゴいわ。


「だって、不安だったんですもの」


「俺も、ロザリンドが居なくなったらどうしようって…」


 左に涙目の親友、右に涙目のマイダーリン、不安にさせて申し訳ないが可愛い。私を萌え死なすおつもりか。悶えながらも左右に手を伸ばしナデナデした。どちらもスリスリしてきて…ミルフィはデレすぎじゃないかな。ごちそうさまです。ディルクは安定の可愛さです。2人きりなら確実ににゃあにゃあ言わせてますね。残念です。


「ロザリンドちゃんが大丈夫なのは分かってるけどぉ、不安だったから今日だけは側に居させて?」


「アルジ、イッショ」


「今日ダケダ。皆不安ダッタ」


「ロザリンド、タノム」


 可愛いうちの子達にお願いされてしまえば、嫌とは言えない私です。


「分かった。皆一緒に寝よう。今日だけだからね」


 そして、疲れていたからかあっという間に熟睡しました。誰だよ、眠れませんとか言ったの。私は相当図太かったらしいです。



 そしてぐっすり眠った翌朝。今日は護衛つきでウルファネア大聖堂に来ています。私は迷子にならないよう、ミルフィとディルクに手を繋がれています。情けないけど、ご褒美ですね!両手に花ですよ!


 古い昔ウルファネアには聖女と呼ばれた女性が居たらしい。聖女は勇猛果敢に戦い、銀狼族の青年と結婚。その子孫が今の王族なんだとか。


 残念ながら、聖女たくさんのモノを残したが失われたモノも多数あるらしい。


「失われたとされているものは、どんなものですか?」


「特に、調味料と料理ですね。聖女様は晩年、食文化の発展に精力的に取り組まれ、ご存命の間は様々な料理があったようです。調味料は他国にも広まり、残っていますが…その、ウルファネアの民はなんというか大雑把ですので料理は廃れてしまいました」


 説明と案内をしていた大神官さんに挙手して質問しました。


「ちなみに料理の名前は分かります?」


「肉ジャッガ、チクズェンニィ、ハンバグー、オムルアィス等ですね」


「……」


 聖女よ、何故ウルファネアで暮らしたんだ!クリスティアならちゃんと残っただろうに、名前すら微妙じゃないか!聖女は確実に日本人だな。味噌とか醤油とか鰹節的なものが普及したのは贈り人だった聖女のおかげというわけなのかな。



「肉ジャッガは肉じゃが?」


 カーティスが聞いてきた。よく分かったな。自分の好物には敏感ですね。


「多分ね」


「なんと!肉の聖女様も救世の聖女様の料理をご存知なのですか?」


 やべ、聞かれてた。大神官はチワワの獣人でした。尻尾を振るな。キラキラすんな。作る予定ではあったけど、大量に作る予定はありませんよ。


「他の贈り人から聞きまして…」


 適当に言葉を濁そうとして気がついた。聖女の日記とかないかな?


「レシピを教えてもよろしいですが、対価はありまして?」


「対価、ですか?」


「私に肉じゃがを教えた贈り人に字も習いました。聖女が残したものがあるなら読めるか見てみたいです」


 大神官は考えてから、私に許可をくれた。聖女が遺したのは日記だった。どうやら贈り人ではなく、無理矢理召喚されたようだ。悲しみ、怒りが最初は綴られている。というか、召喚なんか出来るんだね。

 最後の方には料理の覚え書きと、幸せだったと綴られていた。そして、自分のような被害者を出さぬために、神様に直談判して召喚は不可能にしたと書いてある。




 え?神様実在すんの?





 ちょ、そこんとこ詳しく!と思うが、虫に喰われてて読めませんでした。ちゃんと管理しろよ!!


「読めましたか?」


「読めましたが肝心な部分が虫に喰われてて読めませんでした」


 目線をそらす大神官。本当に管理がズサンですよね。なんでウルファネアに住んだんだよ、聖女!

 そして、米はやはり聖女が品種改良したらしい。米は聖女の遺産として厳重管理されていて、王族しか食べられないらしい。しかも粥で食べるらしい。もったいない。炊きたてご飯こそ至高だと思います。


 そんなどーでもいいこと考えてたら、お外が騒がしい。窓を開けて、外を見て、閉めた。鍵をかけて結界をはる。

 ディルクが首をかしげた。


「どうしたの?ロザリンド」


 外を見ようとするディルク。お外を見てはいけません!目が腐る!

 しかし、残念すぎることに奴はこちらに近づいてきます!目には目を!変態には変態を!!

 とちくるった私はゴラちゃん(変態モード)を標的にぶつけました。



 結果、変態は分かり合ってご帰還しました。なんでやねん!!





 うわぁぁぁん!悪化した!


 股間に葉っぱのみを纏った細マッチョな素晴らしい肉体美の頭に白い花を生やした残念なイケメンと、丸太のように太くガッシリした腕を持ち、脛毛と腕毛と胸毛がフッサフサなガチムチゴリマッチョなミニスカ生足魔法少女風衣装を纏ったうさみみつきオッサンのコラボレーション!変態に変態をぶつけたら、分かりあうとかなんでやねん!肩組むな!

 視界の暴力やぁぁぁぁ!!

 目が!目がぁぁ!!




「悩める子羊を救済するゾ☆魔法少女☆土下座衛門☆見☆参!!」


 可憐にポーズを決めちゃった視界に絶大なる破壊力を示したオッサン。これは生きた有害物質である。もはやツッコミは脊髄反射でした。


「オッサンが少女を名乗るなぁぁ!そのふざけた名前はなんだ!この変態がぁぁ!!」


 一応加減したハリセンが炸裂した。鼻血を撒き散らしつつぶっ飛ぶオッサン。


「大司教さまぁぁ!?」


 オッサンは、大聖堂で1番偉いオッサンでした。正座でお説教される私。でも後悔してない。だってオッサンは私がツッコミしたおかげで変身が解除されて普通のオッサンになったから。後でこっそり兄と真っ黒様と真っ白様とミルフィと…皆に誉められたよ!皆も辛かったよね!


「いやはや、しかし変身した私を吹き飛ばすとは、流石ですな」


 爽やかにわらう普通の服を着たゴリマッチョなウサミミのオッサン。もはやこの程度ではなんとも思わない自分が恐ろしい。


「大司教様に、火急かつ速やかにお伝えしたきことがございます」


 私は正座しながら魔法少女について説明した。あのコスチュームは女性、それも子供から成人前を対象とした品であること。

 正直、成人男性が着用すると変態以外の何者でもないこと。もはや視界の暴力だから変態扱いされたくなければ魔法少女?はやめた方がよいと説明した。


「しかし、これは救世の聖女様の遺産なのです。この魔法のすてっきを使い、傷ついたものを救うようにとこの大聖堂の大司教に代々受け継がれて来たものなのです」


「ちなみに他の方々は、大司教の変身についてどのようにお考えですか」


 神官達が一斉に目をそらした。皆も変態だと思ってたんですね?分かります。大司教は私に魔法のステッキを握らせた。


「肉の聖女様もこのすてっきを使ってみれば素晴らしさがおわかりになりますよ!」


 私は少し思案した。ディルクに聞いてみる。


「私の魔法少女姿、見たい?」


「見たいです」


 まさかの即答でした。ならば仕方あるまい。ステッキに魔力を注ぐ。え?なんか勝手に体が…


「ミラクル☆キラメキ☆メタモルフォーゼ!」


 呪文だっせぇぇ!!私の意思をシカトして、口が勝手に喋りだす。


「迷える子羊を助けるよ☆魔法少女☆ロザリンリン☆参上!!」


 変な名前つけんなぁぁぁ!!スゲーな!耳飾りを無効化した!?


「や、やっと普通に動ける…」


 すいません、みなさん。ドン引きしないで。さっきまでのは私の意思ではありません。


「可愛いな」


「普通に可愛い」


 頷く兄達。よく考えたらさっきのオッサン以上のインパクトを私が与えられるわけがないわ。皆も可愛いと言ってました。

 一瞬ですが、この衣装が素晴らしい気がしました。確実に気のせいです。

 まさかこれ、装備者に洗脳効果とか?私は可愛らしい魔法少女の衣装に、聖女の悪意を感じました。スゲー怒ってたんですね。あるいは騙して笑ってたのかな。そして言い出せなくなったとか?どっちにしろ確実にこれは救世の聖女の黒歴史ですな。とんでもない負の遺産を遺しやがって!


 ウルファネアもこんな微妙なモン残すなら、日本食を残しときなよ。多分だが、私は耳飾り効果で洗脳の効きが悪かったか効果が切れたのだと思う。

 全異常無効アクセサリーを一時的にでもねじ伏せるなんて恐ろしい効果である。子供が好きそうなオモチャみたいな見た目とのギャップが凄まじい。


 ステッキが柔らかな光を放ち、形状を変化させた。


「おお…マジョッコ=すてっきが、肉の聖女様を主と認めたのか?」


 そんな風に騒ぐ神官達。君たちさ、これを処分して欲しいんでしょ。出世して使うのも嫌だし、魔法少女オッサンも見たくないんでしょ。分かります。


「ステッキさん、正直私には指輪さん達がいますし指輪さん達の方が効果が高いんで、君は不要です」


 ガーンとショックを受けたのか、ステッキは白くなりました。


 そしてステッキはストライキを起こしたらしく、発動しなくなりました。魔法少女オッサンという公害を防げて良かったです。


 ジェスもこのステッキに関してかなり思うところがあったようで感謝されました。他国のお爺ちゃんが魔法少女オッサンを見て腰を抜かしたり、やっぱりあれは国の恥だと王様によっては大聖堂が旅行者は見学できなかった時期があったり、魔法少女オッサンは、ウルファネア的にも長年頭痛の種だった模様。


 ただ、一応国宝なんで宝物庫に封印…じゃなかった、安置されることになりました。2度と使われないことを祈ります。代わりに私が作った魔力増幅効果のある杖をあげました。効果は同じ程度です。心から安堵し、涙を流して感謝を捧げる神官達にちょっと引きました。辛かったんだね。確かに毎日あの魔法少女オッサンは厳しかったよね!


 自分でもいい仕事したと思いました。大司教だけが残念そうでしたが、見なかったことにしました。

 どうしてこうなった…と言わざるをえません。ちなみに救世の聖女は最初は悪意てんこ盛りでステッキをつくりましたが、晩年になって今更質の悪い悪戯でしたといいだせなくなってました。

 なんで大聖堂に嫌がらせしたかというと、召喚は国王と大司教がしたからです。


 救世の聖女はロザリンドの話が完結したら書きたいと思っている話なのですが、できるかは不明です。

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ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
― 新着の感想 ―
そんなトンデモ品物含め、いろいろウルファネアに残していったのは凛、貴女の○○サマです。 悪戯好きでやり過ぎるとこがにてますなぁ。 しかしながら残すべきものが(料理とか)残らず、トンデモ物が残ってしまう…
んんん?でも乙女ゲーの贈り人は召喚なんだよね?合意ならOKってこと?
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