つがいと山猫
私もつがいについてはなんとなくな認識でしたが、今回詳しい話を聞くことができました。つがいとは、獣人が本能的に認識するもの。生殖が可能な年齢になると分かるようになる。そうそう見つからないので、普通は見つけることなく一生を終える。
つがいを見つけると、つがい以外とは生殖ができなくなる。つがい以外の異性に興味がなくなる。
獣人の本能的部分であり、結婚していても他につがいを見つけてしまえば離婚となってしまうし、それはウルファネアでは仕方ないことという認識である。
近年では異種族に現れることが多いという。一説には、つがいとは素晴らしい子孫を残すための獣人特有の本能であり族内婚を繰り返した結果、他の血を取り入れようとしているのではないかとの事だった。
さて、これを踏まえてミケル=キャトル嬢のお話をいたします。
ミケルが自分のつがいに気がついたのは、13歳の頃。トサーケンという犬獣人の幼なじみがつがいだった。猛アタックするが、トサーケンはまったくミケルの気持ちに気がつかず恋人を作ってしまったため、ミケルはやけになって婚約した。しかし婚約者につがいができて婚約破棄となりました。
捨てられた、と自棄になりながらもやはり自分のつがいへの気持ちを捨てられず、宮廷薬剤師見習いになってトサーケンを追ったミケル。
しかし全く仲は進展しない。しかも筆頭医師になってからは話も出来ない。そんな時に親身に相談に乗ってくれたキルシュ。
そしてキルシュにそそのかされて、キルシュの指示で補充に来たふりをして、薬草に異物を混入した。
そんな中で、大海嘯が起きた。ミケルは父から大海嘯で活躍した青年を誘惑するよう言われた。どうせトサーケンに見向きもされない自分だ。どうにでもなれと自棄糞になりながら誘惑したが、失敗した。
私はミケルが欲しかったものを全て持っていた。若さ、美しさ、強さ、愛するつがいまで。ミケルは嫉妬した。更に、トサーケンにしてきた罪が露見した。誤魔化したが、彼は確証をえているようだった。
ミケルはキルシュに相談した。キルシュはトサーケンが疑ったのは聖女が唆したからだと教えた。怒り、嫉妬、羨望…様々な感情に後押しされ、ミケルはさらに罪を犯した。
後は、私が暴いた通りだ。ミケルは王様と私に体調を崩す程度の毒を盛ったつもりだった。信じてはもらえないだろうが、と彼女は悲しげに笑った。
そして、今ミケルは私に土下座している。
私は叫んだ。
どうしてこうなった!?
中途半端ですが、続きは私が寝落ちしなければ明日朝に更新します。