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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・ウルファネア殴り…訪問編

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ガールズトーク

 全力で枕投げをしたので半分ぐらいのクラスメートは昼間の疲れもあり寝てしまいました。私は楽してたからあんまり眠くない…


 私は昼間、ミルフィがどうしていたか聞いてみた。


「私は治癒魔法が得手ですから治療をしていましたわ。そうですわね、ルーベルト様が凄かったです」


「兄様?」


「ええ。というか、国民性なのかは分かりませんが、かなりの怪我でも舐めとけば治ると治療を嫌がる兵士さんがかなり居まして。ルーベルト様はそれを叱りとばして治療を受けさせていましたわ」


「酷いのは内臓見えてるのに嫌がったから、やらないなら極太の注射を刺すと脅したよ」


「………子供か」


「後で聞いたんだけど、大半が注射が怖かっただけみたい。面倒だから終わりの方は説得しないでサボテンの睡眠針で眠らせて強制的に治療受けさせたよ」


「お疲れ様です」


「サボテンさん達もとても頑張ってくださいましたわ」


「そっか。今度誉めてあげるかな」


「そうしてあげてくださいな」


 ミルフィは柔らかく微笑んだ。最近のミルフィはデレしかありませんな。


「ところでミルフィ」


「はい」


「ガールズトークしよう」


「がー?えっと、それは何をしたらよろしいの?」


「好きな人とか異性の好みのお話をしてキャーキャー言うのですよ!というわけでミルフィの好みはどんな人?」


「そうですわね…真面目な方には好感が持てますわ。己を厳しく律する方は素敵だと思います」


 ピンポイントでフィズが浮かんだ。年齢差はあるが結構お似合いかもしれない。


 どうでもいいけどジルバは聞き耳たてるなよ。ミルフィが好きなのかなぁ…ジルバとミルフィは元々乳兄弟だそうで、仲がいいらしい。兄妹みたいに育ったから距離も近いし最近は口うるさいんだとか。ジャッシュにシメられてからはだいぶマシになったし、護衛としての領分をわきまえるようになったとミルフィは話した。ジャッシュ、いい仕事したね。その調子で父親も調教してくれ。

 私はクリスティアにいるジャッシュに念を送った。


「次はロザリィの番ですわね。好みの殿方はどのような方ですの?」


「ディルク」


「えふ!?」


 何故かディルクがむせました。いつもいってるじゃないか。私の好み=ディルクです。


「いえ、固有名詞ではなく…」


「じゃあ、ディルクみたいな人。ディルクみたいなサラサラの黒髪で、中性的な美人で、獣化可能な獣人で、細身だけどしっかり筋肉がついてて、真面目で誠実で頼りがいがあって優しい年上。可愛いとこもポイント高いよね。可愛くて、カッコいい。私のご飯を幸せそうに食べてくれて、自然にいつもありがとうが言える人。しかも素晴らしい毛並みと撫で心地!ここまで理想にどストライクな人は居ないと思います」


「本当に好きなんですのね。ではディルク様とのなれそめは?」


「あ、私も聞きたいです!」


「私も!」


 なんかやたらとラビーシャちゃんや他の女子達にも食いつかれました。別に面白い話はないと思うんだけどなぁ。


「一言で言えば一目惚れでした」


「え?」


「騎士団で模擬試合をするディルク様に一目惚れ」


 まぁ、色々あるがロザリンドとしてはそんな感じである。


「で、胃袋をがっちりつかんで婚約までこぎつけました」


「待って!俺は確かにロザリンドのご飯が大好きだけど、ロザリンド本人が一番好きだからね!?別にご飯につられてないから!ちゃんとロザリンドが大好きだからね!」


「ディルク…」


 大好きいただきました!嬉しいです。ディルクにギュウッと抱きつく私。キャーッて女の子達が…おうふ、そう言えば人前でしたよ。


「じゃあ、じゃあ、婚約はどちらからの話だったんですか?」


「私の予定では4歳の誕生日、初デート後に私からプロポーズする予定でした。でも結局プロポーズはディルクからでしたね」


 ミルフィも興味津々だったらしく、続きを促してきた。


「プロポーズの言葉は?」



「ロザリンド=ローゼンベルク公爵令嬢、私と婚約して欲しい。いつか、私の妻になってください…ですね」


 女の子達がキャーキャー盛り上がる。プロポーズは乙女の夢ですものね。


「素敵ですわ」


「いいですね」


 ミルフィやラビーシャちゃんもうっとりしてます。


「で、なんてお返事しましたの?」


「普通にお受けします、でしたけど…その、舐められたりされてまして返事がなかなかできませんでした。この指輪はその時にいただいたものです」


「リッカの花の指輪…」


「素敵ぃぃ!」


 女の子達は大騒ぎである。私がむしろついていけてない。若干引きつつ補足した。


「贈り人の風習で、婚約指輪なるものがありまして。婚約する女性に指輪を贈るのです。ディルクも対になる指輪をしていますよ。左の薬指に指輪をすることは、既婚か恋人がいることを示します」


「だからいつも必ずその指輪をしていたのですね」


「納得です!だからご主人様はその指輪を眺めて笑ったり、キスしたり、ディルク様の名前を呟いたり、指輪に服を合わせてコーディネートしたりしてたんですね!」


「い、いやぁぁぁ!ちょっと!ばらさないで!」


「ご主人様、普段はワインカラーとか大人びた服を好むのに、デートの時だけ白や青を着て指輪に合わせるから変だなぁと思ったんですよ」


「ラビーシャちゃん!勘弁してぇぇぇ!」


 結構必死にお願いするが、ラビーシャちゃんは聞いてくれない。


「しかも、服と合いませんよって言ってもいいんだって毎日つけてるんですよ。騎士団行くときはつけてないのかと思いきや、チェーンに通してネックレスとして身につけて…謎が解けましたよー」


「あううう…ラビーシャちゃんのどエス…」


「いいじゃないですか。可愛い乙女心ですよぅ」


「ロザリンド、そんなに大事にしてくれてたんだね」


「すいません、私はちょっと恥ずか死んできます。探さないでください」


 恥ずかし過ぎる。ディルクにばらされたのが1番キツイ。ちょっと旅に出たい。指輪に話しかけるとかキスとか痛い。痛すぎる。よりによって贈った人にそれを知られるとか、どんな死刑宣告だい?逝ってきます!死因は恥ずか死です!犯人はラビーシャちゃんです!


 混乱してあわあわしている私をディルクがぎゅーしてきました。何故?様子をうかがうと、ディルクはとても嬉しそうだった。


「俺、いつも自分ばっかりロザリンドを好きだって思ってた。ロザリンドはいつもそれを否定してくれてたけど、やっぱり自信なかったんだ。でも今、俺ってものすごくロザリンドに好かれてるんだって実感した。どうしよう。嬉しすぎて頭がおかしくなりそう」


 私は恥ずか死ぬ感じですが、ディルクは私のウザすぎる愛情をついに実感したもようです。恥ずかしいけど、ディルクが嬉しいならいいのかな…やっとディルクにちゃんと届いたんだから、伝えなきゃ。


「ディルクが、すきだよ」


 ディルクが丸くなりました。何故だ。頑張った私に酷くないだろうか。


「ディルク?」


「破壊力が凄すぎて…落ち着くまでちょっと待って。普段のあざといのも破壊力がすごいけど、今みたくたまに見せる素の可愛さの威力はとんでもないから!」


 効果は抜群だったらしい。嬉しいなぁ。顔が自然とにやけてしまう。


「「ご馳走さまでした」」


 ミルフィとラビーシャちゃんがハモった。え?なんか皆顔が赤い。私は人前で何をしてんだよと正気にかえりました。皆様刺激が強かった模様です。ディルクをチラ見したら、なんかまだ悶えてる。スリスリしたら撫でてくれました。うん、私は幸せです。


「本当に仲睦まじいですわね」


「羨ましい限りだな。特に貴族は恋愛結婚が難しい」


 アルディン様がため息をつきました。な、なんかアルフィージ様もどよんとしてる。なんかあったのかな…

 私は空気をごまかすためにラビーシャちゃんに言った。


「ラビーシャちゃんはどんな人が好み?」


「私ですか?お金がある人」


「せちがらい!!」


 しかしラビーシャちゃんは至極真面目に言ったらしく、私達を見て不思議そうに首を傾げた。


「うち、父はいい人ですけどお金で苦労しましたから、お金がある人がいいなぁと思ってます」


 結構切実でした。でも、なんというか、もったいない。


「だったら、ラビーシャちゃんが稼げるようになればいいのに」


「へ?」


「ラビーシャちゃんの情報収集力と演技力と話術なら、外交官とか向いてると思うな。もちろん私のメイドを続けてもいいけど。お金持ちに嫁ぐより、ラビーシャちゃんが安定収入得られるようにして、むしろ旦那さんは養ってあげてもいいぐらい好きな人にしたらどうかと思うよ。なんというか、その方が結婚相手のお金に振り回されるより確実だしいいんじゃない?」


「ご主人様…」


 ラビーシャちゃんをはじめ、女の子達は目からウロコが落ちた感じです。なんか変なこと言った?ミルフィが私に真剣な顔で聞いてきた。


「ロザリィ、私は何に向いていると思いまして?」


「ミルフィなら、優秀で真面目だから秘書官か経理かな。計算得意だし」


「わ、私はいかがでしょう?」


「私は?」


 真剣な顔で口々に女の子達が聞いてくる。私はしばらく知っている限りの情報でクラスメート女子の向いている職業を答えた。なんでガールズトークからこんな話になったんだ?


 余談ですが、多分…多分この話のせいではないと思いたいけど私が職業を答えた女の子達は大半がその通りの職業につき、晩婚でした。わ、私のせいじゃないよね!?

 本人に自覚はないけど絶大な影響力を誇るロザリンドさん。クリスティアはまだ女性が働くのは珍しいのでロザリンドの女性が稼いだらいんじゃない?発言は本来あり得ない発想でした。

 まぁ、ロザリンドのせいではないですが、確実にきっかけになったと思われます。ラビーシャもこの話の後から外国語を勉強しはじめたりします。

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