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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド7歳・ウルファネア殴り…訪問編

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王様と私と毒

 時間は少し遡る。医務室内でカビを指摘した兄。

 兄が私にアイコンタクトをしてきた。私は頷き風魔法を展開する。本当なら遮音結界を使いたいが、下手に遮音してしまうと痛くもない腹を探られかねない。絶妙に聞き取れないが会話をしているように微風で音を阻害する。


「しかも、コレ。こんな異物を使うんですか?」


「コレ、毒ダ。カミナリフグ草ダ」


 兄の肩からマンドラゴラ君がひょっこり顔を出した。人参に手足をつけたような身体。頭に白い花を咲かせている。最初は普通のマンドラゴラだったが、兄が肥料とかをあげたり色々した結果、自分で歩き回り知能も異様に高いマンドラゴラ君となってしまったのだ。マンドラゴラ君は毒を判別出来る。本人いわく、微妙に精霊化しているらしい。


「この薬草は、国王陛下に使用しているモノですね?獣人の医師は嗅覚がいいからよく見ないで調合してしまう。しかもこの国は皆嗅覚がいいから毒味もしない。この毒は無味無臭…混入するにはうってつけですね」


「わ、私は陛下に毒を盛ったりしていない!」


「「でしょうね」」


 私も兄も、トサーケンさんが犯人とは思っていない。犯人なら渡す時にはカミナリフグ草が入ってないモノを出すはずだ。


「ここに頻繁に出入り可能で、薬棚付近に近づいても怪しまれない人は?」


「…1人だけ」


 なるほど。どうせなら、釣るかな。


「トサーケンさん、知らないふりはできますか?貴方に害意がなくとも国王に毒を盛る手伝いをしたことになります。犯罪者になるか、協力者になるか決めてください」


「…友人、なんだ」


「しかし、貴方に罪を着せようとした相手ですよ?」


「…考えさせてください」


「あまり時間はさし上げられません。いい返事を期待しています」


 私と兄は調合を済ませ王様に薬を飲ませた後、ジェスに報告に行きました。






「予想通りでしたよ」


 ジェスは苦い顔だ。そもそもこれはウルファネアのお家騒動なのだ。


 現在のウルファネア国王には3人の子供がいる。

 正室が母の長男ジェラルディン=ウルファネア。

 側室が母の次男ジューダス=ウルファネアと三男ジュティエス=ウルファネア。


 ここで面倒なのは、うちの脳みそ筋肉英雄が正統後継者なのに窮屈な王室を嫌い継承権を放棄して家出しやがったこと。本人が不在なために派閥がやれ第2王子が迫害したからだの好き勝手言っているのだ。脳筋なジェラルディンさんに迫害されて家出するような繊細さはないだろう。さらに側室が異種族で王様のつがいだったこと。どちらが後継者にふさわしいかで勝手にもめているわけだ。

 ちなみに第1王子派はずさんな管理で甘い汁を吸っている奴らと純粋に強さに焦がれる脳筋。第2王子派は文官タイプが多いらしいが…この国では少数派である。ジェスは外見が成長しないこともあって除外されている。

 多分王様が邪魔なのは第1王子派なんじゃないかな?王様は継承権を捨てたジェラルディンさんを無理に王様にしたいとは考えてないらしいし。これ以上は内政干渉だから私達の領分ではない。


「後はジェスに任せるよ」


「ああ…」


「でもね、相手から仕掛けてきた場合は全力でお相手するから」


「ロザリンド、何か悪戯を思い付いたんだね?確かに、知識を悪用する輩は僕も許しがたいけど」


 兄はやはり私の兄である。2人でにんまり笑って見せた。


「まぁ、ほどほどにな」


「相手次第ですね」


 ジェスの疲れきったため息は聞かなかったことにした。後で胃薬と毛はえ薬を差し入れたら叱られました。解せぬ。

 ちなみにロザリンドと兄は王様を診る前から毒を疑っていました。お馬鹿さん達をしめるのはまだ先になります。


 次はせっかくなのでロザリンドに旅行を楽しんでもらう予定です。

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