絶望をぶち壊せ
作者はアホなのでこの回が書きたくて書きたくて仕方がありませんでした。
指輪のパワーアップもこの回のための布石です。
合言葉はやっぱりどうしてこうなった!?でよろしくお願いします。
私達は即座に兄やアルフィージ様達と合流した。兄達やクラスメートはお城でウルファネアの歴史を聞いたり、普通にお勉強してました。
「緊急事態です!大海嘯が来ます!ざっとの見積もりですが、数は1万!大規模なものと思われます!」
私の言葉にウルファネアの騎士達は慌てた。ちょっと…ありえないんだけど!私は叫んだ。
「オロオロする暇があれば責任者呼んで来い!打開策がある!」
私の一喝に慌てて走り出したウルファネアの騎士達。アルディン様が私を見た。この状況で怯えない精神力は素晴らしい。他のクラスメートは真っ青になって怯えてますよ。アルフィージ様と兄は緊張したご様子です。
「…ロザリンド、この国を救えるか?」
「………んー、多分できます。手段を選ばなければ」
「…公爵令嬢ロザリンド=ローゼンベルク」
「はい」
「手段は問わない。ウルファネアを救え」
「…わが君の御心のままに」
「アルディン!?」
アルフィージ様が慌てる。珍しいな。でも気持ちは分かるわ。私に全権あげたようなモンだからね、今の発言。でもゴチャゴチャ言ってる時間はない。時間との勝負だ!私は通信の魔具を取り出した。
「強制通話!騎士ルドルフ!」
「嬢ちゃんか?どうした?」
「ルドルフさん、ウルファネアで大規模な大海嘯が起きました。王子2人が危険です。騎士団全部隊の緊急出動を要請します!」
「…分かった。だが今からでは…」
「賢者の転移魔法陣なら数時間で行けます!手配しますので貴方は出動準備を!」
「了解!」
「強制通話!賢者!」
「嫌な予感しかしないんだけど…何の用?」
「ジジイ!実験のチャンスですよ!ウルファネアに飛ぶ大人数長距離転移魔法陣使用が出来ます!」
「その話、乗った!!」
ジジイはオッケー!次!!
「強制通話!自由な風!」
「緊急事態です!冒険者ギルドと英雄に緊急特殊任務要請を!そして貴方方は転移の魔石で準備出来次第来て下さい!」
「分かった!」
さて、クリスティアはこれで大丈夫。後は援軍が来るまでの足止めと時間稼ぎですね!
「責任者を連れて参りました!」
あ、この騎士私がさっきシバいた人だ。責任者…ジェス!?しかし責任者だと言うならそうなんだろう。私は大まかに状況を説明した。
「クリスティアに借りが…などと言っている場合ではないな。心から助力に感謝する」
「私ではなく我が君に。彼の命令ですから」
「困っているなら助けるのは当然だ」
うん。アルディン様は安定の白さです。若干ジェスが怯んでます。当たり前だけど、国家とかが絡むとなかなか難しいんだよね。
さて、怯えてテンションが下がりまくった騎士を鼓舞するかね。私は城の中庭に出た。
「ハル、久々に拡声魔法よろしく!」
「はいよー!」
ハルの魔法で私の声が城に響く。
「皆さん、よく聞いてください!魔物の大群が押し寄せています!しかし、恐れるな!勝てば焼肉食い放題ですよ!!」
「…焼肉?」
誰かの腹の虫が鳴った。やっぱり騎士達も満足に食べられてないんだね。
「そう、あれだけ大量の魔物=大量の肉ですよ!倒せばたくさん食べられる!食べ放題も夢じゃない!」
「にく…」
視界の端で笑いの沸点が低めな元暗殺者達が爆笑していた。いや、多分1番効果あるって!
「皆さん、今宵は肉祭です!肉汁滴らせますよ!それ、
にーく!にーく!」
「やるぞ!」
「肉!!」
「にーく!にーく!」
ウルファネアの騎士達はやはり単純でやる気…いや、殺る気を取り戻してくれた。ちょっと目が血走ってて怖いけど…結果オーライ!中庭に肉コールが響き渡った。
更に騎士達のテンションを上げるため、私は婚約指輪を発動させて白銀のドレスを纏い、私の指輪を最高出力で作動させた。
そこで私は盛大にやらかした。
どうせなら、派手なのをとか…魔がさしたんだよ!!余計なこと考えちゃったんだよ!!
「ロッザリンドォォ!!」
虹色の光が溢れ、ガン○ムと騎士を足して割ったみたいな巨大ロボットが現れてしまった。美しい白銀のボディに優美な紋章が入った騎士のように武装した巨大ロボットである。青いマントがカッコイイ。
ああああああもおおおお!!ツッコミ追いつかない!
これファンタジーだろうが!ファンタジーどこ行った!?SFはお呼びじゃないんだよ!
私の妄想力が憎い!やらかした!やらかしたよ!
つうかロッザリンドォォって人の名前叫ぶなよ!
いや、認めよう。
チラッとガン○ムみたいなのとか、連○の白い悪魔強そうとか思っちゃったのは私です!!あんな大群普通の武器じゃ無理だもん!!バズーカ程度じゃどうにもならん!
出たものは仕方ない!私は結構魔力を消費したので魔力ポーションをがぶ飲みしつつ、英知のサークレットを装着してロボットの肩に乗った。名前何にしよう。とりあえず元戦乙女の指輪だから、ヴァルキリーでいっか。
「ヴァルキリー、アーチャーモード!!」
「ロッザリンドォォ!」
その掛け声どうにかなんないかな。ぜひ止めてほしい。私のテンションが超下がる。
逆に騎士や男の子達は羨望の眼差しだ…男の子ってこーゆーの好きだよね。やめろ。キラキラした瞳で私達を見ないでください。
私のイメージ通りにヴァルキリーは巨大な弓を出現させ構えた。
「全魔力を解放。全属性増幅開始!」
いや、チャージに時間がかかるが凄い。私の魔力と完全に同調して増幅している。
チャージしてる間に肉が消し炭になると嫌なので出力調整。広範囲に設定。更に人間は居ないかチェック。うむ大丈夫。
「唸れ、私の中二病!!撃てぇぇぇ!!」
「ロッザリンドォォ!!」
私のテンションは下がりまくったが、虹色に輝くの魔法の矢はきちんと私が考えた通りに炸裂して、大海嘯の3分の2が肉になった。もう一度言う。3分の2以上が肉になった。
「…おうふ」
なんというオーバーキル。魔力消耗は凄いが、威力も凄すぎる。
「ロザリンドだけでいんじゃね?これ騎士団とか要らなくね?」
流石はKYK(空気読めるけど気にしない)男、カーティス。言ってはならんことをアッサリ言いおった!!
「そ、そんなことないもん!魔力ポーションの飲み過ぎでお腹がタポタポになるよ!結構疲れるし!」
「……それだけなら別によくね?」
身も蓋も無いKYK。空気読め!
「……………うん。けど、大半は仕留めても残りの始末があるからさ…」
「まぁなぁ。で?司令官様、次はどーすんの?」
「もー1発足止めの魔法撃ったら残党狩るよ!ディルクとカーティスは私と来てね。アデイルとヒューは殿下達の護衛を続行!皆は怪我人が来る可能性が高いから、救護をよろしく!先生は皆を指揮してくださいね」
皆に指示をだしていると、ジェラルディンさんと自由な風が来てくれました。
「主、状況は?」
「姫さんはなんつーか…大海嘯に遭遇するとか流石だな」
「人が大海嘯起こしたみたく言わない!ジェラルディンさんは使いたくありませんでしたが、この状況ですから仕方ありません。ジェラルディンさん、私の知る未来では貴方はここで死にます。ですが私が数を大幅に減らしましたし、未来と違い貴方は独りではありません。主として、貴方に命じます。どんなに惨めであろうとも、何を利用してもいいから生きろ。貴方の死を悲しむ者がいる限り、生きろ。死んだらルーミアさんとジェンドと、私が大号泣する。貴方の死で私達が不幸になることを、忘れるな!」
「我が主…必ずやご命令を果たします」
「ディルクとカーティスはジェラルディンさんが前に出すぎないようフォローよろしく!」
「「了解」」
さて、足止めに魔法を撃つかとヴァルキリーに乗ろうとしたら、ジェスが叫んだ。
「ロザリンド!すぐ出撃してくれ!ユグドラシルが危険だ!」
「え」
英知のサークレットで探す。エルフ村より小さな木だから気がつかなかった!これじゃ危なくてヴァルキリーでの遠隔攻撃もできない!
「アルフィージ様、このサークレットと通信魔具を貸します!指揮はよろしく!アルディン様はアルフィージ様のサポート!」
「任されたよ」
「分かった!」
「ロザリンド、どうか無事で」
ミルフィが涙目です。私はミルフィをギュッと抱きしめて笑いかけました。
「もちろんです!ディルクも居ますし、私が負けるなんてありえません!帰ったらガールズトークですよ。今夜は寝かせませんからね!」
「待ってますわ!約束しましたからね!」
「はい、必ず!さぁ行きますよ!ジェラルディンさん、騎士達に号令を!」
「うむ」
ウルファネアの騎士達は、自国最強の英雄を羨望の眼差しで見ている。こら!さっき私が書いたカンペをチラチラ見んな!しかし、声は威厳に溢れて素晴らしい。
「勇敢なるウルファネアの騎士達よ!我が国を救うため、我に続け!!」
歓声が上がり、ウルファネアの騎士は完全にテンションMAX!狙い通りです!
「おおおおお!」
「英雄様と神の使いを従えた聖女様が居るんだ!勝てる!」
ん?
「我々に勝てば肉祭だと示した聖女様が居る!」
待て。嫌な予感しかしない。
「聖女様に続け!」
「ハルさんや、拡声魔法…」
「…わざと騎士のテンション上げたのに自分で下げるのか?」
「……後で絶対修正してやるぅぅ!」
私の悲しい叫びに元暗殺者が爆笑してました。聖女になんかならないからね!
「全軍出撃!!」
私のテンションは下降しまくりですが、ジェラルディンさんの号令で出撃です!
ロザリンド、いっきまーす!!
キリがいいのでいったん切ります。次回に続く。
作者がやりたかったのは、ロザリンドロボネタでした。自分でもアホっぽいと思ってます。後悔はしてません。




