獣性と下着とストライク
下着ネタが微妙に続いてます。すいません。
今度はロザリンドも大変なことに!
ディルクをどうにか宥めることに成功した私とカーティスは帰宅しました。
カーティスは夕食を食べたら帰りました。次は肉じゃが食いたいと言われました。本っ当に好きだね!肉じゃが!
お風呂に入る前、私は下着を前に思案していました。ディルクの好みかぁ…
「これかな…」
チョイスしたのは白地に青いバラのレースを施した上下セットの下着。ビスチェ風のキャミソールは透けていて、胸元のリボンがアクセント。リボンの下は割れておへそがチラリと見える感じ。
多分ディルクの好みは清楚可愛い系統…かな?服の好みから選んだけどどうかなー。結局ディルクの下着の好みは聞けなかったなぁ。ぜひ知りたかった。上からバスローブを羽織り、いざ勝負!
ディルクは私の部屋で居心地悪そうにしていた。ディルクが着ているパジャマは私が手を血まみれにしつつ刺繍したものです。
「ディルク、ぎゅー」
「うん、ぎゅー」
ディルクは優しく抱きかえしてくれる。幸せー。ベッドでぎゅーっとして甘える。
「ディルク、大好き」
「お、俺も好き…大好き」
「ディルク、もふもふしたいな。獣化出来る?あ、完全獣化練習しよっか」
「うん」
フカフカな黒豹姿です。優しく顎をナデナデします。
「ふみゃあ…ゴロゴロ…」
「可愛いなぁ。は!肉球!」
「ふみゅ…ん?ああ。完全獣化だからね肉球ぐらい…」
ふにふにふにふにふにふにふにふにふに…めっちゃ肉球を楽しむ私。うわぁ…ふにふにです!私の新たなフェチを目覚めさせるなんて、ディルク…恐ろしい子!
「…楽しい?」
「すごく」
肉球をふにふにムニムニしまくる私。ディルクは嫌ではないようで、そのまま好きに触らせてくれた。ディルクが私にスリスリしてきた。
「ふふ、くすぐったい」
「…ロザリンドは俺が完全獣化しても怖がらないね。ロザリンドは、この姿の俺も好き?」
「大好きです!」
私は迷いなく、満面の笑みで答えた。
「今日、ね。完全獣化して戻れなくなって、ロザリンドが…当たり前だけど俺だって気がつかなくて…俺、本当は昔から完全獣化できたんだ。でもクラスの子に気味が悪いとか、怖がられて、嫌われて…それを思い出したら怖かった」
「そんな嫌な思い出があったのに、どうして封印を解いたの?」
ディルクは私を抱きしめた。いつもの彼の姿で。
「強くなりたかった。ロザリンドなら、俺が完全獣化したって嫌わないと思った」
「むしろ大好きですよ?完全獣化姿も綺麗で可愛くて素敵です」
ちゅ、と私にディルクはキスをした。
「うん。俺が勝手に不安になっただけ」
ああ、この表情が好き。たまらない。ずっとそうして私の隣で微笑んでいて欲しい。
「じゃあ、私が完全獣化のディルクもめちゃくちゃ可愛がってあげます。不安になんかならないぐらい、幸せで上書きしちゃいましょう」
「うん」
ディルクは完全獣化して私に身を委ねた。私のゴールデンフィンガーの出番ですね!
「可愛がって…」
私にスリスリする黒豹を全力でもふりました。私も幸せ、ディルクも幸せ!良いことずくめです。
「みゅう…ふみぃ…んん…ロザリンド、大好きぃ…」
「か、かかか可愛いぃぃ!わ、私も大好きだよ!もう一生放してあげないから!」
萌え過ぎて死ねる!私に身を委ね、甘えて擦り寄るディルク。胸キュンどころかドッキュンドッキュンしてますよ!!(意味不明)
私の束縛発言に、ディルクはトロンとしながらも言った。
「放さないで…みゅう…離れたくないよぅ」
ちょっと!今日のディルクさんたら甘えん坊なんだから!可愛いすぎておかしくなりそうなんですけど!
「私もだよ!ディルク大好き!愛してる!」
「うん…みゅう…俺もあいしてる…すき、すきぃ…」
私をペロペロするディルク。甘えん坊なマイダーリンは無敵です!いやもう私、ディルクが好き過ぎて本当にどうしよう!この衝動をどうしたら!!
しばらくイチャイチャもふもふしまくり、私は大満足。ディルクは正気にかえってめちゃくちゃ挙動不審になってます。
「ディルク!私ね、甘えてもらえて嬉しかった!」
「忘れて!」
「嫌。心に刻み込みます。永久保存です。もっと甘えてもいいですよ」
ギュッと抱きつき、顎をスルリと撫でるとディルクは顔を真っ赤にした。
「た、たまに…ね?普段は俺に甘えてね」
「はぁい。じゃあ次は私が可愛がってもらう番ですね!」
「そうだね」
私を膝に乗せ、優しくナデナデされる。幸せだなぁ。あ、そういや下着…思い出した私はディルクの膝からおりて彼の前で膝立ちになり…するりとバスローブを脱いだ。
「へ?」
「どうです?この下着は好みですか?」
ちょっと恥ずかしいので胸元をおさえて照れつつ聞いた。ディルクは真っ赤になって硬直している。
「う…あ…すごく、魅力的…あああ、もう駄目だ!もう我慢できない!」
「え?」
今まで私が上になっていましたが、視界が反転して押し倒された姿勢に。そしてディルクから漂う色気。こ、これは…やり過ぎた?
「ロザリンドはこんなおいしそうな格好して、俺に食べられたいの?」
「ひあ!?」
ペロリと頬を撫でられた。ええ!?興奮してるのに完全獣化しない!?魔力がコントロールされてる!
「この下着が好みか…か。好みだよ。俺の理性をズタズタにするぐらいに可愛くていやらしい…こんな格好で誘ってどうするつもり?」
つつつ…とおへそを撫でられる。くすぐったいしゾクゾクする!ヤバいヤバいヤバい!!
久しぶりにセクシーディルク様がおいでなすった!
「ええと、誘うと言いますか…下着の好みが知りたくてですね?」
「夜にベッドで自分から服を脱いで下着姿を恋人に見せておいて、誘ってないなんて言わないよね?」
ディルク様のフェロモンにあてられて、動けない私。しかもディルクの言い分が正しい。完全にアウトです。誘ったとしか言いようがない。
「い、言いません」
「嬉しいよ」
妖艶に微笑むセクシーディルク様にディープキスをされ、それはもう最後まではしてませんが、手前まではされました。いやもう凄かった。ディルクはテクニシャンです。濃厚な攻めでした。
翌朝。
「申し訳ありませんでした」
「え?」
モーニング土下座は寝起きにされるとキッツイです。寝起きは頭が働かない。目覚めたら下着姿の恋人に土下座されている私。なぜだ。
「き、昨日無理矢理その…身体を…」
「そこは合意の上ですから謝罪は不要です。夜に、ベッドの上で、恋人に下着姿を見せるとか完全に3アウトですから。それより私の下着姿はいかがでした?ストライクだったから襲ってくれたんですよね?」
「うん。確かにどストライクでした。凄まじい破壊力でした。一撃で理性がプッツンしました」
「えへへ」
「嬉しそうにしないの!あああもう…可愛いんだから!」
「カーティスは、さ?」
「ん?」
「襲いかかったら嫌われるとか言ってたけど、それで嫌うはずないじゃん。確かにフィッティングルームでされるのは困るけど、私はディルクにされて嫌なのは浮気だけだよ」
「…聞いてたの?」
「てへ」
「うう…それであんなことしたの?」
頭を抱えて丸くなるディルク。どうでもいいが、彼は自分が今下着姿だと解っているのだろうか。チラリと見えたらいけない部分が見えるんだけど。
「…半分は、そうだね。もう半分は未来の妻として好みの確認をしたかったからかな」
「脱ぐ必要は無かったよね!?」
「後はアワアワするディルクを見たくて。まさかの理性崩壊でした」
「愉快犯!体をはってまでからかわない!」
「お断りします。私の生きがいですから」
「真顔で言わないで!」
「ところでディルク」
「何?」
「昨日の甘えん坊といい、理性崩壊といい、魔力が不安定になってるのに引きずられてない?」
「う…確かに我慢がしにくくなってる。ただでさえ最近獣性が強くなってるせいか理性がきかないときもあったのに、さらに酷くなってる気がする」
「たまにスイッチ入って私をアワアワさせるのは、そういう時?」
「多分」
つまりセクシーディルク様は獣性が強くなった結果、理性が負けるとああなるわけか。
「わかりました。魔力が安定するまでは過剰な誘惑は控えます」
「いや、普段から控えて!身がもたない!!」
「やだ。ディルクをドキドキアワアワさせたい。…お願い、ディルクぅ」
必殺!涙目上目遣いおねだり!!
「…た、たまににして」
ディルクは折れた!こうかはばつぐんだ!さて馬鹿なことしてたらそろそろマーサが来る時間です。私はバスローブを着せられていたので大丈夫だけど、ディルクはまずい。
「ねえ」
「ん?」
「服着ないの?素晴らしい眺めなんだけど、見えたらまずい部分もさっきからチラチラ見えてるよ」
「早く言ってよ!!!」
「あ」
本日最大の叫びと共にディルクが完全獣化しました。獣の手では服が着れないので、私が着せてあげました。
下着ネタは終了ですが、魔力の不安定はまだ続きます。