黒豹との戯れ
今回若干…いやかなり下ネタです。嫌いな方はスルーでお願いします。
ディルクが大変なことに!
いつものランチデートにて、ディルクとたまたま魔力操作の話になりました。
「そういえばさぁ、ディルクって魔力低くないよね。勘違いしてたよ」
「ふぇ?」
お口にモノが入っていたから発音がおかしいディルク。そんな所もぷりちーです。
「いや、よく考えたら獣化できるって事は魔力が高めなんじゃないかなと。ちょっと調べてみていい?」
「うん?いいけど…ってなんでボタン外すの!?」
「素肌を密着させた方がやりやすいんです」
ディルクの胸に頬を寄せ、手を当てる。心音速いなぁ。
「ふふ」
「ま、まだ?」
落ち着かない様子だけど、尻尾が私にまとわりつく。後でもふりまくると心に決めつつ、集中した。
「ディルク」
「ん?」
ディルクは私を撫で、髪を梳いていた。
「結論から言うと、ディルクの魔力はかなり高いです」
「は?」
「恐らくですが、ディルクは獣化されて恐れられるのを嫌がってました。だから無意識に魔力を封じて自分で使えないようにしたのではないでしょうか」
「えっと、つまり?」
「封印を解けば完全獣化も可能かと。解いていい?魔力コントロールが出来れば更に強くなれますし、魔法も使えますよ」
「じゃあ、お願いしようかな」
私は封印を解除し、簡単な魔力コントロール方法を教えました。ディルクはすぐマスターした。
そして、その日の夕方。帰宅した私にマーサがディルクが来ていると告げました。私の部屋に待たせているとのこと。自室のドアを開けた。
黒豹が居た。しなやかで美しい黒豹さんでした。ドアを閉めた。
ドアを開けた。やっぱり部屋には黒豹さんが居た。ドアを閉める。
私は背後のマーサに言った。
「ディルクは黒豹の獣人ですが、黒豹ではないと思います!どこから連れて来たの!?」
「ご本人がディルク様だと名乗られましたし、ディルク様の声でしたので…」
「早く言って!!」
私は慌てて部屋に駆け込む。私の部屋で黒豹がさめざめと泣いていた。
「ディルク!?なんで泣いてるの!?」
「ロザリンド…」
声は確かにマイダーリンですね。耳も尻尾もしょんぼりしている!
「ごめんね、すぐわからなくて」
「…ううん。何回やっても戻れなくて…どうしよう」
私は騎士服の上着とズボンを脱ぎ、タンクトップとスパッツ姿になりました。
「ロ、ロザリンド!?」
慌てるディルクに構わず、ベッドに座りディルクを呼んだ。
「おいで。多分戻せるよ。魔力を流すから肌が触れる面積が多い方がやりやすいんだ」
ディルクは私に近づき、チラチラと私の胸元を見ている。
「気になる?少しは成長したよ」
タンクトップを引っ張りチラッと胸元を見せる。
「み、見せないの!」
しかし尻尾は私の脚に絡んでいる。
「え?私魅力ない?ぺたんこな胸に興味ない?」
「あるけどやめて!完全獣化してるせいか、我慢がきかないから!」
「え?まぁ、私も初めては普段のディルクにされた「何の話!?」」
「…初夜?」
「この状態で煽らないで!頼むから!」
「…完全獣化だと大きいよね?見ていい?」
「絶対ダメ!!」
何をと言わずとも通じました。嫌がられたら仕方ない。
「ちぇー。じゃあギュウしながら魔力整えるからおいで」
「うん…ゴロゴロ」
喉鳴ってるよ。私の黒豹さんマジ天使。撫でながら魔力を整えていく。イメージは柔らかく全身を覆い、循環させる感じ。上手く流れ出した感覚と、腕と脚が毛皮ではなく素肌のなめらかさを感じ…素肌?
目を開けたら全裸のディルクがいました。俯せだから前は見えないけど、綺麗なお尻や尻尾のつけねもまる見えです。どうしよう。目の保養…ではなく、シーツを下半身にかけるとか、配慮が必要でしたね。あれですか、ラッキースケベ…ダメだ。脳みそが空回りしまくっている。背筋も綺麗触りたい…ではなく!
どうやってディルクに伝えるべきか…私が迷っているうちに、手が止まった事に気がついたディルクは自分の手を見て喜びました。
「戻った!」
見えました。バッチリと。
「ロザリンド、ありがとう!…なんでそんなに真っ赤なの?」
「そりゃ、いくら私でも全裸の恋人を目の前にしたら顔も赤くなりますよ」
「…ぜん、ら?」
恐る恐る私から離れて自分の下半身を確認するディルク。そして、彼を眺めつつ防音結界を起動する私。
「うわあああああ!?」
素早く布団にもぐるディルク。うん。素晴らしい眺めでした。ごちそうさまです。
「服はどうしたの?」
「騎士団に…というか、なんでそんなに冷静なの!?」
「裸なのをどう伝えたものかと考えたら邪念が混じったり、思考は空回りしまくったから冷静ではないかな」
「邪念?」
「具体的には、ディルクのお尻綺麗だな触りたいとか」
「頼むからもう少し隠して!正直すぎる!」
「触っていい?」
「だ、だだだだめ!!」
慌てて私から逃げるディルク。後ろに下がる際の、チラリズムが素晴らしい。
「あ、見えた」
「!?」
シーツをスカートのように押さえるディルク。動けないのをいいことに、押し倒した。
「ふっふっふ。観念しなさい、ディルク」
「ちょっと!?な、何を!?」
「身体をじっくりみせてもらいます」
「え?だ、ダメ!」
「なんで?また勝手に完全獣化したら困るでしょ?」
「………………え?」
「魔力がちゃんと安定してるか確かめないと」
ニヤニヤする私に、ディルクはからかわれたと気がついたようだ。簡単な言葉遊び。ディルクは顔を真っ赤にして叫んだ。
「ロザリンドのイジワル!!」
「あ」
また黒豹になっちゃいました。うーん。長年魔力を封印してたから、これは安定に時間かかるかな。
「ディルク、手伝うから自力で完全獣化を解いてみて」
「うん」
私の肩に顎をのせ、体重をかける。もふもふ…魔力を探ると先程よりは安定している。これなら焦らなければ…と思ったら、ディルクは普段の姿に戻った。
「戻れた!」
「今私は手伝わなかったよ。でも魔力が安定するまでは私が居た方がいいかもね」
「え?」
「長いこと封印してたのを解除したから魔力が不安定みたい。当面うちに居て。どうせ授業はでなくても大丈夫だし、書類仕事も補充人員居るから騎士団でも組ませてもらうよう話すよ」
「あ、ありがとう」
「いや、私が余計なことしたせいだし。とりあえず、服どうしようか」
「あ」
「服はあるんだけどね。獣化してもきつくならないように伸縮の魔法付与したやつが、普段着1枚、騎士服2枚」
「そうなの?」
「うん。頑張ったよ」
綺麗に浄化して洗ったけど、何度針を指に刺したことか…刺繍に対してなんか呪われてないかなぁ。
「え?ロザリンドが刺繍したの?」
「うん。頑張ったよ」
防音結界を解除し、下着は買いに行くかなぁと思案したところで、気楽な声がした。
「お、結界解けた。あれ?オタノシミ中?」
「ち、違うから!」
カーティスが軽い口調で私達をからかう。ディルクは真っ赤にして反論したが、彼は全裸だ。怪しいよね。
「カーティスはどうしたの?」
「あー、ロザリンドの反応からして違うんだ?ディルクが服とパンツ落としてたから届けに来た」
「おお、でかしたカーティス!ちょうどパンツをどうしようかと考えてたんだよね!」
カーティスから服と下着を受け取る。ボクサータイプの伸縮素材ですね。色は黒。
「2人してパンツ連呼しないで!というか、ロザリンドはそのパンツ返して!!」
「あ」
また黒豹になっちゃいました。興奮するとダメなんだね。
「とりあえず、脱げないようにこれにも刺繍するかな。ディルクはもう少しシーツにくるまっててください」
裁縫道具を取り出し、ウエスト部分に刺繍をする。
「あれ、意外に裁縫上手い…」
とカーティスに言われた途端、指に針が刺さりました。
「…大丈夫?」
「大丈夫。いつもの事です」
チクチクチクチクチクチクチクチク…ブスッ!
「ち…血が…」
「ロザリンド、ちなみに成功3着作るまでに何着ダメにした?」
「…20ぐらい?」
手元を真剣に見ながらひたすら刺繍していく。
「ロザリンドの母ちゃん刺繍上手いんだろ?頼まないの?」
「ディルクのパンツは誰にも渡しません」
カーティス、笑いたきゃ笑え。地面に丸くなってプルプルすんな。さすがに頼めないし、頼まないよ。仕方ないじゃないか。
「いや、確かに俺もロザリンド以外に頼みたくないけど…ロザリンドが痛いのは嫌かな…」
「じゃあ、後で下着買いに行きましょうね」
「なんでそうなるの!?」
「この様子だと数日…長くて1ヶ月は魔力が不安定ですよ。毎回パンツ脱げたら困るでしょ。予備は必須です。あと、ディルクの下着を選びたい」
「なんで!?」
「素材によって刺繍しにくい」
「…本音は?」
「恋人が私の選んだ下着つけるとかいいなぁと」
「ぶははははは!正直!」
しまった、カーティスの誘導にひっかかってしまった!ディルクの反応は…
「ろ、ロザリンドがどうしてもって言うなら…きわどいのとかはやめてね?」
乙女か!もじもじと恥じらいながらオッケーが出ました。そんな漫才してたら、刺繍完了。
「はい、できた」
血まみれなので浄化魔法で綺麗にして渡しました。ついでに刺繍した服も出して渡しました。
「ありがとう…着替えるから後ろ向くか出てくれない?」
「いいじゃないですか、減るものじゃないし」
「俺は別に平気だろ?」
「カーティスはともかくロザリンドは出て!」
「カーティスがよくて未来の妻がダメなんて、浮気ですか?」
「違うのわかっててからかわない!カーティスも息できなくなるまで爆笑しない!」
「ディルク、あまり興奮すると…」
「「あ」」
また黒豹になっちゃいました。
「ロザリンドとカーティスのばかぁぁぁ!!」
結局この後、自力でディルクは普段の姿に戻り、無事服を着ることができました。
長くなったので切りますが、まだ続きます。