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ジャスパーの死
珍しくシリアス展開です。ウルファネアの誰かさん視点となります。
ジュティエスとジャスパーはユグドラシル休止を打開するため、クリスティアのエルフ村に立ち寄った。その途中、森で巨大な蛇モンスターにジャスパーは喰われ、追いかけたが蛇は飛んで逃げ、見失った。恐らくは助からない。
ジュティエスは泣きじゃくり、護衛の報告も同様だった。間違いはないだろう。
更に、呪いの気配が消えていた。ジャスパーは死んだのだろう。都合よい駒だったが、仕方ない。
ジャスパーの葬式は静かに行われた。あれの死を本当に悼むものはどれだけいただろうな。
呪いの子。居るだけで無意識に呪いを撒き散らす。母はあれをクリスティアにやると告げたら、晴れやかに微笑んだ。
母に疎まれ、父に捨てられた哀れな子供。
親も愛されない、見向きもされない悲しい子供。
そう、私のように。せめて私は悼んでやろうと、夜空を見上げた。




