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職員室…じゃなかった謁見の間に来なさい。

 とりあえずアークの分もお茶をいれて、ほのぼのティータイムをしていました。


 ノックと共に身なりのいい貴族の文官さんが入室しました。


「さ、さささ宰相様におかれまちては…おかえまして…国王陛下がお呼びです」


 2回も噛んだうえ諦めたよ!大丈夫かな、この人。


「断る」


「「え」」


 文官さんと私がハモりました。え?国王陛下、1番偉いんだよね?しかも今仕事無いのにいいの?おまけにお呼びだしされる心当たりが、今日だけで少なく見積もっても3件はありますよ??


「忙しい。陛下に用があるなら自分から来いと伝えろ」


「えええええ」


 文官さん、涙目。仕方なく加勢することにした。


「とうたま、いこ?」


 父の服の裾を掴んでクイクイ引っ張る。


「ね?」


 首を傾げる。


「うむ。仕方あるまい。貴様、案内しろ」


 父、陥落。

 アーク、笑いすぎて痙攣しない。

 文官さん、気持ちはわかるけど拝まないでください。私にご利益はありません。


 さて、重厚な扉をひらくと、一際きらびやかな謁見の間です。ゲームでも見たわー。あ、この絨毯の刺繍スゴイ。


 朱色の素晴らしい刺繍が施された絨毯の先にはRPGにありがちな玉座がある。座ってるのが王様かな。


 王様若いなー。ゲームはこれから13年後からのスタートだから当然だけど。

 あ、聖獣様発見!隅っこのクッションがあるスペースでひなたぼっこしてらっしゃる。私もぜひ参加したい。


「よく来たな」


「仕方なくな」


 父、正直だな。この2人幼なじみなんだよね。あ、アークもだから3人?仲は良くなさそう。


「手短かに言え」


「昼、多数の部署から苦情が来た」


「娘が迷子になり探していた」


 すいません、はぐれた上にもふもふに目が眩んで…いや、聖獣様が立派な毛並みなのも悪いんですよ!


「…風魔法による書類運搬はともかく、サボテンによる運搬で苦情が殺到した」


 やっぱり。そんな気はしてたよ。


「運搬に文句があるならその分人員をよこせ。私が何ヶ月まともに仕事が終わらない状況か把握しての言動か?」


「……お前の職場に人員派遣はしたが、お前にも問題はあるだろう」


「軟弱な文官が悪い」


 うん。双方退かず、平行線です。私の出番かしら、と発言しようと思ったら聖獣様が近寄ってきた。


『大人の話は退屈だろう。共に昼寝するがよい。先程から眠いのだろう。幼子は昼寝するものだ』


 なんて気が利く聖獣様でしょうか。ついでにもふもふもよろしいですか?喜んで一緒に昼寝したいけども、さすがにまずい。


「ねむいのですが、わたしがきほんとうじちゃなので…」


「は?」


「おうたま、はじめまちて。ロザリアともうちまちゅ」


 淑女の礼をとりつつ、更に告げる。


「あのサボテンたんは、わたしのせいれいスイがちょうかんちていまちた。とうたまはわるくないです」


 父はため息をつくと私を撫でた。その瞳はとても優しい。


「許可したのは私だ。ロザリア、眠たいのか」


「あい」


 やばい、自覚したら本当に眠たくなってきた。いつも寝てる時間だもんね。ふらふらする。


 何かに引っ張られ、ぽすりともふもふに顔を埋める私。聖獣様にしっぽで引っ張られて聖獣様の上に倒れ込んだ模様。

 やばい。ぬくい。しかも極上布団の匂い。もうだめだ。


 すでに眠気が限界だった私は、あっという間に意識がなくなり眠ってしまった。

 良い子のロザリアはお昼寝タイムのため、次話はアーク視点となります。


 出来る従者は黙っていますが、内心はツッコミの嵐だと思います。

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ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
― 新着の感想 ―
かわいい〜舌足らずなようじょカワイイ〜
[一言] 11 >>「ねむいのですが、わたしがきほんとうじちゃなので…」 ぼーっとしながら読んでたら 眠いのですが私がほんと宇治茶なので…… に空目してしまった><
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