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プロローグ 夢使いのさだめは
――其れは、哀しき夢の物語。
この世には、夢を果たせずに死んでいった、たくさんの「思念」があった。それらは成仏できずに、生と死のはざまを漂っている。
フェレンという少女がいた。彼女は生まれながらにして、「思念」を見、対話する力を持っていた。
ゆえにだろうか、彼らの果たせなかった願いを、自然に引き受けるようになった。悲しみや怒り、憎しみや憤り。人の持つ負の感情を、たくさん請け負って。
その特異な生まれつきにより彼女は。修羅の道を歩む運命。
世にも稀なる「夢使い」として、相棒ユグドとともに、世界を渡り歩き、「思念」を浄化する。
哀しき夢の物語が、始まった。
ここはオープニング部分です。まだ続きます。