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ケーキなボクの冒険  作者: 丸めがね
紅い髪の少年ロック、エリー姫の秘密
95/207

その95 成功率100パーセント

その日の夜。リーフとクルト、ロックは馬小屋の二階のリーフの部屋にいた。


「へーっ!馬小屋の二階ってこうなってるんだぁ!」

物珍しいらしく、ロックははしゃいでいる。

「あっ、ロック、気を付けて!」

ロックはすでに馬小屋の二階に上がる階段で一回こけていて、今は手に持ったコップをズボンに落とす寸前だった。

「ロックはホント・・・ドジだなぁ。ボクも結構ドジな方だけど、ロックよりはましだよ。」

リーフはあきれながら、ロックの階段からこけてできた切り傷の手当てをしている。


でも、ロックの明るさが、暗くなっていた心を救ってくれた。


「ねえリーフ」

「うん?」

「ブルー王に、されちゃったの?」

「はいっ?!」

率直すぎる質問に固まるリーフ。横に座っているクルトの顔が見られない。


「されたっていうか、されてないっていうか、え~と、う~んと、入ってないっていうか・・・って何言ってんのボク・・・・!」

顔が火のように真っ赤になる。ロックはケラケラ笑った。

「はは・・・。リーフは馬鹿正直だねぇ。うん、でもそういうとこ好きだよ!」

素直過ぎて怒る気にもならない。


「えっ、まって、ロック。もしかして、あの時・・・見てたの?」

「ん?見てないよ。でも、落ちてた王のマントを見た!ということは・・・そして君は裸、クルトもマントを付けてない・・・・などなどからチーン!

この世は推測と仮説と計算で出来ているんだよ、リーフ!」


よく分からないことを言い始めるロック・・・。

「そういえば、もう一つ推測があるよ!クロちゃん、きっと何か毒物を食べたよ!

ボクが森で見つけた時、何かを吐いてたもん。体がダメなものを追い出すような吐き方だった!」

「毒?そんな、クロちゃんにはいつものご飯をあげてるし、外に出た時も変なもの食べないかすごく注意して見てるし・・・」

ハッと気づいた。クロちゃんはエリー姫の食事を食べたから叱られて逃げたのだ。

もしかして・・・


「まさか、エリー姫の食事に毒が?」

「そんなバカな。姫様のお食事は、ツバサの国の母女王がご用意された特別な物だけなんだよ。」

クルトは否定したが、

「でも・・・、たしかにエリー姫が彼女だけの特別なお茶を飲むとき、すごくつらそうな顔をしていたのが気になってたんだ。

う~ん、調べたいなぁ・・・。どうにか、姫様の食事かお茶か、手に入らないかなぁ・・・」


「ボクの計算では、ボクなら手に入れることができるよ!」

ロックが二人の間に入ってきた。

「ほんと?!」

「実は明日、エリー姫にお食事を誘われたのです。リーフが欲しいっていうなら、そこでちょいともらってくるよ!」

「やった!ありがとうロック!」

「ボクの計算では、リーフがキスしてくれたら成功率が上がるんだけどな~」

リーフが困っていると、ロックはまたしてもケラケラ笑った。

「ボクの計算では、リーフが困ってキスできない確率100パーセント!当たりだね!」


そういうと、パッとリーフの前に立って自分からキスをした。

変な話だけど・・・ものすごく上手なキスだとリーフは思った。思わず拒むのを忘れてしまった。

「ボクからキスしたら成功率100パーセントだよね!・・・上手でしょ?」

どこかで見たような笑い方でニヤッとする。

「ううう・・・うそでしょう、もう・・・!ロック、きみいくつなの・・・?!」

「12歳!!」


紅い髪の少年はリーフより3つも年下なのだった。




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