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ケーキなボクの冒険  作者: 丸めがね
竜の舌の洞窟へ。シロクマのベイド、赤のドラゴンの欠片とは
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その78 ブルー王の帰還

リーフはシロクマのベイドの傷の手当てをしている。


だけど、なにせ彼の体は毛むくじゃらなので、傷口がよく分からなくて苦戦していた。

フワフワの毛をかき分けると血が固まっているところがいくつもある。1つ1つ丁寧に探していった。


「最後はここと、この辺りかな・・・。とりあえず、薬を塗って、包帯を巻いておくね。傷が深いから、お城に帰ったらお医者様に診てもらって。」


傷の深さはベイドの本気を表していた。


「かたじけない、リーフ殿・・・」

すっかりしょぼくれているベイド。そんな様子なのでほっとけなくて、ほかの兵士が傷の手当てをすると言っていたのを、リーフが無理に変わってもらったのだった。

男らしさや強さ、体力的にはダメダメなリーフだったが、お菓子作りが好きなだけあって手先は器用だ。

意外なことに酷い傷口を見るのは平気だった。

(自分がこの世界に来て結構ケガさせられたからかもしれない)

看護師さんになるのもいいな、とか思うリーフ。


「あのね、ボク、ベイドさんと話したいと思って。」

「私とですか・・・?」


「うん。だってもうあんな無茶されちゃ、困るもんね。

赤のドラゴンの欠片については、ブルー王がいい方法を知ってるらしいから、元気出して。」


ベイドの顔は少し明るくなった。

「なんとお優しいリーフ殿・・!ご自身もおつらかったでしょうに。私のことなど、お気になさらなくてよいのですぞ!」

感激でうるんだ瞳で見つめられて照れるリーフ。

「いや、そんなぁ・・・。それにしても、どんな方法だろう。簡単だといいなぁ。」

「そうですね。王のお考えは分かりかねますが、私が王ご一緒することに解決策があるなら、喜んで参りましょう」


ベイドとリーフはしばらくまったりとおしゃべりした。



翌朝、雪がやんだので早朝からリーフたちは城に向けて出発した。

今までベイドが守っていた”竜の舌の洞窟”は、数人の兵士がベイドの留守中、代わりを務めることになった。


雪山の道中、リーフはブルーの馬に一緒に乗せられた。

ブルーの大きな胸の中に包まれると、あの夜ことを考えてしまって息が苦しくなるほどドキドキしてしまう。


(薬で眠ってしまったから分からなかったけど、ボクはブルーにどんな風にされたんだろう・・・)

凄く聞きたい。けど聞けない。でも馬の上ならほかの人に聞かれないから、そっと聞いてしまおうか。

悶々とするリーフ・・・。


「寒くはないか」ブルーは時々やさしく声をかけてくれた。

「うん・・・・。あのう、ブルー。聞きたいことがあるんだけど・・・」


(あの夜・・・)と言いかけるが、やっぱり言えない。

「あ、あの、ブルーさんが言ってた、欠片を集めるいい方法って何?教えてほしいです」


「今はまだ、確かではないから言えないのだ・・・。が、リーフ、聞きたいことはそれではないのではないか?」

ブルーにはお見通しのようだった。リーフは顔を赤くしてただうなづいた。


「話してやってもいいが・・・。それより今夜、もう一度同じことをして教えた方が早いだろう。」

「えっ?!」


その時、雪道の前方からもの凄い勢いで駆けてくる、兵士を乗せた馬が見えた。

「王!我が王、ブルー王!急ぎお伝えしたきことああります!」


その兵士は王の数メートル手前で馬を降りてひざまずく。

「失礼いたします、ブルー王。ただ今お城に、ツバサの国の姫君、エリー様がおいでになっております!

どうぞ急ぎご帰還ください!」







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