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ケーキなボクの冒険  作者: 丸めがね
元に戻った朝、クルクルと城からの脱出、謎の男ブルー
66/207

その66 ブルーの怒り

リーフの口に何か熱いものが流れ込む。


それはのどを通って、胃に入っていった。


「ん・・・」


リーフが気が付くと、王子の腕に抱かれていて、口移しで何かを飲まされていた。


「?!」


「きつい酒だが、体を芯から温める。ちゃんと飲みなさい。」


さらに口移しされる。リーフはふらふらしながらもブルー王を押しのけた。


「ゲホッ、ゴホッ・・・。もう大丈夫ですから、自分で飲めますから・・・!」


ブルーは無言で自分の持っていた鉄のグラスをリーフに渡した。

中身は綺麗な茶色の液体だけど見るからに濃い感じのお酒。飲もうとすると目に染みた。

ブルー王がしっかり見ているので、仕方なくチビチビと飲む。

「うえっ・・」


リーフが渋い顔をすると、ブルーはフッと笑った。

「乙女は男子の前でそんな顔をしないものだよ。ああ、キミは純粋に女ではないのか・・・。

まあいい、その調子だともう大丈夫だな。」


気が付くとリーフは男子用のもこもこした服を着ていた。

荷物を限界まで減らした山の旅、女物のドレスなどなかったらしい。


(ということは・・・ボクはまた裸にされて・・ってことか・・・とほほ・・・)

まあ、今回は起きたら服を着ていて、しかも男物なだけましである。


「リーフ・・・お前がホシフルの王子にとってどれほどの価値があるかわかった。

その大事なものを奪ったら、さぞかし苦しむだろうな」


ブルー王はリーフを毛皮の上に押し倒す。

持っていた鉄のコップが倒れてお酒がこぼれた。

赤く燃える薪がリーフとブルーの顔を照らす。

ブルーの顔からはいつもの微笑が消えていた。


(怒り…?)


ブルーから何か怒りのようなものを感じる。リーフに滅茶苦茶にキスをして、せっかく着せた服を脱がし始めた。


「ボロボロになったお前をマーリンの前に突き出して地獄に落としたいものだ・・・!」


もはやブルーは正気でないように見えた。

「止めてください!」


リーフは手に届きそうなものをまさぐって探す。

薪の木が手に当たった。掴んで思いっきりブルーにぶつける。

ブルーは右手で受けたが、赤く火傷をした様だった。


ブルーの目が冷たくリーフを捉える。

リーフに馬乗りになって何度も平手打ちし、ぐったりしたところに覆いかぶさった。


抵抗をやめた手を払いのけ、ズボンを脱がせる。


リーフの白い太ももがあらわになった。


ブルーは腰を腹を、男の子の時とは違うところをまさぐる。

「やめて・・やめて・・・」


口の中が切れて血の味がするが、リーフは声を絞り出した。

すぐ横の炎の熱さと、お酒の強さと、殴られた痛みのせいで頭がボーっとする。


ブルーの手が、リーフの太ももに触れた。


「!!!」


妖精の婚印


それにブルーの指が触れた時、リーフの頭に何かわからない映像が流れてきた。


氷の大地、青い城、二人の人間。


それはブルーと見知らぬ女の人だった。



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