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ケーキなボクの冒険  作者: 丸めがね
中央の城、悲劇のララ
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46/207

その46 薔薇の城

「ララ?彼女?!」


リーフは突然聞かされる新しい事実にびっくりした。


「あっ・・・ていうか、彼女って、妹さんかお姉さんってことだよね?

さっき王には男の子しか生まれないっていったじゃない・・・?」


王子はスカーレットと目を合わせた。

言っていいものか悪いのか迷っているようだ。


「これには複雑な事情があって・・・、正確には、ララは男でも女でもない。

そして男でも女でもある・・・。」


「はい?」


「王子のご帰還だー!」

3人の会話を遮るように兵士の声が響く。

馬車は城内の奥に入って行った。



マーリンの城には美しいバラがたくさん咲いている。

立派な城壁、清潔に手入れされた庭、鍛冶屋や馬小屋など一通り揃った施設、どれも見事だった。

城の中にもう一つ小さな町があるようだ。


話は途中になっていたが、リーフたちは慌ただしく馬車から降りて大広間に向かった。


ひときわ華やかな装飾で彩られている大広間には、すでに王が座っていた。

マーリンによく似た銀髪の美しい王。

ただその瞳だけが違い、深い青色だった。

妖精の血のせいか、随分若く見える。マーリンの兄と言ってもおかしくないぐらいだ。



「すでに早馬で到着した兵士から聞いておる。婚儀を済ませたというのはその娘か。」

王は瞬きもせずリーフを見た。

「・・・まだほんの子供のようだが・・・。」


「しかも、どこもかしこも傷だらけで、美人とは言い難いな。黒い髪の茶色の瞳とは、異国の者か?」


ずいぶん失礼な言い方をするやっちゃなーと思うリーフ。

(異国も異国、違う世界からきたっちゅーの!)ブツブツ・・・


「王、お聞き及びかと思いますが、わたくしの呪いはこの者によって解けました。

我が一族の1000年の地獄が終わったのです!」

「それは・・やはりまことなのか・・・?」


王はリーフの前に進み出て、頬を触った。

「普通の少女のようだが、お前は何者だ?」


答えに困るリーフ。だいたい自分が呪いを解いた気もしないし、中身は(ダメダメ寄りの)普通のチェリーな男子高校生15歳である。


「では、ララのことも救ってくれるのか・・・?」

王は懇願するような脅迫するような複雑な瞳をリーフに向けた。


「王、今日のところはこの者も長旅で着かれておりますので、どうかご容赦を。

明日にでも、引き合わせてみようと思います。」とマーリン。

「・・・そうか、そうだな。では部屋を用意しておるので下がってゆっくり休むがよい。

リーフ、よく参った。そしてよく王子を救ってくれた。礼を言うぞ・・・。」


多くは語らないが、王の長年の苦痛が感じられる。

王もまた生まれ落ちた瞬間から半身を呪われ、地獄の苦しみを味わってきたのだろう。



リーフは立派な部屋に通された。暖炉がパチパチ燃えていて、暖かそうだ。

暖炉が珍しいリーフが眺めていると、マーリン王子が後ろから抱きしめてきた。

振り向かせてキスしようとしたので必死に止めるリーフ。


「あのっ、ララさんについてもう少し教えていただけませんか?

あと・・・ボクは救ってあげるとか、特別な力なんてないから非常に困るんですけ・・・」


言い終わらないうちに強引にキスをする王子。

壁に押し付けられて身動きができない。

(これが本当の壁ドンかーーーーー!)

とか思ってる場合ではなく、王子のその手が胸に伸びてきた。


(ボク、流されるまま婚儀したりやらお城に来たりやらしちゃったけど、よく考えたらヤバくない??!!)


やっと、やっと気づくリーフ。

このまま女の子として結婚するということは、どういうことか、初めて考える。


(無理無理無理ーーーーーーーーーーーーー!!!!!)どう考えても無理である。

王子の手が胸元から服の中に入ってきたとき、ちょうどスカーレットがやって来た。


(た、たすかった・・・)命拾いするリーフ。


「・・・お取込みのところ失礼いたします。王子、急ぎ来ていただきたいことが・・・」

スカーレットは明らかに焦っていた。彼女が王子に何か耳打ちすると、王子の顔色が変わる。


「リーフ、今夜は必ず部屋に鍵を賭けなさい。護衛もつける。いいか、夜が明けるまでは決して油断しないように!」


そう言い残すと二人はどこかへ行ってしまった。


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