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ケーキなボクの冒険  作者: 丸めがね
マーリン王子と騎士スカーレット、恐ろしい夜の悪魔
21/207

その21 不思議な壺


「あっおじっそうこれほそばそどっ!!!!」



慌てすぎて、リーフの口からは意味のない言葉しか出ない。


自分をこんな目に合わせた、小さいおじさんが今ここに立っている!


逃がすもんかとばかりに、リーフは小さいおじさんを両手で引っ掴んだ。


「おっ・・おじさんのせいでひっどいめにあったんだぞーーーーーー!!」



やっとの思いでちゃんと文句を言うリーフ。


「さあ早く今すぐ直ちにぼくをもとの姿に戻してっ!元の世界に返してっ!


なんでもいいから


たすけて~~~~~~っ!」





リーフの手の中の 神様おじさんは、ぽりぽり鼻の頭を掻いた。


「なんでもいいから、か。はいはい」


「あっ・・・またそういうとこだけ叶えようとする・・・」しまったと思う魔もなく、リーフが握っていた神様はツボに変わった。


そしていつの間にか神様おじさんはリーフの肩に立っている。


「それはな、すごく便利な壺じゃ。いいものが次々に出てくる魔法の壺じゃ」



「ほんとっ?!」リーフは 喜んだ。ドラえ〇んの4次元ポ〇ットあたりを想像したのだろう。

壺は30センチくらいの高さで丸っこく紫色、真ん中に真っ赤なハート模様が一つあって、見るからに怪しいが・・・。



「えっとじゃあ、さっそく、元の世界に帰ることができる何かでも出そうかな~」


リーフが壺の中に手を突っ込むと


バターが出てきた。


「?ちょっと失敗?気を取り直してもう一度~」


小麦粉が出てきた。


「…もう一度・・・」


砂糖が、卵が・・・・・



「こ、これって・・・、まさか、、、、」



「そうそう、お前さんさっきお菓子が焼きたいってつぶやいてたじゃろ。この壺は焼きたいお菓子の材料が出てくる超便利な壺じゃ~~~~」



「じゃ~~~~、じゃねぇっ!!!」


リーフは思わずおじさん(神様)を殴りそうになる。おじさんはヒョイとよけた。


「最後に混ぜた材料をツボに入れると、焼きあがるんだぞい」


「ぞい」でもない。


「さあ早くつくておくれ~」


あくまでのんきな神様。


「作る…作りますから、ボクをもとの世界に返してくださいね!」


はいはい、と適当に返事するおじさん。


リーフは今出てきた材料を混ぜ始めた。



こんな状況だけど、リーフはお菓子を作っていると落ち着く。


チョコチップクッキーにしたいな、と思ったら壺からちゃんとチョコチップが出てきた。


「これはお前さん専用、お前さんしか材料を取り出せない壺なんじゃ!」威張る神様。



完成したクッキーのタネをツボに入れると、1分もたたないうちにこんがり焼けたクッキーがポンポンポーンと

飛び出してきた。


そこいらじゅうにいい香りが広がる。



神様は一つ焼きたてを空中キャッチして、美味しそうに食べた。


「やはりお前は」お菓子の天才じゃ!この壺を使いこなせるとは!」


「そ、そうかな・・・てへへ」褒められて悪い気はしないリーフ。というか、褒められることが滅多にないのでかなり嬉しい。



「じゃあ、ごちそうさま!」


神様が手を振った。


「おそまつさまでした」


手を振り返すリーフ。



「あっいやいやまてまて・・・!」


遅かった。神様は上機嫌でどこかに消え去ってしまった!

残されたのは趣味の悪い壺のみ・・・・。



「うそ~~~!」



もう、すでに夜になっていた・・・・・・・。

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