表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ケーキなボクの冒険  作者: 丸めがね
グレンの国、ダグラスとともに
201/207

その201 ジャックとブラック

「ではオレとリーフが、ブラックに乗って双剣のシャルルを探している間に、アトラスがほかの欠片を集めるんだな?」


無邪気にブラックファイヤードラゴンのブラックの頭を撫でるリーフを横目に、ダグラスがアトラスに確認した。


「そうだ。シャルルはどうやら瀕死の状態だから急いでほしい。私もリーフと共に行きたいのだが、やらねばならないことを思い出した。必ずどこかで落ち合おう。」


そういうと、アトラスはどこからか調達してきた赤色の馬に乗って駆けだした。

リーフに語りかけることもなく・・・まるで目を合わせたくないかのように。


「さあリーフ、急いでるんじゃないのかい?どこまで行こうか?」

ブラックもリーフと久しぶりの再会ではしゃいでいる。

「あ・・・どこだろう、シャルルさんは・・・。アリスをヒョウガの国に連れて行って、ホシフルの国に移動する間にいなくなったみたいなんだけど・・・。そしてボクは、シャルルさんと一緒だったはずのヒューさんに刺されたんだ。」


あの時の記憶が生々しくよみがえってきて、思わず心臓の辺りを押さえるリーフ。


(どうしてあの時、ヒューさんはボクを刺したんだろう・・・。ボクの心臓を・・。)

それは時々思い出す悲しい疑問だった。


(その理由を知りたい!シャルルさんも早く助けたい!!)


「ブラック、お願い!ボクをシャルルさんのもとに連れて行って!場所は・・・分からないけど・・・」


ブラックはケタケタ笑った。


「リーフ、ボクを誰だと思っているの?ドラゴンの血を引く不死鳥、ブラックファイヤードラゴンだよ!赤の欠片はボクの中に流れる血で感じる事が出来る!さあ、ホシフルの国へ行こう!」


黒い鳥ブラックは、リーフとダグラスを乗せて朝も早い大空に飛び立った。





ジャックを追いかけてサンゴの町に急いでいるアーサー。

しかし馬を休ませながらなので、思ったほど距離を稼げていなかった。


「くっそ・・!空を飛べるやつはいいよな・・・!」

忌々し気に朝の空を見上げる。


その時。薄い雲の間から黒い大きな影が現れた。

そして、その黒い影の進路を遮るようにもう1つ森の中から出てきた、羽ばたく影。


「ジャック・・・!」

アーサーは激突しそうになる2羽の怪鳥を見た。



「あぶないっ!!」

ブラックの背に乗るダグラスが叫ぶ。リーフは全く気が付かなかった。


前方にイキナリ現れたこげ茶色の大きな鳥。


ブラックはぶつかる寸前で体を斜めにして回避した。


何が起こったか分からないままリーフはブラックにしがみつき、飛行が安定した時に振り向くとそこには


「ジャックさん!」


「ジャックさん!」


ほぼ同時にブラックも言った。



ブラックは金の卵で転生した時、ジャックに拾われて育てられた。黒いヒナの時代を一緒に過ごしたが、大きくなるにつれて火山の熱や膨大な食糧が必要になり、ジャックの元を自ら去ったのだった。

ブラックは今でもジャックを父親のように思っている。


「大好きなジャックさん!」

ブラックは旋回しながらジャックに近づこうとしたが、何か様子がおかしい。

ジャックは常に攻撃態勢をとっているように見える。


「ジャックさん!」リーフも呼びかけるが、何の反応もない。


「ジャックさん、ボクだよ、ブラックだよ!」


「あいつから離れろブラック!」

ダグラスだけが冷静に状況を見ていた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ