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幕間 松の思い

私が勝頼様から伊達家へと嫁ぐように話があった日から4年、私は子供を授かることがでました。そもそも私は、以前は織田信忠殿との婚姻の予定でありました。それが、父と織田殿との戦のせいで立ち消え私はさみしい思いをしておりました。


信忠殿との婚姻がなくなると、このままでは私は誰のもとにも嫁がないのではないかと考える日々の毎日を送っていました。


信忠殿とは、文を交わす間柄でありお互いの気持ちをやりとりしておりましたゆえ。


私は、信忠殿にひかれておりました。あの人の子を産むと決心をしておりました。


しかし無情なもの、私の願いはかないませんでした。


父である、信玄と信長殿との同盟が手切れになったのです。


その当時の父は、領土を増やすことを生きがいとしておりました。


父を諫める者もおりませんし、父の言うことを聞く者ばかりでした。

その当時の武田の勢いを考えるとだれも止める者はいませんでした。

織田との同盟がなくなるとわかっているのに・・・。


初めて、婚姻相手のことを聞いたときは胸がときめきました。


どのような方だろうと・・・。


文を交わすことで、私は信忠殿を愛していましたがそれもかなわぬ恋となりました。


父には、一度自分の気持ちを伝えました。

(当時に父の命令は絶対の命令だったことにもかかわらず)


父は、真剣に聞いてくれました。しかし織田殿との縁組はなくなったのです。


それから数年が過ぎました。父は三河にて死に、勝頼殿が後を継ぎました。


信忠殿との婚姻がなされなくなって以来、私の毎日はありふれたものになりました。


何をすることもなく。文の思い出を浮かべては信忠殿を思おう毎日それが続いていました。


一度、婚姻が決まった相手はなかなか嫁ぎ先が決まりません。兄からは、よき嫁ぎ先を探すと言ってはくれますが一度嫁ぎ先が決まった者が新たな嫁ぎ先を探し、輿入れするには厳しいものがありました。


そのような私の日常を崩すことがありました。


なんと、伊達家から私を婚姻相手にしたいと話がでたのです。


兄から、その話を聞いたときは驚きました。


相手の年齢11歳です。まさかと疑いました。しかも、嫁ぎ先は奥州という武田家よりも東にある国です。

私の年齢と比べると6歳年下にあたります。


当主の命令を聞かないわけにはいきません。


私は、信忠殿のことを忘れることができませんでしたが決心しました。


政宗殿についていくと・・・。


そして1580年私は、妊娠しました。


本妻である亀姫をさしおいてわたしが身ごもりました。


亀姫に対しては、引け目が大きいです。


それと同時に、この子が伊達家の禍にならないようにと願うばかりです。


そう願いながら、私は今の幸せをかみしめます。


伊達家が武田家と仲たがいを起こさないことを願いながら・・・。

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