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本拠地移転

2話~10話を編集いたしました。一度、読んで頂いた方、申し訳ありません。11話の後書きに、伊達の領土を書いた地図を載せました。上手く書くことが出来ないので、見ずらいとは思いますが、イメージが出来やすいと考えて載せました。

伊達家は、7月に大崎氏や葛西氏を下したことや、米沢領内の治水工事が完了したため、214万石の領土になった。これによって、兵士を17500召し抱えることになり、総兵力は62500となった。


また、葛西領は、荒れ果てていたため2年間の減税を行うことが決まった。


今回、戦に加わった家臣達には加増が認められ、大崎家の家臣の領土も安堵されることになった。葛西領の寺池城は、留守政景に任されることが決まり、葛西領内の治水工事、田の開墾を行うことになった。


8月になって、輝宗、政宗、二本松城から実元、寺池城より政景、黒川晴氏、遠藤、会津若松城から元宗が集まり、これからの伊達家の方針を決定することとなった。


輝宗が皆を一瞥し挨拶を行った。


「皆のお蔭で、伊達の領土も214万石になった。これからの、伊達家の方針を固めたいと思って、みなに集まってもらった」


集まった全員が頷いた。


「まず米沢の治水工事であるが、終わることができた。この治水工事によって、領土も増えたが、新たに手に入れた葛西領は荒れ果てている。早く土地を開墾する必要があるな、政景どのくらいかかりそうか」


「兄上、領土の開墾には5年はかかるかと。2年間の減税のお蔭で、民たちも喜んでおります。各村の村長が、泣いて喜んでおりましたぞ。また、新たに金山や銀山も見つかっております。大久保殿に金山や銀山を掘り起こさせれば、伊達家の収入も増えるかと思いまする」


「そうか、分かった。元宗殿、会津地方の領地の方はどうであろうか。また、上杉、北条、佐竹の動向を説明していただきたい」


「輝宗殿、会津地方の治水は滞りなく進んでいます。あと2年で終わる予定でございます。上杉は、織田との戦が続いており伊達を警戒はしておりません。上野、厩橋を守る北条高広は、一度上杉を裏切ってございます。家中でも肩身が狭くなっている模様、伊達家に引き抜きを現在かけておりまする」


「北条高広の調略、お任せいたしまする」


今、伊達家が北に領地を広げられるのも、元宗が会津若松城に居るからである。元宗を輝宗は頼りにしていた。


「次に、北条でございますが、里見家を下し領土の繁栄に力を入れておりまする。

戦は暫くはないかと、周りは同盟国しかおりませんので、家臣になった者たちの中に北条を裏切りそうな武将がいますので、その討伐を行い。北条の武蔵支配を安定させることに専念するでしょう。最後に佐竹家ですが、下野と上野の領土を北条から盟約通りに手に入れ、武田を攻めようと考えている様子、上野の城を改修しているところでございます」


「そうか、北条殿に祝いの使者をだすとしよう。実元殿、北条への使者をお願いいたします」


「分かり申した。二本松城に戻り次第、北条殿を訪ねましょう」


遠藤が次に内政面について話し出した。


「会津地方、相馬、岩城、下野地方の領土の整備、街道の整備、工業、産業の工場の建築はかなり進んでおりまする。新たに手に入れた領土の、工業、産業の工場で働く者たちに技術を教える者の、人事の異動も計画をねっているところです」


遠藤は、内政を一手に引き受け、その下に鈴木と小西が補佐としている。伊達領の発展には、遠藤の存在が大きかった。


「人事の異動は、よくよく考え本人の意思も確認しておくようにしてくれ。人事のことになるが、領土が広がったことによって家臣が足りなくなっている。内政面に優れた者を、多く召し抱える必要があるな」


元宗が輝宗に意見を述べた。


「輝宗殿の言う通りでございますな。伊達の学校の規模を、大きくしてはどうか。寺子屋で5番以内の成績の者が学校に無料で行けるようになってはいるが、これを10番にすることによって、多くの子供達を学校で育てれば、直ぐには無理でも将来には伊達家を支える者達が育ちましょう」


「なるほど。その案を受け入れましょう。遠藤、学校の規模を大きくするように、動いてくれ」


「分かり申した」


これより、伊達の学校の規模は、かなりの大きさになるのである。


「父上、伊達領はこの数年で大きくなりました。ここで、本拠地を移動させてはどうでしょうか」


「どこの地に移動させるのか。また、どうして米沢より移動する必要があるのか」


「父上、米沢城下は発展がもう見込めませぬ。海からも米沢は遠く、もう少し海の近くに居城があることが望ましいかと」


政宗の言うことも、一理あると考えた。政宗に任せてみようと思う気持ちが輝宗に湧いたのである。


「うむ。それでは、何処を新たな本拠として考えているのか」


「仙台の地に新たな街と城を築きます。およそ、4年の歳月が必要となるかと」


「街を作るとなると遠藤、費用の方はどうか」


輝宗は、遠藤を確認した。


「農具の商売や、金山等の収入によって伊達家の金子にはゆとりがございます。また、貯蓄しております金の量もかなりの金額になっておりますので、仙台の土地の開発もできまする」


「わかった。藤次郎、それではお前に仙台の地の開発を任せよう。やってみるか」


「はい。お任せ下さい。それでは、今月から仙台の地の開発を始めましょう。父上、それと医療についてでございますが。現在、医者も100人、看護師も500人の者達がおりまする。このうち、医者を10名、看護師を50名選抜し医療部隊を作りたく考えております」


「医療部隊とな。傷ついた兵士を治療させるのか」


「その通りでございます。傷が軽い者から治療させまする。これによって、兵士の生存率もあがるかと。戦場に一番近い城に待機させておき、戦が終わり次第、傷ついた兵の治療を行わせます」


「藤次郎の意見を採用する。医療部隊の新設を行うこととする。それと、医療を教える学校をさらに大きくする。年間に50人が医者になり、250人が看護師になっているが、この2倍の者が医者や看護師になるようにすることにする。遠藤、医療の学校も大きくしてほしい」


「わかりました」


医療は、現代と違い大学で4年間勉強するほどの量はない。基礎知識を一年でつけ。その後、実地をすることによって覚えていくのである。


「最後に、戦についてだが、伊達はこれから北に領土を発展させようと思うが政宗、黒脛巾組が調べた北の領土に関する情報を皆に教えてくれ」


政宗は、調べ上げた情報を皆に説明しだした。


伊達家の北にある南部家は、南部晴政が当主であり現在25万石の領土を持っている。本城は三戸城である。しかし、今は後継者争いが起こっている。晴政は、子供が出来なかったために、1565年に石川高信の子・信直を養子に迎えていた。


実子が生まれたことで、信直本人も身の危険を感じていたのか、晴政の養子の座を辞退したが信直への不信を抱き続けた。この状況の信直を助けようと、北信愛、八戸政栄の二人が信直を援護している。南部家内は、晴政ならび信直の対立によって、家中はまとまっていない。


南部氏の西には、石川城を本城とする津軽為信は5万石をもつ大名である。津軽為信は、もともと南部家の家臣であったが謀反を起こし大名となった。現在は、東の南部氏と南の安東氏と対立している。


津軽氏の南には、檜山城を本城とする安東愛季が20万石の領土を納めている。北の津軽家と東の戸沢家、南の大宝寺家と敵対関係にある。


安東氏の東には、角館を本城とする戸沢盛重が納めている。所領は3万石である。盛重は病気がちのため大叔父の戸沢政重が戸沢家を良くまとめている。


戸沢氏の南には、横手城を居城とする小野寺景道が納めている。領土は5万石であり、北の戸沢家とは対立関係にあった。


政宗が話し終えたところで、輝宗が武将達に話しかけた。


「戦をしかけるにしても、全てを倒すのではなく、味方になる者がおれば味方にしたい。皆はどう思うか」


その言葉を受け晴氏が話し始めた。


「お館様の考えに、賛成でございます。全ての領土を、戦で攻めて伊達が手に入れる必要はないでしょう。味方になるとすれば、津軽が考えられまするな。また、南部信直の味方に付き、南部家を継がせる条件を出し、南部家を攻略するのはどうかと」


輝宗は、頷き政宗に指示をだした。


「藤次郎、南部信直に遣いを出せ」


「わかりました。南部信直への調略を行います」


「実元殿、津軽家への使者をお願いしてもよろしいですか」


「わかりました。北条殿への遣いの後に、津軽との同盟に動きまする」


「調略や同盟がなれば、戦を行うとしよう。それまでは、領土の発展に努めることとする。戦をするにしても、内政が滞れば戦に勝っても意味がないからな」


輝宗が話し終わると、鉄砲や馬についての報告が遠藤より行われた。


「殿、来年の伊達家の鉄砲所有数は6000丁に達しまする。また、馬も25000頭は集められるかと。戦による被害が少ないこともあり、馬の繁殖や鉄砲の生産も軌道に乗っておりまする」


「それは良かった。それだけの量があれば、戦もやりやすくなるというもの。新型の鉄砲の開発はどうなっておる」


「はい。進んでおりまする。来年には、改良した鉄砲を皆様にお見せできるかと」


「出来上がったら見せてくれ。政宗と孫一が、お互いに知恵を絞って考えた鉄砲を早く見たいからな」


「わかりました」


遠藤の報告が終わると、政宗が次に輝宗への報告に入った。


「父上、最上についてですが」


「どうした藤次郎」


「はい。この度、最上義光殿が内乱を納めたそうでございます」


「そうか。天童が義光殿に負けたか」


「はい。義光の叔父上は戦に勝ち、天童の娘を側室にしたそうでございます」


「これで、最上が動いてくるな。しかし、我が伊達の領土は最上家の数倍はある。最上が戦を仕掛けてくることはあるまい」


「さようでございますな。これから、北の領土を攻めることを考えても、最上とは同盟を強くすることが、これからの伊達家にとって大事になってくるかと」

頷きながら元宗が発言した。


ある程度、話が出し尽くしたことを輝宗は感じ取り、宴を行うこととした。


「それでは、本日はここまでとし。もう夕方になってきておるから、酒でも飲みながら食事でもするかな。政宗が作った麦焼酎でも飲もうか。かなり評判がいいぞ」


「あの噂の麦焼酎ですか。兄上、以前から私も飲んでみたいと思っていところです」


「政景殿は、酒に目がないと見える」


実元が笑いながら発言をしたことによって全員が笑い。部屋には笑声がこだました。



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