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The Terminus Is・・・

The Terminus Is・・・~Y side~

作者: 歌音黒

BGMとして、アルバム楽曲


・closer

・Maizy

・trade


を順番で流していただくと、より一層物語が伝わるかと思います。

(※あくまでも私一人の読み方です。強制はいたしません)




ガタンッゴトンッ・・・

ガタンッゴトンッ・・・




ガタンッゴトンッ・・・

ガタンッゴトンッ・・・







ここは列車の中・・・。

自分の行く先を目指し、あるいは探す。

列車の中・・・。




乗客は何人もいる。



新たな新生活の場を目指す者・・・。

大手企業や会社就職を目指す者・・・。

自宅へ帰る者・・・。

新たな家庭へと進む者・・・・・・。




そして・・・。







“自分の夢”へと、向かう者・・・・・・。







これは・・・その人その人の人生。

それぞれの道へと運んでくれる。


そんな列車・・・。




その列車には、座席が向かい合うタイプのものと、普通に横一列に並んでいるタイプがあって・・・。




たぶん特には決まっていないんだろうけど、知り合い同士は、向かい合うタイプの4人掛け座席。

個人の場合は、横一列の座席に座るようになっているんだと思う。





ちなみに私は、4人掛けの右窓側の座席に着席。

話し方がちょっと個人っぽかったかもしれないけど、一応団体・・・。



それも私を入れて、知り合い4人。

向かい合い型の席、満席です・・・。





『何見てるの?』



ふっと、私の隣りに座っていた女性が、おもむろに私に尋ねてきた。





彼女は私の大切な仲間でもあり。

そして・・・、大切な私の友人でもある人。



『えっ? ううん、別に・・・。眺めいいなぁ~って・・・』

『ホンマやねぇ~。山も海もあったし・・・、このまま乗ってたいわぁ~』

『・・・ダメだよ。何処かで必ず、私達は降りないといけないんだから・・・・・・』





このまま行く先のないレールの列車に・・・。

ただ静かに乗っているわけにはいかない・・・。





それは私達の人生の中で、既に決められていたことだった・・・。






『せやね・・・。二人は何処で降りるん?』




そう彼女は、向かい側の席に座っていたサングラスの男性と、ギターを手荷物にしていた男性の二人に。

本当に何の前触れもなく尋ねた。




まさかいきなり振られるだなんて、まったく予想してなかったよね?



年上の紳士二人、かなり戸惑ってます・・・。




『えっ? いきなり?!』

『ちょっとビックリしたわぁ~・・・』

『せやから、何処で降りるん? 二人は・・・』



彼女は相変わらず質問を続ける。




しばらくして、戸惑いながら顔を見合わせていた二人の内。

サングラスを掛けた方の人が、苦笑しながら口を開いた。



『まだ決まってないよ・・・。未定・・・』

『そもそも僕ら。少し前に違う列車に乗り換えたばっかっすよ~? そんなすぐに行く先決まってると思います~?』

『だって・・・。みんな大体行く先決まってる、かぁ~らぁ~! ・・・この列車に乗り込んだんやろ?』

『『・・・・・・・・・・・・』』



まるで的を射られたかのように、思わず二人が口籠る。

確かにこの二人と彼女の手には、何処かの駅へ下車するための切符が、握られていた。



『まあ・・・。それを言ったら・・・』

『そう・・・、っすけど・・・』



二人は半分嫌々な感じではあったけれど、口を揃えて頷いた。








いいなぁ~・・・。





もう切符・・・、持ってるんだ・・・・・・。








『ゆりっぺはどの駅?』



今度は私が尋ねられて、私は戸惑いながらもこう言った。



『内緒♪ 誰にも言わな~い』

『えっ?! そらないよ、ゆりっぺ! いくらなんでも・・・。ウチにだけは教えて~? なぁ~』

『ダーッメ! ・・・着いたら教えるよ』

『そんなぁ~・・・。その前にウチ降りてしまうやん、列車・・・』

『それはそうよ~。私が先に降りたら、どの駅なのかみんなに分かっちゃうでしょ? だから言わない♪』

『も~う・・・』

『最後くらいバラしてもええやないですか~』

『まあ・・・。「彼女らしい」と言えば「彼女らしい」ですけどね?』






本当にみんな・・・、ごめんね・・・。

こんなことしか言えなくて・・・・・・・・・。







でも私・・・。






“まだ降りる駅がないんだ・・・。”

“見つかってないんだ・・・。”







だから・・・“教えない”じゃないの・・・。





本当は・・・“教えられない”の・・・。







まだ何一つ・・・・・・。

みんなに教えられないの・・・・・・。










“ワカラナイノ・・・。”

“コノ先ノ・・・自分ノ運命ガ・・・・・・。”














2013年10月31日。

私がこよなく愛していたバンドは『13年』という長い歴史を残して・・・。



その幕を、閉じました・・・。







最後に行われた、事務所のスタッフさん達とメンバーでの、お別れ会。



一応出席はした。

ヴォーカルだったし・・・。








でも・・・。



気持ち的にはあまり・・・居たくはなかった・・・・・・。





理由は簡単かつ単純。







私だけ・・・。








“旅立つ場所がなかったから・・・。”









たまたま一つ違いのギターの彼が、みんなに今後のことを尋ねていて・・・。

それで改めて知った・・・。





私だけ・・・。







“ちゃんとした降りる駅がない”ということに・・・・・・。









「古井さんはこの後・・・、どうするんっすか?」

「・・・僕かい? 僕は~・・・、とりあえずクリエイターの仕事に戻るかな? 編曲の・・・。それに、研修生達の教師の仕事も、まだ何人か掛け持ってるしね・・・」

「じゃあ・・・、また何かの時に会えそうですね」

「だね」









ガタンッゴトンッ・・・

ガタンッゴトンッ・・・



シュー・・・・・・





『じゃあ・・・。僕は降りるよ』

『えっ・・・?』



ふっと・・・、サングラスの彼が、そう言った。


「降りる」と言った駅の名前は「編曲クリエイター」・・・・・・。





ここが・・・彼の選んだTerminus(終着駅)・・・・・・。





『えっ? もう??』

『めっちゃ降りる駅近かったやないですか~。なんで言わないんっすか、古井さん・・・』

『ゴメンね。でも切符ここまでだから・・・』

『あっ・・・! ほな、またね?!』

『また会いましょう! 古井さん!!』

『ああ!』



彼はそう言って右手を一度上げると、静かに列車を降りていった・・・。


4人掛けだった座席が、たった一箇所だけポッカリと空く。




『おかもっち窓側に寄ったら? それじゃあ他の人座れへんよ?』

『あっ・・・、それもそうっすね』



こうしてギター荷物の彼が、私の向かい側の席にやってきた。



『ところでー・・・。AZUKIさんはどの駅下車なんっすか?』

『ん? ウチはここ。・・・・・・って、次か?』

『えっ? 次?? ・・・・・・あっ、ホンマや・・・』



ふっと彼の手に渡された切符を覗き込んでみれば、確かに次の停車駅が、彼女の降りる駅だった。








一気に胸が切なくなる・・・。




立て続けに二人も降りてしまうだなんて・・・・・・。







『でも古井さんの駅からしばらく間あるし、ちょっとそれまで喋ってへん?』

『「喋る」・・・?』

『何を?』

『う~ん・・・。あっ! そういえばこの間、近所でめっちゃ激しい音楽ガンッガンッ流してる豆腐屋の話したやん!?』

『『う、うん・・・』』

『あそこなァ? この間行ってみたら・・・!』





彼女の話は・・・、いつもすべてが唐突だ・・・。














「えっ・・・? AZUKIさんも?」

「うん。ウチもクリエイターに戻る。・・・作詞せなアカンから」




作詞クリエイター・・・かぁー・・・・・・。

確かにこの人なら、まだまだいい詞をたくさん書けそう・・・。




率直に素直に・・・。

私はそう思った。








でも私も・・・。



英語の作詞くらいなら・・・、少しはできるかな・・・?







「じゃあ、また僕が曲作った時は、お願いしてもええっすか? 作詞・・・」

「もう、全然! 全然! いくらでも書いたるよ?! そんなん」

「「ハハハ」」









ガタンッゴトンッ・・・

ガタンッゴトンッ・・・



シュー・・・・・・



『今度その豆腐屋教えてくださいよ~。AZUKIさん』

『ええよ。ええよ。でも今度ね?』

『・・・ね、ねぇ・・・? 列車、停まったんじゃない?』

『ん? あ゛っ! アカン!! 降りなくちゃ・・・! 話夢中になってて気付かんかった・・・!!』

『あ、あのー・・・! すみませーん!! 降りる人まだいまーす!!』

『すみませ~ん! ・・・あっ・・・! じゃあね、ゆりっぺ! おかもっち! 特にゆりっぺ! 降りる駅決まったら教えてよー?! 絶対やからねぇ~っ!?』

『あっ・・・、うん・・・』



それだけ言い残して、彼女もまた列車を降りていった。

と同時にドアも閉まって、私達が呆気に取られている間に発車してしまう。




なんか・・・。



今ので発車時刻が少し、遅れてしまったみたい・・・・・・。





『めっちゃ飛ばしてるやん・・・。列車・・・』

『だね・・・。私、手も振れなかった・・・』

『僕なんて、運転手に「待って!」しか言うてない・・・』

『・・・・・・お互い唐突だったね・・・』

『ですね・・・』




それからしばしの間。

私達はお互い、無言のままの時間が続いたのだけれど・・・。





外がやや夕焼け空となり掛けていた時、ふっと彼が口を開いた・・・。






『当ててもええか?』

『ん? ・・・何を?』

『・・・降りる駅・・・、本当は決まってないんでしょ? 中村さん』





その瞬間・・・。

思わず全身に、電流が放たれたかのような衝撃が駆け巡った。





私は演技で表情なんて誤魔化せないから・・・。



思いっきり顔に出てしまっていたと思う・・・。






そしてそんな私の顔を見て、彼も「やっぱり・・・」という感じに、頬杖を付きながら車窓を眺めるのだ。







酷い・・・。



本当に酷い・・・・・・。






『なんか最初っから変だなぁ~って思ってて・・・。切符、一回も見せてくれなかったし・・・』




当たりだよ。


大当たり・・・。





『・・・なんで当てるの・・・?』





精一杯の恨みを込めて睨み付けてみれば。



彼は困ったように苦笑して、続けてこう言った・・・。




『僕・・・、あと二駅先で“乗り換える”から・・・』

『「乗り換える」・・・? 「降りる」んじゃなくて・・・?』

『二駅先の「クリエイター駅」から、ソロ線に乗るわ』




その路線なら、私も知ってる。

今乗っている列車と比べていれば、少なくとも行く先が充実している・・・。








まさに・・・“憧れの路線・・・。”






『そんなところに行くの・・・?』

『うん。まあ・・・。乗った早々渡された切符がそれだったから・・・』

『・・・・・・そう・・・』

『・・・早めに決めた方がいいよ? そっちも・・・』





「余計なお世話よ」と・・・。

私は心の中だけで、呟いた・・・。












「でもなんか・・・。まるで僕達のバンドは、一種の“列車”みたいだね」

「えっ?」

「列車?」

「ほら・・・。みんなが同じ列車に乗って、そこからそれぞれの場所へと旅立っていく・・・。それぞれのTerminus(乗り換え駅)へ・・・ってね」




乗り換え駅・・・・・・。



それぞれの・・・・・・、Terminus(乗り換え駅)・・・。






「相変わらず上手いっすね・・・。その表現・・・。・・・・・・ところで中村さんは? 中村さんはこの先、活動とかってどうされるんっすか?」

「ぇ・・・・・・」





ねぇ・・・。


どうしてこうもあなたは、聞いてほしくないことを私に聞くの・・・?





最後の最後だけれど・・・・・・ムッとした。





「言わない・・・」

「えっ? ・・・まさかのここにきて秘密?」

「そう。秘密・・・・・・でももし、今古井さんが言ったので例えるとするなら~・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「もう少し・・・、列車に乗ってるよ(・・・・・・・・)




この私の返答に、どうやら彼も事情を察したみたい。






察してくれたのなら、それでいい・・・。




なんか私は・・・、みんなの足枷みたいになってるっぽいから・・・・・・。








「す、すみません・・・! 僕・・・」





いい・・・。



だからもう、黙ってて・・・・・・。





「中村さんのこと何も考えずに、その・・・」

「ねぇ~? もう打ち上げお開きなんでしょ~?! ここの予約時間10時までだったよねぇ~?!」

「えっ・・・? ・・・・・・あっ、はい・・・。そうですけど」

「じゃあ、私帰るね?」

「えっ・・・」

「そんな・・・・・・」






お願いだから・・・、二人ともそんな顔しないで・・・・・・。







こっちだって・・・・・・。

痛みがないわけじゃ・・・ないんだよ・・・?







「別に延長料金くらいいいじゃないですか。最後くらいもっと」

「だってもう5時間も飲んだじゃない。それだけやればもう十分よ」

「・・・・・・ゆりっぺ・・・」





ごめんね、言葉遮って・・・。

ごめんね、切なくさせて・・・。








でも私・・・、あなた達に謝れるのも・・・。

止められるのも・・・。






一人だけここに取り残されてるのも・・・。

このまま無理に笑い続けてるのも・・・。









もう・・・・・・・・・嫌なんだ・・・。










「じゃあ・・・。また明日ね!」





最後に言うだけ言って・・・。

もうあとは振り返らずに、部屋を飛び出した・・・。






飛び出して・・・・・・。









泣き出しながら・・・・・・走った・・・。








マネージャーさんを置いていく感じで・・・・・・。










1階まで・・・駆け降りた・・・・・・。









そして誰もいない廊下の真ん中で・・・。

両足の力が、サッ・・・と抜けた。






膝を着いて・・・。




思わず両手で・・・。






涙もろとも・・・・・・。







顔を、覆った・・・・・・。










「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・ッッッ!!」












・・・絶叫・・・・・・・・・・・・。













ガタンッゴトンッ・・・

ガタンッゴトンッ・・・



シュー・・・・・・





『じゃ・・・。降りるな?』

『・・・・・・・・・』





最後に優しくそう言って、彼も静かに・・・。

列車を降りていった・・・・・・。







私は・・・、目を合わせなかった。

どんな表情をすればいいのか・・・、まったく分からない。



とりあえず沈みかけている太陽を、黙って見つめた・・・。








バタンッ・・・!


シュー・・・・・・








ドアが閉まり、再び列車が走り出す・・・音がする。







その瞬間、私はハッと・・・。




彼が降りていった方を振り返った・・・。







『あ・・・・・・・・・』




列車は既に走り出していて、駅はもうほとんど見えなくなっていたけれど・・・。






『みんなに・・・・・・「さよなら」くらい・・・、言えばよかった・・・』








でももう遅い・・・。








言おうとしなかったのは自分。

手を振らなかったのも自分。

行く先を決めなかったのも・・・・・・自分。









ふっと列車の中を見渡す。

あれだけ乗っていたはずの乗客の姿は、いつの間にか・・・列車内から消えていた・・・。






皆気付かぬ内に、途中途中の駅で・・・降りていたんだ・・・。









みんな・・・、降りるべき駅が・・・見つかっていたんだ・・・・・・。









『私・・・、一人だけなの・・・?』









行く先が決まっていないのは・・・。






降りる駅が見つからないのは・・・。










『嫌だよ・・・・・・嫌だよ・・・。・・・古井さん・・・。AZUKIさん・・・。おかもっち・・・・・・』







既に降りていった人の名前を呼んだって・・・。

届かないことは分かっている・・・。









“過去には戻れない”ということも・・・、分かっている・・・。










けれど・・・・・・。








心が泣き出したまま・・・。









泣き止まない・・・・・・。











『置いて、いかないで・・・。行かないでよ・・・・・・。お願いっ! 私を一人にしないで・・・っ!!』




椅子に座ったまま、小さく身体を縮こませてみた。




けれど・・・・・・。









自分に声を掛けてくれる人も。

抱き寄せてくれる人も・・・・・・。







もうここには・・・。



誰もいない・・・・・・。









“イルノハ私、一人ダケ・・・・・・。”










『お願い・・・』




いつの間にか外の景色は、長い長い夜へと、静かに入ろうとしていた・・・。
















先人の名言で、よくこんな時に耳にする言葉がある。



それは・・・『今』という現実から立ち直りたいとき。

変わりたいとき。

進みたいとき。






望んだと同時に、“まずは自分自身が進まなくてはならないのだ”・・・と。







初めの頃は、その言葉を聞いても『確かにねぇ~・・・』と他人事だったのだけれど。



今はそれが・・・、大切な言葉のように感じていた・・・・・・。





みんなとあんな別れ方をしてから2ヶ月半後・・・。




目指すこともなく・・・。

求めることもなく・・・。

一人家に引き籠っていた私宛てに、珍しく作詞の彼女から、電話が掛かってきた。




電話の要件は『今度の夜、○○で会えへん?』という・・・。

もう一度顔を合わせようという内容・・・。


あの日あんな別れ方をしてからというもの、何となく電話を掛けるのを拒み続けていたのだけれど・・・。





まさか彼女の方から連絡してくるだなんて・・・・・・。







『ねぇ。会おうよ、ゆりっぺ。・・・メンバーはマネージャーさんと3人で』



いわゆる一種の女子会・・・。

あまりその手のが苦手な彼女にしては、まさかのお誘いだった。



「でも・・・・・・。私・・・、どんな顔して会えばいいか・・・」

『そんなん気にしなくてもええよ。会お♪ 会お♪ 予定空いてるの金曜日しかあらへんから、金曜日にせぇへん?』



どうやら彼女は、私に『無理』とは言わせたくないご様子・・・。





特に言う理由も『顔を合わせにくい』ということ以外、なかったけれど・・・・・・。






「・・・う、うん・・・」

『ほな金曜日。時間は6時半くらい・・・かな? 絶対に来てよ?』

「う、うん・・・。分かった・・・」

『じゃっ。ほなな~』



相変わらずいつものフワフワとした声で、彼女はそれだけ告げて、電話を切った。








そして約束の金曜日。

いつも何かの時に立ち寄っていた居酒屋で、私は久々に、二人と顔を合わせた。




一応マネージャーさんとは、あの後も数回、こちらを心配して電話を掛けてくれてはいたのだけれど・・・。


私はどうしても出られなくて・・・、いつも留守電にしていた。






だから顔を合わせて話すのは、本当に久々なこと・・・・・・。





お店の中へ入ってみると、既に二人はテーブル席に座っていて・・・。

こちらに向かって笑顔で手を振っていた・・・。



とりあえず広いソファータイプの椅子に、まるで身を縮こませるように座る。





もしかしたらあの日のことや。

この間までの電話のことを言われるのではと思ったけれど。

二人はそのことに関して、何も言おうとはしなかった・・・。






きっと・・・。




私に気を利かしていたんだろうと・・・、思うけど・・・・・・。








「・・・そんなに縮こまらなくてもええよ?」

「そうですよ。椅子広いんですから、もう少しスペース使っても大丈夫よ? 中村さん」




そう優しく言われても、今の自分はどうしても堂々とできなくて・・・。

結局膝の上に乗せていたカバンを、自分の隣に置くだけで留めた。




「今・・・、何してるの?」

「えっ? ウチ? ・・・ウチはー・・・、作詞やってるよ? 不定期やけど、とりあえず書き書き・・・」

「そう・・・。他のみんなは?」

「みんな~・・・、今はとりあえずクリエイター作業中。おかもっちとかはソロ始動するかも。そろそろ・・・」

「そう・・・、なんだ・・・」

「・・・ゆりっぺは? ・・・音楽続けるん? それとも・・・、離れるん?」



恐る恐る控えめに、彼女が私に聞き返す。







正直・・・、この質問に答えられる答えがあれば・・・・・・。







今の私は・・・・・・どんなに心が軽かっただろう・・・。








そう思った。






「分かんない・・・。私・・・・・・、まだ何にも決めてないの・・・」







“見つからないの・・・。”





私の・・・“Terminus(乗り換え駅)”が・・・・・・。








見つからないまま・・・乗り続けているの・・・・・・。







たった一人で・・・。

行く宛てのない列車に・・・・・・。







「私・・・、もう今どうしたらいいのか・・・。音楽からは離れたくない・・・! でも・・・。音楽の行く・・・先もない・・・」






無理矢理音楽の列車に乗り換えたって、結局待ち構えているのは孤独で・・・。



先の見えない、闇のトンネルで・・・。








「・・・どうしたらいいんだろう・・・。私・・・」







そんなこと呟いたって・・・。

この二人には、どうすることもできないのに・・・。








口に出して言った早々、両目から涙が流れた・・・。







流れて流れて・・・溢れ出した・・・・・・。







「・・・ゆりっぺ・・・」

「中村さん・・・・・・」

「っ・・・ごめんっ・・・。急に・・・・・・。こんなこと言ったって・・・、どうすることもできないのに・・・」







やっぱり行くんじゃなかった・・・。







結局みんなを困らせるのなら・・・。

このまま家に引き籠っていた方が・・・・・・。







「ごめんっ・・・!」




そう思って席を離れようとした、その時。






突然マネージャーさんが、私に叫んだ。







「いつまで乗ってるつもりなんですか! 中村さん!!」

「・・・・・・ぇっ・・・」

「いつまで行く先のない列車に、一人でいるつもりなんですか!!」

「・・・・・・だ・・・って・・・」

「ゆりっぺ! 一つだけウチにも聞かせて!!」



ふっと今度は作詞の彼女まで、私に対して叫ぶように聞き返す。



「ゆりっぺは音楽を続けたいん!? それとも続けたくないん!? どっちなん?!」

「・・・ぇ・・・?」

「簡単な質問よ!? 『やりたい』か『やりたくない』かの・・・、たった二択なんやから・・・!」







でもこの二択は・・・。

その後の私自身の運命を大きく左右する・・・。








まさに・・・、走る列車のレールを変える、“運命の分かれ道”・・・・・・。








西に行くか、東に行くか。

右に行くか、左に行くか。



そして・・・。









『音楽』に行くか。

『新天地』に行くか・・・・・・。






選ぶべきレールが・・・。

刻一刻と、自分へと迫っていく・・・・・・。






「どっちなん?! ゆりっぺ!」

「・・・・・・・・・わ・・・・・・、私は・・・」






レールを曲がるのか。



曲がらないのか。









もう・・・・・・。




“立ち止まる”という選択肢は・・・ここにない・・・・・・・・・。








「私は・・・・・・!」












ガタンッゴトンッ・・・

ガタンッゴトンッ・・・





『ちょっと・・・、お客さん・・・? お客さん?』

『・・・・・・ん・・・・・・え?』



ふっとボヤける両目を擦ってみれば、目の前には列車の運転手と思しき男性が、こちらの座席の真ん前に立っていた。

どうやら、いつの間にか泣き疲れて眠ってしまっていたらしい・・・。



『えっ? ・・・ここは?』

『終着駅です。終点ですよ? 列車・・・』

『・・・えっ?!』




そう言われて、私は慌てて窓の外を見つめてみる。

あんなに美しかった外の景色は、既に夜の暗い闇に閉ざされてしまっていた。




『うそ・・・・・・・・・』

『お客さん・・・。降りる駅逃されたんですか?』

『・・・・・・・・・』







言いたくはないけれど・・・。

まったくその通りだ・・・。







『そう・・・みたいです・・・・・・』







ほぼ消え返ってしまいそうなほど小さな声で、私はそう答えた。








『降りるご予定だった駅は?』

『・・・いえ・・・。ずっと、探してたんです。でも・・・、見つからなくて・・・・・・。気が付いたら・・・誰もいなくなってしまって・・・・・・』







降りる予定の駅なんて・・・。







そもそも私には初めから・・・なかったのかもしれない・・・。







そう思っていた・・・、その時だった。







『・・・ん?』



ふっと視線が向いた、自分の真隣りの座席。

その赤いシートの上に、何やら小さな手のひらサイズほどのベージュの紙が、あからさまに置き去りになっていた。



気になって手に取ってみれば、それは未だ未使用の列車の切符。

それも、降りる駅と乗り換え駅の両方が書かれている、真新しい切符だった。




『えっ・・・。これ・・・・・・』

『な~んだ~・・・。お客さん、切符持ってらっしゃるじゃないですか~』

『えっ? あっ・・・。でも、これ・・・!』

『降りていないのはあなただけなんですから・・・、それはあなたの切符ですよ』

『で、でも・・・』





でも確かに考えてみれば、この座席に座っていた彼女は既に、列車を降りている。

ということは、これは紛れもなく・・・私の切符・・・。







一度も見た覚えのない・・・。






私の切符だ・・・・・・。








『でも・・・。どうして・・・・・・あっ』





ふっとその切符を裏返してみて・・・、私はその意味を理解した・・・。




切符の裏には、揺れる列車の中で隠れながら書いたのだろう。

波打つような字で書かれた、筆跡の違う文章が二つ・・・。





“中村さん。もし行き詰っているのであれば、この駅に向かってください。きっと今までと同じくらい、いいことが待っています。古井”




“ゆりっぺ、ウチに嘘ついたって誤魔化されたりせぇへんからね?! コレ、古井さんと相談して二人で買うたよ? 自分を信じて、乗り換えてみて・・・ AZUKI”






『古井さん・・・。AZUKIさん・・・』

『しっかしお客さん・・・。随分と珍しい乗り換え列車ですねぇ~。それ・・・』

『・・・えっ?』



ふっとそう言われて切符を表に返してみれば、切符には降りる駅名として『ソロ』という名前が書かれてた。

例のギター紳士が降りていった駅である。



しかしその彼が持っていた切符と少しだけ違ったのは、こちらの方が『ソロ』からの乗り換え路線が多かったこと・・・・・・。




ざっと見た限りでは、乗り換え選択肢は全部で6線ほど。





しかしその切符には、予めその6線の中でたった一本・・・。


たった一本だけ・・・、目印であるかのように赤いペンで囲られていたのだ。





駅の名前は・・・。

残念ながら読み方は分からなかったものの、大きな数字が全部で4桁。



『この駅へ向かわれるお客さんは、本当に珍しいんですよ?』

『そ、そうなんですか・・・?』

『はい。何せこの駅は、今まで誰も降りたことのない・・・。出来たばかりの駅ですから・・・』

『は・・・、はぁー・・・』

『あっ・・・。ところでお客様は、お連れの方は既にお決まりでらっしゃいますか?』

『・・・へっ?』


いきなりそんなことを尋ねてくるので、私は思わず裏返ったような声で聞き返した。

すると運転手は、おそらく私が何も知らないのだろうと悟ったのか、簡潔ながらも丁寧に事情を説明する。


『この列車には、お乗りになる方がもうお一方いなければならないんですよ』

『そ、そうなんですか?!』

『はい・・・。どなたかー・・・、お心当たりのある方はいらっしゃいませんか?』

『・・・・・・・・・ぁ』




そう聞き返された時、何故か・・・。



何故かあの人物の顔が、何の脈絡もなく脳裏を過った。







本当に・・・何の脈絡もなく・・・・・・。







けれど・・・。

きっとこれが・・・私が望む場所へ向かうための・・・。






Terminus(最後のレール)・・・。”








『あ、あの・・・! ・・・この人を駅で! 駅で足止めしてもらえませんか!?』

『駅・・・? どちらの駅でしょう?』

『えっ・・・~と・・・・・・クリエイター! クリエイター駅です!! 「そこからソロ線に乗り換える」って・・・・・・。だからもしかしたら・・・! もしかしたらまた・・・別の列車に乗っちゃうかもしれなくて・・・!!』

『落ち着いて。落ち着いて・・・。えっ~と・・・。この写真の・・・、どの方でしょうかね?』

『あっ・・・、この人です! 左頬にちょっと傷痕がある・・・色白の帽子を被ってるこの人です!!』



私は必死に、自分の手帳に挟んでいた写真の中の人物を指し示す。


それは最初にこの列車に乗った時、彼女のフィルムカメラで撮った・・・。





最後の4人ショット・・・・・・。





『・・・この方ですね? かしこまりました・・・』

『あっ、あと・・・。この駅に向かうには、私はどうすれば・・・?』

『あぁ。それでしたら、このままこの列車に乗ってください。折り返しますので・・・』

『・・・そうですか・・・。じゃあ・・・、よろしくお願いします』

『はい』


運転手はそう言うと、再び列車の・・・。

ただし今度は先ほどとは反対側の方へ、歩き出していった。






そしてそれから5分も経たぬ内に・・・・・・。







ジリリリリリリリィー・・・・・・



シュー・・・・・・






ガタンッゴトンッ・・・

ガタンッゴトンッ・・・



ガタンッゴトンッ・・・

ガタンッゴトンッ・・・






再び走り出した列車の中で、私は未だ暗い外の世界を見つめる。

車内での明かりが強いためか、車窓には少し笑顔が戻りつつある・・・。


私の顔がおぼろげに映り込んでいた・・・。



そしてそれと同時に・・・。

私は微かに、心の中にある小さな明かりが・・・。



徐々に大きく・・・。

そして全体へと・・・。

どんどん体中から広がっていくかのような想いを、しっかりと感じ取っていた。







まるで・・・。



長い長い夜が、ゆっくりと明けていくかのように・・・・・・・・・。











かなり白くて無菌室な部屋の中に、私はいた。

正確には、女性スタッフさんと二人で、室内にいた。


ちなみにマネージャーさんは、ただ今事務所の事務室で待機中。



「いよいよですね、中村さん。久々の顔合わせ・・・」

「あっ、はい。ちょっと何を開口一番に言おうか・・・、全然考えてないんですけど・・・」

「そんなぁ~。もう13年の腐れ縁仲間じゃないですか~。きっと大丈夫ですよ」

「・・・だといいんですけど・・・」

「でもよかったわ~。中村さん以前みたいに明るい感じに戻られてて・・・。久々のポニーテールにシュシュ。それに春らしいロングワンピまで着込んでますし・・・」

「えっ・・・?」

「『最近引きこもりガチなのが深刻になってきて、ちょっとやつれてきた』って、マネージャーさんが酷く心配されてましたよ? ここ数週間・・・」

「あっ・・・、はぁ・・・」



今日私が久々に、この事務所の楽屋部屋へとやってきた理由・・・。


それは・・・・・・。






『アーティスト』としての、“新たな列車に乗り込むため”・・・。







「でも・・・。本当によかったんですか? 当日まで、あの人にあなたのことを教えておかなくて・・・。この案出した古井さんとAZUKIさんにも、今日まで隠すよう口止めしてもらってたんでしょう?」

「いいんです。逆に話した後だと、そっちの方が顔合わせ難かったんで・・・。これで・・・。・・・あのー・・・、もしかして電話とかで怒鳴られたりとかって・・・しました・・・?」



ふっと、その女性スタッフの表情が一瞬暗く見えたので、私は恐る恐るそう聞き返してみた。


すると女性スタッフは首を横に振りながら・・・。



「い、いえいえいえ! 大丈夫です! 私、もう長年ここで働いてて、怒鳴られるの慣れっこですから」



それは一応遠巻きながらも・・・。

『怒鳴られた』という、確たる証拠の発言・・・。



「やっぱり怒鳴られたんだ・・・・・・。すみません・・・。こっちのワガママな要望のせいで、こんな・・・」

「えっ? ・・・いいんです! いいんです! 中村さんは気にしないで・・・!! ねっ?!」

「あっ・・・、はい・・・」



『気にしないで』って言われても・・・。

やっぱり気になるものは気になるよ・・・。



「あっ、じゃあ・・・。そろそろ時間なんで、私外に出てますね? なんか今日は満天の青空ですし・・・。ちゃんと部屋にやってきてくれるのかどうか不安なんで」

「あっ、ははは・・・。確かにあの人の場合、いつもこういう時雨でしたもんね。・・・・・・でも私『晴れ女』ですよ?」

「あっ、そう言われてみれば・・・。ハハハ。では、また時間が経ってから・・・」

「はい。よろしくお願いします」


私は最後にそう返事をして、ふっと先ほどまで座っていた席を離れた。

とりあえず一番端っこの窓の景色を見ながら、自分の気持ちを改めて整理してみる。






会ってから何を言おうか・・・。



まだ何も考えてない・・・。





一応待ち合わせ時間になるまでは10分近くもあったけれど。




きっとあの人のことだし。

予定の時間よりも早めにやってくるに違いない・・・・・・。





「・・・・・・何から言おう・・・?」



そんなことを数分置きに呟いていたら、ふっと突然頭の中で思っていたことが『サッ・・・!』と消えた。

おもむろに静寂を求める、自分の心・・・。







ドアの向こうから、微かに人の話し声と足音が聞こえてくる・・・。




待っていたあの人がやってきたのだと、私の五感が告げていた。







(どうしよう・・・。自分で決めた状況だったけど・・・・・・。本当に何言うか決めてない・・・!)






戸惑いと焦りに、小さなこの胸が一気に押し潰されそうになる・・・。

そしてやはり1分と経たない内に・・・・・・。






コンッコンッ・・・



“ドアを叩く音・・・。”





ガチャッ・・・



“ドアノブを握る音・・・。”





ギィ・・・



“ドアを開ける音・・・。”






カサッ・・・



“中に入ってくる音・・・。”







きっと身体が緊張してしまっていたためだろう。

私はしばし背を向けたまま、息を殺し続けた・・・。


まだ中に入ってきた人物は、私の存在に気付いていない。

きっと・・・、まだ窓の方を見てないんだ。





それなら・・・。

向こうがこっちに気付いたと同時に、後ろを振り返ろう。




そう即座に決めた。



決めたのに・・・・・・・・・。





コツッ・・・


「!!」


気持ちが少し先走りすぎたのか・・・。

思わずヒールの靴音を立ててしまった。





“・・・・・・・・・ぁ・・・”






彼の小さな声・・・。

それも、ちゃんと聞き取らなければ聞き逃してしまいそうなほどの・・・。




『今ので気が付いたんだ』と、私の五感が即座に告げる。

と同時に私はそっと・・・、彼の方を振り返った・・・。






彼との距離は、ざっと2メートルくらい。

そして彼は、まるで目の前の光景が信じられないというかのように、こちらを見つめたまま・・・立ち尽くしていた。





パッと見ただけでの、彼の第一印象・・・。





(痩せたなぁ~・・・。おかもっち・・・)




元々メタボ予備軍ではあったから、痩せていたことは悪いことではないのだけれど・・・。


きっと彼も今日まで・・・。

色々抱え込み続けるような日々だったに違いない・・・。





ふっとそんな姿に変わってしまっていた彼を見て、私は少しだけ・・・。

自分自身が恥ずかしくなった・・・。








悩んでいたのは・・・。

苦しんでいたのは・・・・・・。












“私だけじゃ・・・なかったんだね・・・・・・。”










おそらく彼は今、きっとこの目の前の出来事に驚いているのだろう・・・。

戸惑っているのだろう・・・。



だから・・・・・・。

だから私はあえて・・・。





最初の一言を、これにした・・・。






「・・・・・・おはよう」














ジリリリリリリィ・・・

ジリリリリリリィ・・・






発車時刻を告げる、合図の汽笛が鳴り響く・・・。

淡い朝靄の光に包まれながら、始発列車に明かりが灯る。



その列車の停まる駅に、人の姿はかなりまばらなもので・・・。

一部にはほぼ運転手以外、誰もその場にいないような乗り場さえあった。





そんな静寂に包まれた駅の中を・・・。


小さな二つの人影が、お互いに声を掛けながら、駆け抜けていく。





『おかもっち早くー!! 走らないと列車出ちゃうよ~!!』

『ったく・・・!! 人をいきなり足止めしといて何かと思えば・・・・・・』

『いいから急いでよぉ~! もう時間ギリギリなのにー・・・!!』

『ちょっ・・・、ちょっと待ってや・・・! ぎっ・・・、ギターが重いねんっ!!』

『単なるアコギなのになんでそんなに重いのよー!!』



〔この列車は、2014号車3296駅行きです。まもなく発車時刻です。ご乗車になられますお客様は、お早めに、お乗りください〕



『!! ・・・ヤバイッ! 列車出る!!』

『・・・もうっ・・・! ほら! ギター運ぶの手伝うから・・・!!』

『えっ? ホンマに?? うわっ、それめっちゃ助か』

『礼を言ってる暇あるんなら走って! 早く・・・!!』





そんな全力疾走で走り抜ける二人の姿を、たった今上がったばかりの紅い太陽が。




そっと・・・朝焼け色に、照らしだしていた・・・・・・。




きっと・・・・・・。


またどこかで・・・、会えるよね・・・?



たとえ解散しても、またいつか・・・・・・。


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― 新着の感想 ―
[良い点] こちらもようやく読むことができました。 勿論推奨曲を聴きながら読みました。 4人で一緒に乗ってきた列車。 そしてその列車から降りて次に向うための切符を持っている3人とは違い切符を持ってい…
2013/04/20 20:23 退会済み
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