表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

三毛猫の三題話

「ちっちゃな歌姫」

作者: 三毛猫

 電車に揺られながら、風邪薬の錠剤をラッパ飲みでざらざらと口に含んで、栄養ドリンクで流し込む。用量も用法も守ってない気もするが、気にしない。今日は待ちに待ったコンサートがあるのだ。四十度の熱がなんだ、うわははは。なんかテンションあがってきたー! 絶対に見に行くのだ! なんかあたま、もーろーとしてきたけどっ!

 メインは某ヴァーチャルアイドルに良く似た名前のちっちゃな歌姫なのだが、実際には作曲担当と演奏担当、ダンスの振り付け担当、衣装担当に動画の編集担当など総勢六名になるグループで、なんと元は部活動の一環として始めたらしい。ヴァイオリンとピアノの二重奏によるオリジナル曲をバックに、ツインテールのちっちゃな女の子が歌いながら踊るという「やってみた」系の動画が某動画サイトで大ヒット。あっという間に人気に火がついて、高校卒業を機にプロデビュー、そしてついに迎えたファーストコンサート。

 ちび歌姫は、裏で合法ロリと呼ばれているのもうなずけるくらいちっちゃくてかわいかった。

それがまぁ、飛ぶは跳ねるは大騒ぎ。あれだけ動いてちっともパンチラしないのは相当動きが計算されている。元々音楽に合わせて踊るのがメインなところがあったので最悪口パクでもしょうがないかと思っていたのだが、とてつもなくパワフルだ。息も切らしていない。

 ところが、七曲目が終わったとき、異変が起きた。いままで凄くパワフルに飛び跳ねていたちび歌姫が、急に、まるで電池が切れたようにピタリと動かなくなったのだ。

 ざわざわと会場がざわめく中、袖から、もうひとり、まったく同じ顔のちび歌姫が現れた。

「ごべんなざい、いまでんぢかえまふ」後から現れたちび歌姫は、ゴホゴホと咳をしながら、動きが止まった方の歌姫の背中をごそごそまさぐって何か入れ替えると、歌姫が動き出した。

 口パクどころか、CD+ロボットだったんかいっ!

 某ヴァーチャルアイドルは初音ミクのこと。書いててノリは楽しかったのですがオチが微妙。

 せっかく風邪を押して見に来たコンサートがCD+ロボットだったのは残念でしょうけれど、初めてのコンサートで歌えなかったアイドルも残念だったんだろうなーとか。その辺を表現できなかったのが少々心残り。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ