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VRMMOでものづくり始めました  作者: SAK


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87/90

大規模探索

「かなり凄いことになってるな……」


 イベントダンジョンである特殊ダンジョンに隠し部屋があるのではないか。という噂が出回って数日。

 その噂を確かめるために、探索サークルが作られた。

 サークルに参加するには、『スキル「陥没」持ち』もしくは『ツルハシで壁を掘れる力とHP持ち』というどちらかの条件を満たす必要がある。

 まあ、後者ならほぼ誰でもOKなので、誰でも参加可能ではあるんだけど。


 俺は前者に該当するし、アトラスさんは後者に該当するのでサークルに参加した。

 ただ、サークル内での急造のパーティーだと連携が取りづらくて、道中の中ボスやボスたちに苦戦するかもしれないと思い、俺たちは他の人の足を引っ張らないように自分のギルドメンバーだけで探索することにした。

 一応、サークル内のメンバーだけでパーティーを組む必要はなく、特殊ダンジョンの情報を共有さえすれば大丈夫なようで、そこはありがたいところである。

 サークル内のメンバーだけで組む利点は、陥没スキル持ちだけでパーティーを組めることとかかな。


「一層のリビングアーマーには人形使いが必要だし、二層のトロールも連携が重要。三層の東側には中ボスやボス部屋はないものの、壁を掘るとなるとストーンゴーレムなどが邪魔してくるしな」

「そういう意味では俺たちには現状のパーティーがベストですよね」

「だな。二層ではコウに『陥没』で隠し階段がないか確かめてもらって、三層では全員で壁を掘るのがよさそうか」

「そうですね。そのためにもマジックポーションがかなり必要そうです」


 陥没スキルは消費MPがもともと30で、俺が使用する場合は1.1倍されるのもあるから、マジックポーションの50回復ではなかなか追いつかない。

 マジェネで回復するにしても、俺は最大MPが低めなんだよなあ……やはりステータスの振り方を考え直すか……。

 あとはビーのハチミツを混ぜたり、ブラウンに手伝ってもらったりして品質を上げて、回復力を高めておかないと。


「しかし、ツルハシで掘るにしても時間がかかるよなあ……一瞬で掘れたら楽なんだが。そういう魔法とかないものか」

「あー……」


 そういえば、陥没スキルを使い続ければ切削スキルを覚えられるとかクイーンドリアードさんが言ってたな。

 今までもちょこちょこ陥没スキルを使ってきたし、この検証で切削スキルを覚えられたら楽になるんだろうなあ。

 まあ、俺が使った分もライアの使った分にカウントされるかは分からないのだけど。


「よし、それじゃあおれはツルハシを造っておくぜ。壊れないツルハシとかあればいいんだけどなあ」

「そんな鍛冶屋がいればいいんですけどねえ……俺はマジックポーションを増産しておきます」

「ああ、頼んだぜ」


 こうして、少しずつ準備を始めていき……。




**********




「こんなに人がいるとは……」


 後日の特殊ダンジョン探索の日に集合場所に集まると、そこにいたパーティーの数はおよそ500。

 各パーティーは3~4人編成なので、最低でも1500人はいるんだよな……。


「それでは探索を開始しましょう! 情報は常に共有して、効率よく調査していきましょう!」


 ……ん? あれは確かユニコさん?

 サークルのリーダーは別の人だったから、ユニコさんはサブリーダーなのかな。



 どうやらユニコさんは配信活動をしているのが評価され、リアルタイムで情報を共有する役割をするようだ。

 サークル内では掲示板やサークルチャットなどで情報を共有できるから、それをまとめて各パーティーに指示を出していくのか。

 確かにこれなら、ダンジョンの仕様でパーティーごとに別々のダンジョンに潜っていても、効率よく進められるな。


 説明が終わり、それぞれのパーティーがダンジョンに突入していく。

 俺たちのパーティーレベルでは中級レベルのダンジョンになるので、そこの掲示板とサークルチャットを開いておいて……っと。

 俺たちが入口に立つとユニコさんに声を掛けられる。


「あ、コウさん。もしかして、今日は調査に協力して頂けるのですか?」

「はい、俺が陥没スキル持ちで二層担当なのと、アトラスさんが造ったツルハシで三層の壁掘りですね」

「ご協力ありがとうございます、ぜひ隠し部屋を見つけたいところですね。それではご武運を」


 こうして、俺たちはダンジョンへと入っていった。




**********




「……ふう、ようやく二層の東側に来ましたね。サークル掲示板に報告を入れておきましょう」


 俺たちは一層でリビングアーマーを撃退し、二層の東側に到着する。

 掲示板に書き込む前に他のプレイヤーの動向を確認し、既に数十のパーティーが到達しているようだ。


『多数のパーティーが二層の東側に到着したため、検証を始めましょう』


 俺が書き込むのとほぼ同時に、ユニコさんのグループチャットが入る。

 二層の東側には部屋が4つあり、それぞれに分かれて調査を行うようだ。俺たちは一番南東の部屋に配置された。

 そして、更にその部屋の中で各パーティーが役割を持ち、部屋を列に分割して陥没スキルで検証を行うとのこと。


「よし、それじゃあ始めますか」

「雑魚散らしは任せときな」

「私は斥候を担当しますね。巡回してゴーレムが接近していないか確認します」


 こうして、検証が始まった。




「……ふう……なかなか見つからないな……」


 検証開始から20分ほどが経過し、それぞれの部屋の探索の進捗率が80%を超えた。

 これだけ探しても見つからないなら、三層での壁掘りが正解なのだろうか?

 マジックポーションが尽きたパーティーは三層に移動して壁掘りを行っているのだが、そちらでもまだ成果は出ていないようだ。


「ここで最後かな……?」


 俺は担当の部屋で最後の床に陥没スキルを使う。

 ……しかし、無情にも床からは何も出てこなかった。

 まあそんなに簡単に見つからないか……と思っていると。


【INFO:陥没スキルの使用回数が一定回数を超えたため、切削スキルを習得しました】


「……よし!」

「……コウ、もしかして何か見つかったのか!?」


 俺のガッツポーズを見てアトラスさんが声を掛けてくる。しまった、確かに勘違いされるよな。


「いえ、実は──」


「……なるほど、スキルを使い込むことで新しいスキルが覚えられるのか」

「このスキル、三層以降での壁掘りに役立ちそうですね」

「はい。まさか、ライアの使用回数だけじゃなくて俺の使用回数も合計されてたとは……」


 つまり、自分とペットモンスターで使いまくれば、習得にかかる時間もかなり短縮できるわけだ。……その分、マジックポーションを大量に消費するのだが……。


「これ、サークル掲示板で共有すれば、今後の調査が楽になるんじゃないか?」

「そうですね、早速書き込んでおきましょう」



 俺がサークル掲示板に書き込んで1分も経たないうちに大量のレスが付く。


『『『な、なんだってー!?』』』

『これは作業効率爆上がりですよ!』

『マジックポーションの使用頻度も爆上がりだけどな!』


 そう、切削の消費MPも陥没や隆起と同じで30。

 これを壁を掘り進めるのに使うとしたら、陥没以上にMPが必要となる。

 ツルハシで掘るよりも時間がかなり短縮はされるのだが、消費MPが高いのはネックだな。


『……こんな重要な情報、サークル掲示板で言っちゃっていいんですか……?』

『そうそう、動画にすれば収益も見込めるのに……』


 確かにそれはそう。

 でも、今回のマップの東側が怪しいという情報も無償で提供されたものだし、俺もこれぐらいはね。


『さすがはたらしさんだ……』

『モンスターだけでなく人までたらすか……』


 あっ、変な方向に話が進んでる。

 どうやって止めようかと思案していると、ユニコさんから全体連絡が入る。


『二層の部屋のうち、2つは終了、残り2つはMP切れのため中断されています。他の部屋でMPが残っている部隊はありますか?』

『うちの部隊、いけます』

『こちらもです』


 俺たちの他にも10部隊ほどが名乗りを上げ、残りの2部屋を探索することに。

 そして、5分ほど経過したころ……。


「……うーん、なかなか出ませんね……この部屋も残り5マスほどですか」


 俺はマジックポーションをがぶ飲みしながら、陥没スキルを使い続ける。

 入口でアトラスさんやアテナさんに渡して持ち込んでもらった分も、そろそろ底をつくのだが……。


「……『陥没』!」


 地面がボコンと音を立てて凹んでいき、土埃が舞う。

 そして、土埃が収まるのを待って、穴を覗くと……。


「……あ……」


 穴の底に階段と思しきものが姿を現す。

 俺はそれをスクリーンショットし、即座に画像をグループ掲示板で共有し、グループチャットで報告する。


『うおおおお!!!!』

『本当にあったんだ!』

『コウさん、座標の共有をお願いします。他のパーティーでも同じ箇所を掘って階段が出れば、座標は固定されているのが判明しますので』

『分かりました。座標は……』


 俺が座標を共有すると、他の部屋の探索をしていたパーティーも集まり、陥没スキルを使う。


『こちらでも階段を確認できました!』

『うちもです!』


 このダンジョンはパーティーレベルでダンジョンの内容が変わるのだが、この隠し階段については俺たちよりも上のランクのダンジョンでも発見された。

 また、スコップなどを持ち込んでいたパーティーもあり、そちらで掘っても問題なく隠し階段は出てくるようだ。


『皆様、ご協力ありがとうございます! おかげさまで今回の隠し部屋探索は大成功に終わりました! 残りは隠し部屋の探索になりますが、引き続き情報の共有をお願いします』


「コウ、おれたちも隠し部屋に進むか?」

「うーん……マジックポーションをほとんど使ってしまったので、補給をしたいところですが……やっぱり気になりますよねえ」

「私もです!」

「よし、それじゃあ進もうぜ!」


 俺たちは念のためHPとMPを回復させて、階段を降りていく。




**********




「おお……まさかこんな部屋があるとは……」


 階段を降りた先で俺たちを待っていたのは、大量の宝箱。

 二層の高所にある隠し部屋よりも更に数は多い。


「よっしゃ、早速開けてみようぜ」

「そうで……あ、アトラスさん、ちょっと待ってください」

「ん? 何か問題でもあるのか?」

「はい、運営からのお知らせがあったじゃないですか」


 俺はウィンドウを開き、あの時の情報を開く。


「これです。『まだ発見されていないモンスターもいますので、引き続きお楽しみください』、ってあるじゃないですか」

「……もしかして……」

「はい。この大量の宝箱の中に、宝箱に擬態しているモンスター……ミミックがいるんじゃないかって」

「確かに、まだ発見されてないモンスター、今のところいませんでしたね……」


 この隠し部屋には大量の宝箱はあるものの、モンスターの姿が見えない。

 もしかしたら、四層にも隠し部屋が存在し、そちらにモンスターがいる可能性もあるのだが……。


 俺たちが慎重になっていると、グループチャットに他のパーティーからの悲鳴が書き込まれる。


『わ、罠です! 宝箱の中にミミックが混じっ……』


 その書き込みは俺たちよりもレベルの高いパーティーだった。

 書き込みが途切れたということは、戦闘中、もしくは速攻で戦闘不能になったか……。


「……コウ、どうする?」

「ミミックをどうにかできればいいのですが……」

「うーん……今のところ、思いつかないですね……座標自体は分かったので、対策を講じてから来た方がいいかもしれません」

「宝箱を開けた瞬間に先制攻撃されるなら被害も大きそうですし、ここはいったん撤退するのが得策でしょうか」

「そうだな。それじゃあ二層の隠し部屋に寄ってから帰ろうぜ」


 こうして俺たちは宝箱を目の前にして撤退するのだった。




 その後、グループ掲示板でミミックについての情報が共有された。


・開けた瞬間に襲い掛かられる

・攻撃力はストーンゴーレムよりも上

・移動速度は遅いが、遠距離魔法も使ってきて威力がとんでもない。ステータスが攻撃と魔力の極振りと思われる

・開ける前に宝箱に攻撃をしても正体を現さない。ただし、攻撃したものが普通の宝箱の場合、中身が確実に破損してしまう

・死を覚悟して、全員で別々の宝箱を開けてアイテムを回収、ミミックを引いたら必死に宝箱を開けて回るのが一番稼げるかもしれない。なお、宝箱の中身はハイマジックポーションなど結構いい物が多い


 ……うーん、隠し部屋なのにまともに稼がせる気はないのか……。あと即死魔法は使わないんだな。

 それにしてもこのミミック、何か有効な対策はあるのだろうか……?


 俺は対策を考えながら、残った時間はライアたちと遊んだり、使った分のマジックポーションを作ったりするのだった。

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― 新着の感想 ―
マジックポーションを湯水のように使うなら飴か何かのようにして持続回復型にできたら節約できそうよね ミミックはちょっとやそっとが切れないロープでカンジガラメにして持ち帰ってみたらいいのでは?
都合よくスキル持ちが居るかによるかねぇ… 索敵、鑑定、看破あたりがよくありそう。 魔力感知で宝箱全体が反応しそう。(魔法生物なら) 生命感知、温度感知はマイナーだからスキル自体がなさそう。 異世界も…
ここはドワーフさん達の力を借りるしかっ。 協力してくれるかしら?してくれると良いなぁ。というか、ドワーフさん達は、ミミックを見破れるのかでという疑問が。 むーちゃんやブラウン達の力は借りられませんしね…
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